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相続の戸籍謄本で隠し子が見つかった場合はどうすれば?

亡くなった人の相続手続きの為に、亡くなった人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を取得したところ、隠し子がいた事が判明した!と、テレビドラマの展開の様な話ですが、実はこのような珍しいケースも実際にはあります。

 

では亡くなった人に隠し子がいた場合どうすれば良いのでしょうか?

 

亡くなった人の戸籍謄本類から隠し子が見つかったということは、その隠し子は、亡くなった人の「嫡出子」であるか「認知された非嫡出子」ということになります。

 

「嫡出子」とは、その子供が生まれた時に両親が婚姻関係にあった場合、その子は「嫡出子」となります。例えば、亡くなった人に離婚歴があり、前婚の子供がそうです。

「非嫡出子」とは、子が生まれた時に両親が婚姻関係に【なかった】場合、その子は「非嫡出子」になります。「婚外子」ともいわれることもあります。

また「認知」とは父親が母親とは婚姻関係になくても、自分の子供だと認める事です。例えば、亡くなった人に愛人がいて、愛人との間の子供を認知する場合です。

 

隠し子とは一般的に「認知されていない非嫡出子」のことです。

 

前妻との子供はあまり隠すようなことはしませんし、未婚で生まれた子でも認知してれば戸籍謄本に正式に記載されますので、隠すことが原則できません。

 

「認知されていない非嫡出子」は戸籍謄本に記載されませんので、隠そうと思えば隠せると言えます。

 

でもご安心を!「認知されていない非嫡出子」は、亡くなった人の子供とは認められないので、そもそも相続権は無いのです!

ですからその隠し子の事は相続に関しては「無視」しても全然問題ありません。

 

問題となるのは、隠し子が「嫡出子」若しくは「認知された非嫡出子」である場合です。

 

一般的な「隠し子」とは違い「嫡出子や認知された非嫡出子等の戸籍に記載された隠し子」の方が厄介です。

 

何故なら 相続権があるからです。その方に連絡を取り、その方も交えて遺産分割協議を行い、遺産をどのように分けるか話し合う必要があります。遺産分割協議をしないと相続手続きを進めることができません。

 

ただ、故人の出生から死亡までの戸籍謄本類をとって、初めてその存在を知る位ですから、その方とは会った事もないし、住所も連絡先も分からない場合が多いです。

では隠し子の連絡先も住所も分からない場合はどうすれば良いのでしょうか?

そのような時は、その方の「戸籍の附票」という書類を役所に請求をします。

 

「戸籍の附票」とは戸籍に記載されている人の住所が記載をされている資料になりますので、現住所が分かります。

 

現住所が分かったら、まずはその住所宛に、手紙で遺産分割協議を行いたい事と、差出人の連絡先を書いて送るようにしましょう。

手紙を送ったけど、届かない場合や、その場合は、「戸籍の附票」を元に、住所の調査を行い、実際にその住所地を訪問して、それでも分からない場合は、家庭裁判所にその事を話して「不在者財産管理人」を選任してもらいます。

 

「不在者財産管理人」とは、何処にいるのか分からない隠し子に代わり、遺産分割に参加してくれる代理人になります。

家庭裁判所に「不在者財産管理人」を選んでもらうことで、その方の行方が分からなくても、遺産分割協議を進める事ができるようになります。

なお、裁判所の手続きは、弁護士又は司法書士でなければ代行できません。

 

また変化球の様なパターンですが、仮に戸籍からではなく、亡くなった人の遺言書があり、そこに隠し子の存在と、隠し子を認知する事が書かれていた場合はどうなるのでしょうか?

このことを「遺言による認知」といって、「認知されていない非嫡出子が、認知された非嫡出子」に変化するのです! 

 

分かりやすくいうと、「無視できない存在に変化した」ということです。

 

この場合も、その隠し子も他の相続人と同じく、亡くなった人が残した遺産を相続する権利がありますので、遺産分割協議に参加してもらう必要がありますから、何とか連絡を取るなどして、遺産の分割を話し合いましょう。

 

以上隠し子がみつかった場合の対応方法になります。

 

相続手続をしていくうちに、亡くなった人の戸籍謄本類から「隠し子」が見つかる場合もあります。 戸籍謄本をしっかり読み込まないと、戸籍謄本に記載されているのに、見落としてしまうこともあり得ます。その場合、後々大問題になりかねません。

 

 

戸籍謄本類の収集は、行政書士のような専門家に依頼をして、代理で収集してもらうこともできますし、そこから隠し子の有無を判断してもらうこともできます。 確実で迅速な手続きの為にも、戸籍謄本の収集は行政書士に依頼する事をお勧めします。