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法的保護講習の内容や使用するテキストについて解説

「法的保護講習って何をすればいいんだろう」

「法的保護講習で使用するテキストってなに?」

 

技能実習生が来日してから行う法的保護講習。この講習では、外国人のよりよい技能実習を目指して、日本での生活や労働関係法令に関することなどを勉強します。

 

受入機関は、責任を持って実習生に対して講習を行わなければいけませんが、何をすればいいのかわからない人もいるでしょう。また、どんなテキストを使えばいいのか気になりますよね。

 

この記事では、法的保護講習の内容やテキストを説明します。最後まで読むことで、法的保護講習の全体像がわかり、事前におさえておくべきことも理解できますよ。

法的保護講習とは

技能実習1号の外国人に対する講習のことを、「法的保護講習」といいます。第1号の技能実習生は、来日後にこの講習を受けなければいけません。

 

法的保護講習では、技能実習法令や入管法令、労働関係法令について学びます。これらを勉強することで、技能実習生の日本での学びを深めたり、職場で不当な扱いをされたときに自分を守ったりすることが可能になります。

概要

法的保護講習では、第1号の技能実習生が職場で不当な扱いを受けたときに自分を守れるよう、労働関係法令と対処法などを勉強します。

 

「休憩時間をもらえない……」

「聞いていた労働時間よりも多い……」

 

技能実習生がこのようなケースに直面したときに、対処できるよう労働関係法令を学びます。

 

また、入管法令についても勉強します。例えば、技能実習生はアルバイトが認められておりませんが、仮にアルバイトをしてしまうとどのように処罰されるのか確認しています。

 

さらに、技能実習法令では、技能実習生は日本で技能を修得して自分の国に帰った後には、技能を活かすことが求められているとチェックしています。

 

これらの講習については、行政書士などの「専門的な知識を有する者」が行わなければいけません。実習生の受入機関は、早めに行政書士に依頼する準備を進めておきましょう。

法的保護講習の内容

「法的保護講習の概要はわかったけど、より具体的な内容を知りたいな」

 

受入機関が責任をもって法的保護講習を行うためにも、どのような内容か気になりますよね。ここからは、法的保護講習の内容について詳しく紹介していきます。

 

●講義時間

●講義内容(テキストの内容)

 ・技能実習生の責務

 ・労働関係法令

 ・実習生ができる申告

 ・日本での生活

●使用するテキスト

 

1つずつ解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

講義時間

法的保護講習の講義時間は、8時間実施することが求められます。

 

技能実習制度運用要領によると、技能実習法令、入管法令、労働関係法令、その他必要な情報についてそれぞれ最低でも2時間は行うこととされています。合計時間としては、8時間講習を行う旨記載されています。

 

時間を短くして早く業務にあたってほしいと考える受入機関もいるかもしれませんが、法的保護講習は8時間行わないといけないと覚えておきましょう。

講義内容(テキストの内容)

講義では技能実習生手帳というテキストを必ず使用する必要がありますが、ここからはテキストの内容を抜粋して紹介していきます。

技能実習生の責務

技能実習法第6条には、以下のようにかかれています。

 

技能実習生は、技能実習に専念することにより技能等の修得等をし、本国への技能等の

移転に努めなければならない。

 

つまり、外国人労働者は技能実習に努めることが法律に記載されているのです。たとえ電話やメールで他社へのあっせんを受けたとしても、最初から決まっている実習先で技能を修得するようにしましょう。

 

仮に勝手に他の事業所へ移った場合には、技能実習生は日本の法律で処罰を受けることになるため注意が必要です。

労働関係法令

労働関係法令では、雇用契約書や雇用条件書などの確認方法をチェックします。例えば、雇用条件書には以下のことが記載されていなければいけないと学びます。

●雇用契約期間

●働く場所

●業務内容

●始業・終業の時刻

●所定労働時間を超える労働の有無

●休憩時間

●休日や休暇に関すること

●賃金

また、技能実習生は労働基準法も学びます。一部の技能実習生が不当に長時間労働を強いられているケースがあることから、法的保護講習では労働基準法もおさえておくことが大切です。労働基準法で勉強する内容を、以下に抜粋します。

●原則として、週40時間、1日8時間を超えて労働させてはいけない

●労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は60分の休憩を与えなければならない

●少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない

●残業をさせた場合には、割増賃金を支払わなければならない

実習生ができる申告

技能実習生は、職場で不当な扱いを受けた場合は申告することができます。

・暴行や脅迫で技能実習を強制されているとき→外国人技能実習機構に申告する

・雇用条件書に記載されている賃金が支払われないとき→労働基準監督署に申告する

 

「技能実習先で脅迫されている……」「技能実習の業務内容が聞いていたのと違う……」

こんなときは、外国人技能実習機構に申告しましょう。母国語で相談することもできるため、安心して利用できます。

 

「聞いていた賃金よりも安い……」「残業代を認めてくれない……」

こんなケースでは、労働基準監督署に申告しましょう。外国人技能実習機構でも労働基準監督署でも、申告したことで実習生を不当な扱いにするのは法律で禁止されています。困っている実習生は躊躇なく、申告するといいでしょう。

日本での生活

法的保護講習の内容では、日本での生活に関することも含まれます。歩行者や自転車の交通ルール、信号機について勉強します。

 

また、横断禁止や自転車専用道路など知っておくべき道路標識やゴミの出し方も学びます。さらに、電車やバス内のマナーや緊急時の警察や救急車の呼び方なども確認しています。

使用するテキスト

法的保護講習に使用するテキストは、技能実習生手帳です。

 

技能実習制度運用要領には、以下のとおり記載されています。

 

使用する教材については、原則として任意のものを使用することとして差し支えありませんが、「本邦での生活一般に関する知識」及び「法的保護に必要な情報」の科目については、技能実習生手帳を教材の一つとして必ず使用し、技能実習生に対し、技能実習生手帳の活用を促すようにしてください。

 

つまり、法的保護講習では、技能実習生手帳を使用することは決まっていますが、他のテキストは任意で使用していいということです。

 

おすすめのテキストは、公益財団法人国際人材協力機構(JITCO)の以下2冊です。

 

  • ・日本の出入国管理及び技能実習制度の概要テキスト
  • ・労働関係法令等テキスト

 

1冊目の”日本の出入国管理及び技能実習制度の概要テキスト”では、出入国管理行政の基礎知識や、実習生の保護に関する措置などについて学べますよ。2冊目の”労働関係法令等テキスト”では、労働安全衛生法や労働保険などの知識を収集できるでしょう。

 

両方ともJITCOオンラインショップで購入可能ですので、活用してみてください。

まとめ

技能実習生が来日してから行う法的保護講習。

この記事では、講習の内容やテキストの内容について詳しく解説しました。

 

受入機関はしっかりと実習生に内容を学んでもらうためにも、講習を行政書士に依頼するのがおすすめです。プロの行政書士に実施してもらうことで、法的保護講習の準備にかかる時間もカットできますよ。

 

この記事を参考にしていただき、法的保護講習に向けた第一歩を踏み出してもらえると幸いです。ありがとうございました!

 

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