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相続の不動産登記で必要な戸籍謄本は?
相続財産のなかで不動産がある場合も多いのではないでしょうか?不動産登記の名義変更で必要になる戸籍謄本がよくわからない、という方も多いと思います。
今回は、相続の不動産登記で必要な戸籍謄本について説明させていただきます。
結論から申し上げますと、下記の戸籍があれば間違いはないでしょう。
①亡くなった人の出生から死亡までの戸籍
②相続をする人の現在の戸籍
ただし、相続する方法によっては、①の最も大変な亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を省略できる場合があります。
それでは具体的に見ていきましょう。
1、相続の時の不動産登記パターン
相続によって不動産登記が発生する場合のパターンは下記の3つです。
①遺産分割協議書によって決まった不動産相続
これは、相続人全員で話し合いをして相続分の分け方を決める方法です。相続人が全員で話し合いをして決定された内容を書面とし、そこに相続人全員の実印の押印と印鑑証明書が添付されたものです。メリットとしては、自由な形で相続財産を分けることが可能という点ですが、デメリットとしてはなかなか決まらなかったり揉めたりすることがあるということです。
②法定相続分に応じた不動産相続
法定相続分とは、法律で決められた相続分というのがあります。具体的な例としては下記になります。
・配偶者と子供1人の場合
→配偶者:2分の1、子供1人:2分の1
・配偶者と子供2人の場合
→配偶者:2分の1、子供1人:3分の1、子供1人:3分の1
・配偶者と子供3人の場合
→配偶者:2分の1、子供1人:4分の1、子供1人:4分の1、子供1人:4分の1
これのメリットとしては、遺産分割協議書を作成する手間がないということが最大のメリットとなります。デメリットは勝手に決められていることです。
③遺言による不動産相続
遺言の内容通りに相続をする場合です。これの最大のメリットは、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍が不要ということです。死亡したことがわかる戸籍だけで不動産登記が可能です。さらに、相続人全員が遺言の内容に反対しなければ、遺言どおりに相続をしなければならなくなり、争う余地がなくなります。もちろん遺産分割協議書も作成する必要もありません。デメリットとしては、相続分を自由に決められないことです。
2、パターンに応じた必要書類
それではそれぞれのパターンに応じた必要書類を見ていきましょう。
①遺産分割協議書による不動産相続
・亡くなった人の出生から死亡までの戸籍
・亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票)
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・不動産を相続する人の住民票
・遺産分割協議書
・相続する不動産に対する固定資産評価証明書
・相続する不動産の登記簿謄本
※上記は一般的なものであり、提出する法務局等によって若干異なることがありますので必ず提出をする法務局に確認してください。
②法定相続分における不動産相続
・亡くなった人の出生から死亡までの戸籍
・亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票)
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・不動産を相続する人の住民票
・相続する不動産に対する固定資産評価証明書
・相続する不動産の登記簿謄本
※上記は一般的なものであり、提出する法務局等によって若干異なることがありますので必ず提出をする法務局に確認してください。
③遺言による不動産相続
・遺言(公正証書遺言以外の場合は、家庭裁判所の検認済み証明書付きのもの)
・亡くなった人の死亡がわかる戸籍
・亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票)
・不動産を相続する人の現在の戸籍謄本
・不動産を相続する人の住民票
・相続する不動産に対する固定資産評価証明書
・相続する不動産の登記簿謄本
※上記は一般的なものであり、提出する法務局等によって若干異なることがありますので必ず提出をする法務局に確認してください。
3、戸籍の取得方法
本籍を管轄する役所の窓口で請求をする方法と郵送で取得する方法があります。現在の戸籍謄本はそれほど難しいことはない場合が多いですが、亡くなった人の戸籍謄本の取得は少し難しいかもしれません。生まれてから亡くなるまでずっと本籍地が変わらず、相続人も本籍地を知っている場合は良いのですが、本籍地を転々としていてたどるのが難しい場合や、実は外国籍から日本に帰化していた過去があったりすると、日本の戸籍のみならず外国の戸籍も取得しなければならない場合があります。このような場合は、個人で全て戸籍を取得するのは困難を極めますので、行政書士などの専門家のサポートを受けるのが良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。今回は相続の不動産登記で必要な戸籍謄本について説明をさせていただきました。ここで挙げている書類はどの法務局でも要求されるであろう一般的なものを記載しております。相続する方法やどのように不動産を分けたのかによってここで記載しているものと異なる書類を要求される場合があります。そのため、必ず実際に手続きを行う法務局に問い合わせをして事前にチェックしておきましょう。もし、時間がなくて法務局とのやり取りそのものを任せたい場合や、亡くなった人の戸籍謄本を取得するのが難しいと感じる場合は、専門家に依頼することで手続きを代行してもらうことができます。なお、登記手続きは、司法書士でなければ代行できません。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、相続する金額やかかる時間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。