数次相続の相続関係説明図の書き方をわかりやすく解説
数次相続が発生した場合に相続関係説明図の書き方がわからない方も多いのではないでしょうか。
誰が相続人になるのかわからなくてお困りの方もいらっしゃると思います。
今回は数次相続の相続関係説明図の書き方をわかりやすく解説していきたいと思います。
数次相続が発生した場合には、一緒くたに考えると混乱してくることも多いと思います。したがって、発生した相続ごとに分けて考えて、整理ができたら最後にまとめて図にしていくことがコツとなります。
今回は単純な家族関係で説明していきますが、考え方についてはすべて同じですので、複雑な家族関係の方も、あせらずひとつひとつの相続について家族関係を整理していけば、必ずスッキリとしますので頑張りましょう。それでは具体的に見ていきましょう。
1、数次相続とは
数次相続とは、最初の相続手続きが終わっていない段階で次の相続手続きが開始してしまうことをいいます。例を見てみましょう。家族関係が父・母・長男・長女・二男家族がいたとします。
父が亡くなり相続手続きをしている最中に、相続人である二男も亡くなってしまったような場合です。父の相続手続きと二男の相続手続きをしていかなければなりません。父の相続を1次相続、二男の相続を2次相続といったりします。増えていくと3次相続・4次相続等になり、相続人が複雑となっていくことでしょう。
2、戸籍の原本還付を受けるため
相続関係説明図を作成する目的としては、戸籍謄本等の原本還付を受けることがおもな目的となります。相続手続きには必ずといっていいほど、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍が必要となります。預貯金の解約、保険の解約、不動産の名義変更、自動車の名義変更など、名義変更のたびに一式の戸籍を収集しているととても時間がかかります。そのような場合には、相続関係説明図を作成して提出することで、戸籍謄本等の原本を返してもらうことが可能です。
3、作成してみよう!
それでは、実際に相続関係説明図を作成してみましょう。作成する流れとしては下記の3ステップとなります。
①必要書類を準備する
②必要な情報を抜き出し整理する
③図にしてみる
具体的に見ていきましょう。
①必要書類については、以下の書類が必要となります。
・亡くなった人の出生から死亡までの戸籍
・亡くなった人の最後の住所がわかる住民票や戸籍の附票
・相続人の現在の戸籍謄本
・相続人の現在の住民票
②必要な情報を抜き出し整理する
必要となる情報は下記になります。戸籍に記載されているすべての情報が必要になるわけではありませんので、最初は下記の情報を箇条書きなどにして整理していきましょう。
・亡くなった人の名前・出生日(生年月日)・最後の本籍・最後の住所
・相続する人の名前・出生日(生年月日)・本籍・住所
③図にしてみよう
必要な情報を抜き出して整理ができたら図にしていきましょう。
タイトル
まずはタイトルです。タイトルは誰に対しての相続なのかがわかるようにしていきます、「被相続人〇〇 相続関係説明図」のような形にするとわかりやすいと思います。
亡くなった人の情報
亡くなった人の名前・出生日・死亡日・最後の本籍・最後の住所を記載します。名前の横に、1次相続や2次相続と記載するとわかりやすくなりますのでお勧めです。
相続人の情報
相続人の続柄・名前・出生日・本籍・住所を記載します。
線で繋ぐ
線で亡くなった人(被相続人)と相続する人を繋いでいくと完成です。
4、サンプル図
サンプルとして下記の事案について相続関係説明図を作成してみました。
家族関係として、父・母・長男・長女・二男の1つ家族、二男・配偶者・長男・長女の2つ目の家族
最初に父が亡くなり相続手続きをしている最中に、二男が亡くなり数次相続が発生した場合の相続関係説明図になります。父の相続手続きを1次相続として、二男の相続手続きが2次相続となります。父の相続権は二男が持っており、その二男が亡くなったことで、父の相続権利が配偶者やその子供にも受け継がれて相続人となりました。この場合の相続関係説明図は下記のようになります。
いかがでしたでしょうか。今回は数次相続の相続関係説明図の書き方をわかりやすく解説させていただきました。サンプルとして作成した事案のようなシンプルな家族関係でしたらご自身でもできるかと思いますが、家族関係が増えてくると頭が混乱してくることも多いと思います。
相続関係説明図を作成することで、相続手続きはスムーズに進むことが多いので作成することをお勧めいたします。もし、作成する時間がない、そもそも作成が難しいといったような場合は、行政書士などの相続専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は数万円程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。