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銀行の名義変更手続きで戸籍謄本は返却されますか?

相続の際、銀行の名義変更手続きで戸籍謄本は返却されるのでしょうか?この疑問にお答えしていきます。

 

銀行口座の相続手続きを調べると、どの銀行でも「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本」や「相続人の戸籍謄本」が必要だということが分かります。

 

そうすると、「じゃあ手続きごとに何通も同じ戸籍を取らないといけないの?」、「1度取ったものを使いまわしは出来ないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

実はそのとおりで、結論から言うと、銀行の名義変更手続きで提出した戸籍謄本は原本還付をお願いすれば返却されます。そして、それを他の銀行や相続手続きで使い回すこともできます。

 

では、詳しい内容を見ていきましょう。

1. 一度集めた戸籍書類を使い回す(原本還付)

銀行では、名義変更などの相続手続きの際、希望があれば戸籍謄本の原本を返してもらえます。

 

銀行によっては、基本的に原本を返してくれる所もあれば、原本還付を【希望すれば】返却に応じてくれる銀行、あとは郵送で書類を提出する際に付箋やメモで返却希望と付けるだけでよい銀行等、銀行ごとに方法が少しずつ違います。そうはいっても、どこも原本還付には応じてくれると覚えておきましょう。

 

銀行側も、戸籍謄本の収集の大変さは知っていますので、事前に原本還付が必要か確認されることが多いとは思いますが、うっかり原本が回収されてしまって戸籍謄本書類一式取り直し、ということにならないように注意が必要です。

 

銀行口座が1個2個しかないような、手続き先が場合には、この方法で戸籍書類を使いまわしても良いかもしれません。

 

なお、法務局での不動産の名義変更でも原本還付は可能です。その他の相続手続きとして、相続放棄については、裁判所によって扱いが異なるので、できる所とできない所があります。これについては事前の確認が必要です。

なお、相続放棄は、弁護士又は司法書士でなければ代行できません。

 

ここまでで、銀行では原本還付が可能であることが分かって頂けたと思います。しかし、この「原本還付&使い回し」の方法にも、紛失のリスクであったり、法務局での不動産登記申請中は原本がしばらく戻ってこないといったデメリットもあります。

 

そこで次に紹介する「法定相続情報証明制度」の利用もおすすめです。こちらは戸籍書類一式の代わりに使える、A4一枚の証明書が発行されるというものです。こちらも詳しく見ていきましょう。

2. 戸籍書類の代わりとして使える書類を作る (法定相続情報証明制度)

管轄の法務局で申し出をすることで、戸籍書類一式の代わりとして使用できる「法定相続情報一覧図の写し」という書類を取得することが出来ます。

【法定相続情報一覧図の写し】の取得方法

1 必要書類の収集

・亡くなられた⽅の⼾除籍謄本 出⽣から死亡まで全て

・亡くなられた⽅の住⺠票の除票

・相続⼈の⼾籍謄謄本(抄本でも可)

・申出⼈(相続⼈の代表となって⼿続をする人)の身分証

2 法定相続情報一覧図の作成

3 申出書の記入、登記所へ申出

法定相続情報証明制度利用のメリットとしては、法定相続情報一覧図の写し(A4サイズ1枚)で戸籍書類一式の代わりになること、何通でも必要な数だけ取れること、発行手数料がかからないこと、が挙げられます。

 

また、戸籍書類一式を一回分しか揃えていないのに、不動産や銀行預金の相続手続きを同時に進めたり、相続税の申告の添付書類として使えたりと、何かと使い勝手が良いです。

 

相続手続きが多い場合には、戸籍謄本の還付請求で使い回すより、【法定相続情報一覧図の写し】を使うメリットがあると言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?使いまわしや、法定相続情報証明制度を利用することで、不要な戸籍収集をしないで済むことが分かって頂けたと思います。

 

ただ、いずれにせよ、最初は戸籍書類を一式集めないといけません。また、法定相続情報証明制度の利用については、その後の手続きが楽にはなりますが、一つ手続きが増えるということも、また事実です。

 

普段忙しくてこういった手続きをするための時間を割けなかったり、ご自身でこれらの手続きを行うのが難しいと感じるようであれば、行政書士等専門家のサポートを受けるのが良いでしょう。

 

専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身で手続きできるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。