【相続】外国人の戸籍、外国人と結婚した人の戸籍謄本

相続人の中に外国籍の方がいる時や、または、亡くなった方本人が外国人の時に求められる戸籍謄本をどうやって用意すればわからなくて困っているという方は多いのではないでしょうか？

今回は、外国籍の方がいらっしゃる場合の相続手続きの時に必要になる外国人の戸籍や外国人と結婚した人の戸籍謄本について説明していきます。

相続手続きの際には、たとえ外国籍の方の財産だとしても、日本に財産があったのであれば、その相続手続きは日本でしなければなりませんし、そのためには相続人を証明するための戸籍謄本が必要になります。

戸籍謄本等を集める前にどこの国の法律が適用されるのかを確認

誰が外国籍なのか、どこの国の国籍なのかによって、適用される法律も変わってきます。そして、適用される法律が違えば、用意すべき書類も違ってきます。

たとえば、日本では第一に配偶者と子供が相続をすることとなっています。そのため、相続人となる配偶者や子供を確認するために戸籍謄本を集める必要があります。

しかし、外国では子供は相続人にならなかったり、逆に妻には相続する権利がなかったりする場合もあるのです。

ですから、どの国の法律が適用されるかによって、必要となる戸籍謄本も変わってきますので、まずは適用される法律を確認しましょう。

亡くなった方が日本国籍であれば日本の法律が適用される

亡くなった方が日本人であれば、残された配偶者や子供等が外国籍であったとしても日本の法律が適用されることになっています。

また、亡くなった方が外国人であったとしても、その国の法律で日本の法律に従うような規定になっている場合には日本の法律が適用されることもあります。

外国の法律が適用されるのであれば、その法律ではだれが相続人になるのか等をしっかりと確認して、どんな書類が必要になるのかを調べる必要があります。

日本人と結婚した外国人は配偶者の戸籍謄本を取得する

外国人と結婚した日本人が亡くなった場合、日本の法律が適用され、配偶者が外国人であっても相続する権利があります。

ただ、外国人は日本に戸籍謄本がありません。では、相続で戸籍謄本を求められた場合、外国人の方はどうすればいいのでしょうか。

日本人である配偶者の戸籍には結婚した事実と、その外国人配偶者の国籍、氏名、生年月日が記載されています。

そのため、亡くなった日本人配偶者の戸籍謄本を取得すれば、亡くなった人の配偶者であり、相続人であることを証明できます。

元々日本国籍だった方は前の戸籍を取得する

もともと日本国籍を持っていたが、他の国に帰化したり、国籍選択をして日本国籍を失った方であっても、過去に日本国籍をもっていた時の戸籍謄本を取得できます。

たとえば、日本人として生まれたけれど、外国人と結婚して外国に帰化した場合、日本国籍を離脱していたとしても、日本人の両親の子供であることは変わりません。よって日本人の両親がなくなれば、その財産を相続する権利を有します。

ただ、日本の国籍を離脱していますので、その人の現在戸籍はありません。しかし、前に日本国籍を持っていた事実がなくなるわけではありませんので、日本国籍を持っていた当時の戸籍謄本（除籍謄本）を取得できます。

そして、その当時の戸籍謄本が取得できれば、亡くなった方の子供であることが証明できます。　

本国（母国）に戸籍謄本があればその証明書と翻訳文を用意する

亡くなった方が外国籍から日本に帰化していた場合やずっと日本に住んでいる外国籍の方がなくなって、相続の手続きをする場合に、本国（母国）の書類で相続人を証明する必要がある場合も多いです。

この場合に、その国籍の国に戸籍制度がある場合はその戸籍証明書を取得して、翻訳文をつけて相続の手続きをすることができます。（台湾等）

本国（母国）戸籍制度がなければ代わりとなる書類を用意する

外国では、日本のような戸籍制度がない国がほとんどです。そのため、亡くなった方が外国人の場合には、日本の戸籍謄本に代わる証明書を用意しなければなりません。

多くの国では、戸籍制度がなかった場合にも出生や婚姻、死亡等を国が登録していることがほとんどですので、戸籍謄本の代わりに、死亡証明書や出生証明書、婚姻証明書等を用意して、その翻訳分をつけて相続手続きをすることになります。

大使館等で相続人を証明するための「宣誓供述書」を作成する必要があることもあります。

どんな書類が必要なのか、何を誰が証明した書類を取得しなければならないのか等、一つ一つ確認しながら戸籍謄本の代わりとなる書類を収集していく必要があります。

このように、相続人や亡くなった方の中に外国籍の方が含まれている場合には、日本国籍の人だけで相続手続きをするよりも、相続手続きは大変です。