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相続関係説明図と遺産分割協議書の違い

相続手続きの際、法務局や銀行から相続関係説明図や遺産分割協議書を提出してください、と言われることがあるかと思います。

 

それぞれあまり聞きなじみのない言葉ですので、そもそも相続関係説明図ってなに?遺産分割協議書ってどうやって作ればいいの?と悩んでいる方のために、ここでは相続関係説明図と遺産分割協議書やそれらの違いについて解説をしていきます。

相続関係説明図ってなに?

相続関係説明図とは、亡くなった方と相続人の関係を説明した図表のことで、以下のような図のものです。

 

【法務局の相続関係説明図 記載例】

 

必ず上記のような形式で作成しなければならないわけではありませんが、おおむね次のような事項を盛り込んで作成することになります。

①亡くなった人の

・氏名

・生年月日

・死亡年月日

・最後の本籍

・最後の住所

・登記簿上の住所

②相続人の

・氏名

・生年月日

・現住所

相続関係説明図は何に使うの?

相続関係説明図は、不動産を相続するときの法務局での手続きで提出を求められます。
なお、登記手続きは、弁護士又は司法書士でなければ代行できません。

 

この相続関係説明図を作成して提出することで、一緒に提出した戸籍謄本の原本を返してもらうことができます。

 

戸籍謄本は、銀行やその他の相続手続きの際に必ずいる書類ですので、法務局から原本を返却してもらうことで他の相続手続きにそのまま使うことができるようになります。

 

この他にも、相続関係説明図は銀行での相続手続きで求められることもありますので、相続することがわかったらはじめに相続関係説明図を作成しておくのが良いでしょう。

遺産分割協議書ってなに?

遺産分割協議書とは、相続人全員の間で合意した、誰が何をどれだけ相続するかについての内容を書面にしたものです。

 

例えば、以下のような内容で作成します。

 

遺産分割協議書(例)

 

被相続人法務太郎(令和元年6月20日死亡)の相続財産について、被相続人の相続人全員は、協議の結果以下の通り分割することに合意する。

 

第1条(土地・建物)

相続人法務花子は以下の土地・建物を取得する。

【土地】

所   在  東京都台東区〇〇町〇丁目

地   番  000番

地   目  宅地

地   積  500.00㎡ 

【建物】

所   在  東京都台東区〇〇町〇丁目

家屋番号   123番

種   類  木造

構   造  瓦葺2階建

床 面 積  1階  100.00㎡

       2階   50.00㎡ 

 

第2条(預金)

相続人法務一郎は以下の預金を取得する。

【現金】

金10,000,000円

【預貯金】 

○○銀行○支店 普通預金 口座番号00000000 

○○銀行○支店 定期預金 口座番号00000000 

 

第3条(株式)

相続人法務貴子は、以下の株式を取得する。

【株式】

○○株式会社 普通株式  10000株

 

第4条(その他)

本協議書に定めのない相続財産は、相続人法務花子が取得する。

 

上記のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立したことを証するため、本協議書を3通作成し、署名押印のうえ、各自1通ずつ所持する。

 

令和元年6月30日

 

住所

氏名 法務花子      実印

 

住所 

氏名 法務一郎      実印

 

住所

氏名 法務貴子      実印

遺産分割協議書は何に使うの?

遺産分割協議書は、相続手続きの際、銀行や法務局に提出を求められます。亡くなった人からの遺言がある場合は、提出しなくとも良い場合がありますが、一度相続について合意したものを書面にしておくことで、後々他の相続人とトラブルになることを防ぐことができますので、できるだけ作成しておいた方が良いでしょう。

 

遺産分割協議書を作成するときは、決まった書式やルールはないのですが、以下のような点に注意してください。

 

・土地や建物の記載をするときは、登記簿謄本を見ながら正確に記載してください。情報が間違っていると、手続きができない場合があります。

・相続人全員の署名、押印が必要です。

・相続人全員分の通数を作成し、各自が1通ずつ保管しておくようにしましょう。

 

いかがでしたでしょうか。相続関係説明図、遺産分割協議書について見てきましたが、これらの書類を作成する上では、亡くなった人の戸籍謄本を、生まれてから現在まですべて取得して、正確に作成することが前提になります。

 

もし自分で戸籍謄本一式を取るのが難しいと思ったり、遺産分割協議書や相続関係説明図の作成を任せたいと思う場合は、行政書士等の専門家に相談してみると良いでしょう。依頼することで代わりに取得・作成してもらえたり、相続手続きを任せたりすることもできます。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。