これから建設業許可を取得する予定で、一つの業種だけでなく複数の業種の許可を取得しようと思っているが、一体何が必要なのか?
取得したい業種がいくつかあるので、その分許可申請の費用もかかってしまうのでは?
そもそも許可というのは、一つずつじゃなきゃ取得できないのでは?と、様々な疑問をお持ちの建設業者様は多いと思われます。
今回は、そのようなお悩みの方に向けて、複数業種の建設業許可を受けるにはどうすればいいのか詳しく解説していきます。
この記事を読んで、少しでも今後の経営に反映できるよう理解を深めていきましょう。
複数業種を受けるための費用
まず初めに、複数の業種を申請する際に一番気になる点が費用だと思います。
建設業許可では、申請する際にかかってくる費用が下記の通りになります。
・新規取得の場合・・・90,000円
・更新の場合・・・・50,000円
・業種追加の場合・・・50,000円
これから建設業の許可を取得して、幅広く事業を行いたい建設業者様にとっては、新規取得の90,000円が業種の数だけかかってしまうのでは?と感じるでしょう。
しかしながら、許可を取得するためにかかる手数料はひとつの業種ごとにではなく“一回ごとの申請料”となっています。
1つでも複数の業種でも、申請にかかる費用としては変わらないということです。
ということは、手数料が変わらないなら複数申請するのは簡単では?と思う方がほとんどでしょうが、実は複数業種を取得する場合には、注意すべき点があります。次項で詳しくご説明します。
複数業種を受けるには何が必要?
手数料が変わらない事は理解できましたが、建設業の許可を申請する場合に、大切となってくるのが“経営管理者”と“専任技術者”の要件があります。
これは複数業種受ける場合では、内容が若干異なってきますので注意してみていきましょう。
【経営管理者】
まずは経営管理者についてですが、ここで言う管理者とは、建設業の経営経験をした事がある人のことを指します。
この経験があるというのは、過去に経営してきた業種と今後取得したい業種が、同じか?それとも違うか?で変わってきます。
・過去の業種と今後受ける予定の業種が同じ場合 → 5年以上の経営経験あれば認められます。
・過去の業種と今後受ける業種が異なる場合 →6年以上の経営経験があれば認められます。
年数の違いはありますが、どちらにせよ最低5年以上は建設業での経営を行ってきた者でないと認められませんので、事前に確認しておきましょう。
【専任技術者】
それでは次に、許可を受ける際に満たす事が難しい要件の一つとも言えるのが“専任技術者”についてです。
ここでは、下記のどちらかの要件を満たさなければなりません。
1.実務経験が10年以上あること
2.資格を持っていること
このどちらか一方を満たす者が、会社に常勤していなければなりません。
またここで注意しておかなければならないポイントが、➀の“実務経験が10年以上”とは、一つの業種の経験が10年以上と決められています。
例えば過去に3年間内装業、8年間とび職を行った場合、建設業で経験してきた年数は10年以上となり、この要件はクリアできそうだと思ってしまいますが、一つの業種で働いてきた年数が10年以上と決められているので、この場合はどちらか一方の業種でしか専任技術者にはなれないのです。
そうなると複数の業種の許可を受けるには、それだけ長い間実務経験がある者を揃えるのは、かなり大変と言えるでしょう。
それでは、複数業種の専任技術者をクリアするにはどうすれば良いのでしょうか?
それが➁の“資格を持っていること”に該当することです。
この資格にはいくつか種類があるのですが、例えば2級土木管理技士の資格を有していれば、土木・しゅんせつ工事・とび等の7つの業種が対象となり、これらの業種が取得予定の場合は、資格を持っている専任技術者一人で行うことができるのです。
他にも、1級建設施工管理技士や2級建築施工管理技士など資格があるので、どの資格が該当するか確認しておきましょう。
今後取得しようと思っている業種に関わる資格を、専任技術者になる者が持っていれば問題なく複数業種を受けることができます。
まとめ
今回は複数の業種の建設業許可を、受けるためにどうしたら良いのか?というテーマで、申請に必要な要件などを詳しくご説明しました。
手数料としては変わりませんが、複数業種に対応する資格を持っている専任技術者を置く必要があり、経営管理者に関しては過去の経験した実績が必要です。
しかしながら、実際に申請する際にこの資格は、複数業種に対応しているか不安がある。具体的な内容を把握する時間がない。という事業者様につきましては、専門家である行政書士まで、お気軽にお問い合わせください。