トップページ > APECビジネストラベルカードの取得条件とは？費用や有効期限なども解説

APECビジネストラベルカードの取得条件とは？費用や有効期限なども解説

APECビジネストラベルカードを検討している方の中には、

「取得の条件は？」

「費用はかかる？」

「有効期限は？」

と疑問をお持ちの方も多いでしょう。

この記事では、APECビジネストラベルカードの取得条件について詳しく解説します。かかる費用や有効期限についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

APECビジネストラベルカード（ABTC）とは？

ここでは、APECビジネストラベルカード（ABTC）の特徴について見ていきましょう。

カードの概要

ABTCは、APEC域内を頻繁に出張などで訪れるビジネス関係者の移動をスムーズにするためのプログラムで、参加国・地域の政府が交付しています。

名称	APECビジネストラベルカード（通称：ABTC）
交付元	外務省（日本の場合）
特徴	プログラムに参加する国・地域（19カ国）でのビザが免除される（短期での商用目的に限定）
有効期限	5年間

ABTCカードが利用できる国

利用できる国は、以下の19カ国です。

エリア	国
東アジア	日本・中国・香港・台湾・韓国
東南アジア	シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・タイ・ベトナム・ブルネイ
オセアニア	オーストラリア・ニュージーランド・パプアニューギニア
中南米	メキシコ・チリ・ペルー
欧亜	ロシア

ABTCカードを取得するメリット

取得のメリットは、以下のとおりです。

ビザがなくても入国審査を受けられる
ABTC専用レーンを利用できる
入国審査のトラブルを回避できる
コストが安く済む

ABTCカードを取得するための条件

ここでは、取得するための条件について見ていきましょう。

申請の要件

申請の要件は、以下のとおりです。

1. 有効な日本国パスポートを所持している
2. 申請書や提出書類に虚偽の記載がない
3. 犯罪歴がない
4. 外務大臣が告示で定める以下のいずれかの条件に当てはまる（プロスポーツ選手・報道特派員・芸能人・ミュージシャン・アーティスト・同様の職業に当たる方は対象外です。）

APECビジネス諮問委員会の日本委員・日本委員代理・日本委員をサポートする業務に従事する者
金額の大きさに関係なく、貿易・投資実績がある企業の経営者または当該企業に雇用されている者で、貿易などに関する事業を目的とした往来が必要であると認められる者
ABAC日本支援協議会の構成団体の職員・その団体の会員である機関の経営者・当該機関に雇用されている者で、貿易などに関する事業を目的とした往来が必要であると認められる者
貿易などに関する事業を行う機関の経営者・当該機関に雇用された者で、災害復興に資すると認められるものを行う目的として往来し、かつ今後も往来する必要があると認められる者

ABTCカードで可能な活動の要件

活動の要件は、以下のとおりです。

許可される活動とは

許可されているのは、短期間で行われる収入・報酬をともなわない以下のような活動です。

ミーティング
業務連絡
マーケットリサーチ
投資のための契約の取り決め
納品後のアフターサービス

ABTCカードの申請ができない活動もある

ABTCは、APEC域内の貿易および投資をスムーズにするためのプログラムです。できる活動は、短期商用の目的に限定されます。

例えば、観光目的での活動は許可されていません。そのほかにも、以下の活動を予定している方は、許可されないため注意しましょう。

学生など留学目的の者
事業者の配偶者と子供
有給雇用・ワーキングホリデーを希望する者
プロスポーツ選手・報道記者・芸能人・ミュージシャン・アーティストなど

許可された活動以外をしていると判明した場合は、プログラム参加国・地域の国内法令により、処罰される可能性があります。

さらに、ABTCも失効してしまうため、十分に注意してください。

審査の難易度

まず、国内で申請要件に関する審査がされます。

国内での審査後、プログラムの全参加国・地域による事前審査が行われます。

取得条件を満たし、不備なく必要書類を提出すれば、審査を通過する可能性は高いでしょう。

ただし、申請から交付までに、かなりの時間を要するとされています。現在は申請数の増加にともない、交付までに9カ月程かかります。

書類などに不備があると、さらに時間がかかってしまうため注意が必要です。

出張のスケジュールに影響が出ないよう、時間に余裕を持って手続きをしましょう。

ABTCカード取得における注意点

取得における注意点は、以下のとおりです。

有効期限について

ABTCの有効期限は、原則5年間です。

ただし、パスポートの残存有効期間が5年未満の場合、ABTCの有効期限は、パスポートと同一となるため注意しましょう。

すでに在留資格を取得している場合

入国しようとする国・地域の在留資格をすでに持っている方は、ABTCを使用して入国すると、「短期商用」などの在留資格を誤って与えられる可能性があります。

交付までに時間がかかる

ABTCは、申請から交付までに時間がかかるとされています。

かかる期間は、9カ月程です。

審査の状況は、ABTCオンラインシステムからチェックできます。

申請について

ここでは、手続き方法について見ていきましょう。

申請の流れ

申請の流れは、以下のとおりです。

1. 提出書類の作成・準備
2. 申請書類の提出
3. 国内審査（外務省）
4. 事前審査（ABTC参加国・地域）
5. カード発行

申請関連

書類や費用は、以下のとおりです。

申請書類

APEC商用渡航カード（ABTC）交付申請書
顔写真（縦45mm×横35mm） 2枚
パスポート（顔写真・身分事項が記載されたページ）の写し
在職証明書
登記事項証明書
所属企業の貿易・投資の実績を示す文書（決算書・損益計算書など）
所属企業の業務内容に関する資料（事業報告書・会社パンフレットなど）
返信用定形封筒・郵便切手（444円）
収入印紙（13,100円）
手数料納付書

申請にかかる費用

申請にかかる費用は、合計で15,000円前後です。

以下に費用の内訳をまとめたので、参考にしてください。

交付手数料	13,100円
顔写真の撮影費用	1,000円前後
返信用定形封筒・郵便切手代	444円
コピー代など	申請者による