農地転用は許可申請書を出すだけでは、許可は完全には得られないということをご存知でしょうか。
これは、全部の農地転用に当てはまるものではありませんが、工事を含む農地転用を行う場合、工事が終わったことを報告する、「工事完了報告書」を提出することが許可の条件になっている場合も少なくありません。(自治体によります)
また、完了報告書のみならず、進捗状況報告書の提出を義務付けている自治体もあります。
こちらでは、これから農地転用をし、工事完了報告書を作成する方に向けて農地転用の完了報告書の書き方について解説いたします。
工事完了報告書記載項目について
工事完了報告書は自治体により、フォーマットが様々な為、申請する自治体のホームページ等でダウンロードする必要があります。
一般的には、下記の項目を記載することになります。
①許可年月日
②許可指令番号
③許可地所在
④転用面積
⑤転用目的
⑥権利の種類
⑦工事の進捗または完了状況
それではこれらについて詳しく見ていきましょう。
①許可年月日
こちらには許可日を記入します。
許可書から転記しましょう。
■②許可指令番号
○○県(または市区町村)指令第○○号となります。
許可書から転記しましょう。
③許可地所在
許可地の所在を記載します。
許可書から転記するのが間違い無いでしょう。
④転用面積
転用面積を㎡単位で記載します。
こちらも許可書から転記しましょう。
⑤転用目的
許可書記載の転用目的を記入してください。
(例:資材置き場、農家住宅、駐車場など)
⑥権利の種類
所有権、地上権、賃借権、使用貸借権、その他のどれかを記入または○を付けましょう。
⑦工事の進捗または完了状況
これは自治体によりますが、工事の進捗状況報告書と工事完了報告書の提出が必要な場合に、それぞれ記入すべきことが変わってきます。
【進捗状況報告書】
工事が終わっていない場合は、工事の進捗状況を報告します。
基本的に、農地転用許可日より3ヶ月後、及びその後1年後という自治体が多いです。
※自治体に事前に確認することをお勧めいたします。
確認した日の進捗出来高と、工事遅延理由を記載します。
工事遅延理由は、申請書に記載している、完了日に完了していない場合に必要になります。
例:建設担当の業者の資材や搬入が予定より○ヶ月ほど遅れている為、工事を始められていない。請負業者都合で、予定より工事期間が○ヶ月超過してしまっている為等。
【工事完了報告書】
終わっている場合は完了状況を報告します。
工事期間を記入し、完了の時期を記入します。
工事完了報告書に添付する書類
工事完了報告書には添付すべき書類がいくつかありますのでご紹介します。
・検査済証の写し
開発行為に関する工事の検査の規定による「検査」を受ける場合
・完了状況がわかる配置図
・工事状況の概要が分かる写真
これらを添付し、農業委員会に提出しましょう。
工事完了報告の注意点
農地転用の許可目的に、建築物の建築というのが含まれている場合、造成工事完了のみでは工事完了とは言えず、建築工事が完了してようやく、工事完了となります。
また、工事完了報告書を提出しないと、事情の聴取や、現地調査の実施、最悪の場合は、農地転用許可が取り消されることもありますので、必ず忘れないように提出しましょう。
事業計画通り行われていないことが確認された場合
農業委員会より、勧告されることがあります。それは下記のような場合です。
・事業計画に定められし転用事業着手の時期から3ヶ月を超えてもなお、転用事業に着手していないと見受けられる場合
・事業計画に定められし事業期間においての中間時点で、転用事業の着手自体はしているが、明らかに進捗度合いが事業計画に定められし達成率に比べて遅れており、具体的には3割以上遅れていると認められる場合
・事業計画に定められし、事業の完了時期から3ヶ月を超えても、転用事業が未だ完了していない場合
このようなことにならないように、計画的に動きましょう。また業者を依頼する場合は取り纏めをしっかりする必要があります。関わる人が増えれば増えるほど、遅れる可能性が高くなりますので注意しましょう。
まとめ
こちらでは、これから農地転用をし、工事完了報告書を作成する方に向けて農地転用の完了報告書の書き方について解説いたしました。
自治体によっては進捗状況を報告する必要があり、完了報告書だけでは足りない場合がありますので、事前に農業委員会に確認しましょう。
農地転用に関して、不安な点や疑問点がございましたら、専門家である行政書士までお気軽にお問い合わせ下さい。