建設業法第40条にはこのような条文があります。
「第四十条 建設業者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見易い場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他国土交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。」
建設業許可を取得すると、請け負える工事の規模を広げられる一方、許可を取得することで守らなければならない義務、しないといけない手続きが増えます。
その中の1つが、「標識の掲示、帳簿の備え付け・保存及び営業に関する図書の保存義務」です。
要するに、建設業許可証を掲示すべき場所に掲示しなさいよ、というものです。
ここでは、そんな建設業許可証の現場掲示パネルのサイズや大きさについて、どのようなものを用意すればいいのか、解説していきます。
許可証掲示義務とは
建設業許可業者は、建設工事が許可を受けた適切な業者によって建設工事がされていることがわかるように、営業所や現場に許可票(標識)を掲示しないといけません。(法改正により、下請建設業者の現場での標識掲示義務はなくなりました。)
これを怠ると指導対象となりますので、しっかりとパネルを制作して掲示しましょう。
なお、これは国や地方自治体から交付されるものではありませんので、自社で規定に則り作成をする必要があります。
これから説明していくサイズの規定や記載内容を確認しながら作成をしてみてください。
営業所と現場でサイズがちがう
まず、許可証パネルの設置が必要な場所としては、営業所と現場の両方がありますが、それぞれサイズが異なります。
現場で掲示しないといけない標識のサイズは、縦25cm以上、横35cmとなっています。
現場に掲示するもののほうが、営業所に掲示するものより少し小さいですね。
引用元:国土交通省「建設業法令遵守 ハンドブック」P14
記載しないといけない内容
次に、許可証の標識に記載しないといけない情報について説明をしていきます。
営業所に掲示するものと、現場に掲示するものでは内容が少し違いますので、両方見ておきましょう。
現場に掲示する許可票
1)一般建設業か特定建設業か
2)許可年月日
3)許可番号、許可を受けた業種
4)商号・名称
5)代表者氏名
6)配置技術者氏名
営業所に掲示する許可票
1)一般建設業か特定建設業か
2)許可年月日
3)許可番号、許可を受けた業種
4)商号・名称
5)代表者氏名
違いとしては、配置技術者に関する記載があるかないかです。
配置技術者そのものが現場での役割ですので、営業所の標識にないのは当たり前といえば当たり前ですね。
では次は、書き方についても少し補足しておきます。
引用元:福山市「現場に掲げる標識等について」
基本的には上記の雛形を使えば良いのですが、例えば、管理技術者の配置義務がある場合には「主任技術者の氏名」を「監理技術者の氏名」と変更をしたうえで、監理技術者の氏名を記載する必要があります。
次に、専任配置義務がある場合には、「専任の有無」の欄に「専任」と記載しましょう。
「資格名」の欄は、当該主任技術者又は監理技術者が資格により技術者要件を満たしている場合、その資格等を記載する必要があります。
最後に、許可番号の「国土交通大臣・知事」については、不要のものを消してください。
許可票の材質について
前述のとおり、建設業許可証は許可行政庁から交付されるものではなく、自分で作成をするものです。
そして、その記載内容や大きさについては指定があるのですが、実はその材質に関しては、建設業許可証は金属で作りなさい、といった決まりはありません。
ですので、極論手書きでも問題はありません。
しかし、更新までの5年間は同じものが使用できるほか、現場においても屋外で掲示することが多いため、いずれも丈夫な素材で作られます。
さて、ここまで読んでいかがだったでしょうか?
初めて建設業許可を取得し、許可証を営業所に掲げるときには嬉しい気持ちがきっとあることと思います。
しかし、慣れとともに許可証に対する意識もきっと薄まることでしょう。
それでも、法令遵守の意識は忘れず、掲示しなければならない場所には適切に標識刑事を行ってください。
もし何か、標識掲示義務に関してご不明な点などあれば一度建設業許可専門の行政書士に相談することも検討してみてください。