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戸籍謄本で相続人の調査ができます

相続の手続きの際、まずやらなければならないのは、相続人の確定です。自分の他の相続人は誰なのか、何人いるかによって、相続する財産の額は変わってきます。

 

では、亡くなった人の相続人は誰なのか、何人いるのかは、何を見て調査すればよいでしょうか?これは、亡くなった人の戸籍謄本を調査することで確定できます。生まれてから死亡するまで、全ての戸籍謄本を調査し、相続人を確定していきます。

 

ただ、一言で戸籍謄本といっても、改製原戸籍や除籍謄本など、実はいろいろな種類があります。

 

どの戸籍をすればいいんだろう?取得した戸籍謄本からどうやって相続人を判断すればいいの?と悩んでいる方のために、ここでは戸籍謄本を使った相続人の調査・方法について解説をしていきます。

ステップ1.戸籍謄本を取得しよう!

相続人を調査するために、まずは亡くなった人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本を取得しましょう。

 

私の親には自分しか子どもがいないから、わざわざ取得する必要はないんじゃない?と思われるかもしれませんが、故人の出生から死亡までの戸籍謄本は相続人を調査して確定する目的だけでなく、その後の銀行口座の解約手続きや、不動産の名義変更手続きのときにも必ず提出を求められる資料です。相続の際には必ず取得しなければならないものですので、はじめに取得しておきましょう。

 

しかし、この「亡くなった人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本」の取得はなかなか大変です。

 

例えば、以下の例を見てください。

 

戸籍① 故人の生まれた日

戸籍② 結婚し、別の戸籍に入籍

戸籍③ 家督相続(昭和22年5月までの制度)

戸籍④ 法務省令による新たな戸籍編制

戸籍⑤ 転籍

戸籍⑥ 法務省令による改製(死亡が記載されたもの)

 

この方の例では戸籍謄本を6通も取得しなければなりません。

 

それでは、実際にこれらの戸籍はどうやって集めれば良いのでしょうか?

 

基本的には、その当時本籍地のあった役所に請求をすることで取得できます。戸籍謄本には「従前戸籍」と記載のある箇所があります。これが一つ前の本籍地ですので、一つずつさかのぼって取得していく必要があります。

 

なお、上の図の戸籍⑤と③を取るためには、改製原戸籍を取得する必要があります。「改製原戸籍」というのはあまり聞いたことがないかもしれません。

 

これは、法律によって戸籍を新しく作り直したとき、作り直す前の古い戸籍のことをいいます。戸籍の記載の方法やスタイルが変わった場合に作られるもので、本籍地が変わったり、内容に変更があったりするわけではありません。

 

取得するためには、改製後の本籍地役所に請求を行ってください。法律で作り直しただけで新しく別の戸籍が作られたわけではないので、本籍地に変更はありません。古い本籍地をたどっても改製原戸籍は取得できませんので注意してください。

ステップ2.相続人を確定しよう!

戸籍謄本を取得できたら、戸籍を見ながら相続人が誰かを確定しましょう。

誰が相続人になるかのルールは、民法で次のように決まっています。

 

常に相続人:亡くなった人の妻または夫

1位:亡くなった人の子(養子含む・子がいない場合は孫)

2位:亡くなった人の父母(父母がいない場合は祖父祖母)

3位:亡くなった人の兄弟姉妹(兄弟姉妹がいない場合は甥姪)

 

亡くなった人の配偶者は常に相続人になり、それ以外は、1位、2位、3位と順位が決められています。下の順位の相続人は、上の順位の相続人がいない場合に初めて相続人となります。例えば、亡くなった人の子がいる場合は1位の相続人がいますから、2位、3位の人が相続人になることはありません。子も孫もいないときに、父母がいるかどうかを見ていくことになります。

 

このルールをもとに戸籍を調査し、相続人を確定していくことになります。

 

相続人の中に亡くなった人がいる場合は、さらにその人の生まれてから死亡するまでの戸籍を取得し、相続人を確定しなければなりません。

 

いかがでしたでしょうか。戸籍謄本を使った相続人の調査方法について見てきましたが、自分の場合はどうやって戸籍謄本を取ればいいのか悩んだり、実際に取得した戸籍謄本を目にすると、どうやって読み解いていいのかわからず、判断に迷ったりする場合もあるかと思います。

 

もし、自分での取得が難しいと思ったり、時間がなくて手続きを任せたいと思ったりしたときは、行政書士等の専門家に相談してみると良いでしょう。依頼することで取得を代行してもらえますし、相続手続きそのものを任せることもできます。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。