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外国人技能実習生の外部監査人の報酬は?導入方法も解説

技能実習制度における外部監査人は、監理団体の運営をチェックする役割が求められます。外部監査人の設置は、監理団体としての許可を得るための要件の1つです。

 

外部監査人の導入を検討している企業の中には、

 

「外部監査人とは?」

「報酬はある?」

「導入方法は?」

 

と疑問をお持ちの方もいるでしょう。外部監査人の要件は細かく設定されており、最適な人材を見つけるのが難しいと感じる方も多いです。この記事では、外部監査人の報酬と導入方法について解説します。

 

ぜひ、最後までお読みください。

外部監査人とは

技能実習制度は、日本の技能・技術・知識を外国人に伝授し、国際貢献を目的として施行されました。技能実習における監理団体の要件の1つに、「外部監査または外部役員の設置」という項目があります。

 

外部監査人は、監理団体の運営において重要なポジションです。

 

ここでは、外部監査人について詳しく見ていきましょう。

概要

技能実習制度における監理団体は、中立的な立場で運営しなければいけません。運営が適切に行われているかのチェック機能として、外部監査人の設置が義務付けられています。監理団体としての許可を得るためにも、設置は必須の要件です。

 

外部監査人とは、監理団体から選任された法人または個人で、法人外部から監査をする者を指します。導入方法については、後述するので合わせて確認してください。

職務

外部監査人は、監理団体の運営が正しく行われているかを、外部から調べる役割を担います。定期的に監理団体に対して監査を行い、報告書を作成するのが主な職務です。

 

具体的な業務については、以下で解説します。

業務

1. 監理団体の各事業所において、監査などの業務の遂行状況を3カ月に1回以上の頻度でチェック・結果を報告書にまとめて監理団体へ提出

監査の項目については、後述します。

 

2. 監理団体が行う実習実施者への監査に年1回以上同行・結果を報告書にまとめて監理団体へ提出

同行監査の方法は、以下の通りです。

 

  • ● 技能実習の実施状況を実地に確認
  • ● 責任者または指導員から報告を受ける
  • ● 技能実習生の4分の1以上と面談
  • ● 実習実施者の各事業所の設備・帳簿書類をチェック
  • ● 技能実習生の宿泊施設などの生活環境をチェック

監査の項目

監査は、技能実習において問題が発生しやすいポイントに注意してチェックする必要があります。例えば、賃金の不払い・労働時間の偽装・実習計画と異なる業務など、各法令が守られているかがポイントです。

 

以下の項目を基に、監査を行います。

1. 監査費について

例えば、実習実施者へ用途や金額をあらかじめ伝えた上で徴収しているかなど、監理費が正しく扱われているかをチェックします。

 

2. 業務について

例えば、実習計画に沿って技能実習が行われているかなど、業務が適切に行われているかをチェックします。

 

3. 書類について

例えば、技能実習における管理簿(監理費や雇用契約など)が適切に作成され、取りそろえられているかなどをチェックします。

 

4. 保護について

例えば、暴行・脅迫・監禁などにより技能実習を強制していたり、技能実習生の私生活の自由を不当に制限していたり、保護の観点から違反がないかをチェックします。

 

5. そのほか

例えば、監理団体の許可証があるかや、そのほかの法令違反があるかなどをチェックします。

選任の要件

要件は、以下の通りです。

 

  • ■ 過去3年以内に「監理責任者等講習」を受講し、修了した者
  • ■ 監理団体から選任を受けた法人・個人のいずれか
  • ■ 下記に当てはまらない者(「外部監査人になれない者」)

 

1. 実習監理を行う対象の実習実施者またはその現役、もしくは過去5年以内に役員・職員だった者

2. 過去5年以内に実習監理を行った実習実施者の現役、または過去5年以内に役員・職員だった者

3. 上記1、2の配偶者または二親等以内の親族

4. 監理団体の現役または過去5年以内に役員・職員だった者

5. 監理団体の構成員またはその現役、または過去5年以内に役員・職員だった者

6. 傘下以外の実習実施者またはその役員・職員である者

7. ほかの監理団体の役員・職員である者

8. 監理団体に取り次ぎを行う外国の送出機関の現役、または過去5年以内に役員・職員だった者

9. 監理団体の許可の欠格事由に当てはまる法人・監理団体の許可に係る役員関係の欠格事由に当てはまる個人

10. 過去に技能実習に関して不正などを行った者・外部監査の公正が害されるおそれがあると認められる者

外部監査人の導入方法

監理団体としての許可を得るための条件の1つに、外部監査人または外部役員の設置があります。外部役員ではなく外部監査人を設置した場合のメリットは、以下の2つが挙げられます。

 

  • ● 役員ではないため定款や役員名簿の変更が要らず、手続きが簡単
  • ● 1年に1回以上の同行監査があるため、実習監理の指導が行き届きやすくなる

 

監理団体を設立する手続き自体は、さほど難しくはありません。しかし、外部監査人の細かい要件が定められているため、条件に合致した人を見つけるのは難しいと言えます。

 

ここでは、外部監査人の導入方法とポイントについて見ていきましょう。

導入方法

導入方法は、以下の通りです。

 

  • ● 過去3年以内に主務大臣が認めた機関で「監理責任者等講習」を受けて修了する
  • ● 監理団体から選任を受ける(個人・法人どちらでも可)
  • ● 監理団体の各事業所について、監査業務の遂行状況を確認(3カ月に1回以上)
  • ● 監理団体の監査に同行(1年に1回以上)
  • ● 結果を報告書にまとめて、監理団体に提出

 

外部監査人の選任が難しい理由の1つとして、要件が細かいことが挙げられます。特に、外部性を保つ観点から、「外部監査人になれない者」の条件が厳しいのが特徴です。「外部監査人になれない者」については、前述した通りです。

導入のポイント

導入のポイントは、以下の通りです。

 

  • ■ 事業協同組合や公益社団法人などと利害関係がない第三者
  • ■ 技能実習法・入国管理法・労働関係法令などに詳しい
  • ■ 守秘義務などがある法律関連の国家資格者

 

外部監査人を選定する場合、上記のような人が適任と言えます。特に、技能実習法・入国管理法・労働関係法令などの知識があり、外国人の雇用管理の経験を持つ者が望ましいです。

 

国家資格には、税理士や公認会計士などもありますが、税務や会計に関する監査ではないので適任者とは言えません。候補としては、行政書士・社会保険労務士などが挙げられます。

 

  • ■ 行政書士:外国人の在留資格やビザなど入国管理法の分野が得意
  • ■ 社会保険労務士:労働関係法令の分野が得意

 

国家資格の有無は、外部監査人の要件ではありません。しかし、国家資格者以外の人に外部監査人を依頼する場合は、監査人としての経歴や資質があるかなどを厳しく審査されます。

 

多くの行政書士事務所や社会保険労務事務所では、外部監査人の委託サービスを展開しています。外部監査人の選任で行き詰まっている方は、これらのサービスに依頼するのがおすすめです。

 

依頼をする場合は、「監理責任者等講習」を受けて修了している行政書士や社会保険労務士が在籍している事務所であるかどうかを確認しましょう。技能実習に関して、詳しい知識と経験を持つ事務所に依頼すると安心です。

外部監査人への報酬額は?

行政書士や社会保険労務士事務所などに依頼した場合、各事務所によって報酬額は異なります。

 

料金体系は、主に以下の3つです。

1. 1回の監査ごとに料金が発生

1回の監査ごとに料金が決まっているパターンです。例えば、1回の監査の報酬額が30,000円であれば、監査の度に報酬額30,000円を支払います。

 

監査にかかった時間で報酬が変わる時給制のパターンもあります。例えば、5,000円/時間で3時間の監査であれば、5,000円×3時間=15,000円です。

 

加えて、3カ月ごとの監査と1年に1回の同行監査では、料金設定が異なる場合もあるため注意してください。

 

2. 月額プラン

月額が固定で決まっているパターンです。月額プランは、年間契約を基本とする場合が多いです。例えば、月額30,000円であれば、30,000円×12カ月=360,000円を支払います。

 

3. 年間プラン

年間で金額が決まっているパターンです。3カ月に1回で年4回の監査と、1年に1回の同行監査を合わせた計5回分の料金をまとめて支払います。

 

毎月1回の監査で年12回と、1年に1回の同行監査を合わせた計13回分の年間プランを提供している事務所もあります。

 

相場としては、300,000円前後に設定している事務所が多いです。

 

上記に加えて、事業所・実習実施機関の数や技能実習生の人数などで料金が変わったり、報告書の作成料が別で発生したりするケースもあります。

 

監査1回分の報酬額は、全体の相場として30,000〜60,000円程度に設定されている場合が多いです。

 

各事務所によって対応は異なるため、ご自身の計画に合う事務所と料金プランを選択してください。詳しい報酬額を知りたい方は、見積もりの依頼をして確認すると安心です。

まとめ

この記事では、外部監査人の報酬と導入方法について解説しました。

 

外部監査人には、監理団体の運営が適切にされているかをチェックする役割があります。外部監査人は、誰でもなれるわけではありません。細かい要件が定められており、条件に合致する人材を選定するのは難しいと感じた方も多いでしょう。

 

技能実習における関係法令の知識があり、外国人の雇用管理の経験を持つ者が適任と言えます。例えば、行政書士や社会保険労務士などの国家資格保有者が望ましいです。

 

報酬額は、行政書士・社会保険労務事務所ごとに異なります。料金体系は、1回の監査ごとに料金を支払うプラン・月額プラン・年間プランがあり、各事務所によってプランも金額もさまざまです。

 

自力で外部監査人を見つけるのは難しいため、行政書士事務所などのサービスを利用してみてください。

 

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