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【相続】転籍している場合の戸籍謄本の取得方法と注意点

相続手続きに欠かせないのは、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍になります。しかし、転籍をしている戸籍謄本の取得方法がわからなくてお困りの方が多いのではないでしょうか。

 

今回は、転籍している場合の戸籍謄本の取得方法と注意点について説明していきたいと思います。

 

結論からいいますと、亡くなった人の戸籍の戸籍事項の箇所に、「転籍」と記載されているのを確認したら、その右に「転籍日」と「従前本籍」の記載を確認できると思います。そこの「従前本籍」が、転籍前に戸籍を置いていた場所になりますので、その「従前本籍」を管轄する役所に請求することで取得が可能です。

1、転籍ってなに?

そもそも転籍ってなんでしょうか。戸籍が新しく作られる原因は、結婚や離婚をするときに新しく作られることが多いです。あとは養子縁組とかですね。実は転籍でも戸籍は新しく作成されるのです。

 

転籍とは、簡単にいいますと住所変更と同じようなものとなります。例えば東京にあった本籍を北海道に変更した場合に、北海道で新しい戸籍が作成されます。

転籍をする主な理由としては、引っ越しなどで現在住んでいる住所と戸籍を保管している役所(本籍)が離れてしまったような場合です。住民票を取得する役所と同じ場所で戸籍も取得できると便利、ということで転籍をする人が多いようです。あとは、戸籍に記載されていることを簡単にしたい、というような場合に転籍をする人もいます。

 

転籍をすると、例えば、離婚や養子縁組の解消(離縁)ということは、転籍後の戸籍には記載されなくなり、とてもスッキリとした戸籍が出来上がりますので、転籍をする理由となっていることが多いです。

2、戸籍の種類は3つ

請求するときの戸籍には3つの種類がありますので、見ていきましょう

①戸籍謄本

戸籍謄本とは、現在も有効なものの戸籍のことになります。

②除籍謄本

除籍謄本とは、そこに記載されている人が結婚や離婚・死亡などで、全員がいなくなった状態の戸籍のことをいいます。人は生まれたときには親の戸籍に入っています。そして、結婚や養子縁組などをした場合には、別の新しい戸籍を作成して別の場所に移っていきます。

 

親の戸籍も、離婚や転籍などをすれば別の新しい戸籍を作成して移っていき、生まれたときに入っていた戸籍には誰もいなくなりました。

 

この状態を、記載されていた人たちが全員いなくなった、つまり除籍された状態となったもので除籍謄本とされて保管されます。ちなみに、誰か1人でも残っていれば(今回の例でいえば、両親が離婚や転籍などしなかった場合)、それは除籍謄本ではなく、結婚や養子縁組でして新しい戸籍に移った(つまり除籍)されたことが記載された戸籍謄本となります。

③改製原戸籍

これは戸籍法という法律が改正されたことにともなって、新しい戸籍が作られます。この作られた新しい戸籍の前のもののことになります。

読み方は「かいせいはら(げん)こせき」と読みます。現在の戸籍は横書きですよね。その前のものって縦書きになるんです。さらにその前のものは、縦書きに加えて手書きです。とても読みにくいものです。

3、本籍地を管轄する役所に請求!

請求の方法ですが、本籍地を管轄する役所の窓口で請求する方法と郵送で請求する方法があります。請求する際に必要となるのは下記の書類になります。

 

①戸籍の請求用紙

②自分の顔写真付きの身分証明書(郵送で請求する場合は表と裏のコピー)

③死亡した事実がわかる書類(死亡の事実が記載された戸籍など)

④自分の戸籍謄本

⑤現金(郵送で請求する場合は定額小為替)

⑥郵送で請求する場合は返信用封筒

※役所によって若干異なることがございますので、必ず請求する役所に確認してください。

 

転籍をしている場合の戸籍を請求するときの注意点としては、「従前本籍」を管轄する役所に請求をすることです。転籍と記載がある戸籍を管轄する役所ではありません。

 

いかがでしたでしょうか。今回は転籍している場合の戸籍謄本の取得方法と注意点について説明させていただきました。なお、ご自身でやることも可能ですが、専門家に戸籍の収集を依頼することも可能です。

 

戸籍は、現在の令和から遡っていくと、平成・昭和・大正・明治とそれぞれの形の戸籍があり、読み解くのは非常に難しいこともあるでしょう。さらに請求する役所はそれぞれの本籍を管轄する役所になり、遠方の場合もあるでしょう。

 

そのような場合には戸籍の収集を専門家に依頼することで、手間と時間を節約することが可能です。行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。