IT導入補助金

医療法人(病院)でも活用できるIT導入補助金とは

 

IT導入補助金って聞いたことがあるけど、医療法人(病院)ではどのような使い道があるのだろうかわからない方も多いのではないでしょうか。使い道によっては活用したいけど、どうしたらいいのか教えてほしいという方もいらっしゃると思います。

 

今回は、医療法人(病院)でも活用できるIT導入補助金とは、という疑問ついてお答えしていきたいと思います。

 

医療法人(病院)で活用する方法

医療法人(病院)でIT導入補助金を活用するには、どのようなITツールを導入することで、業務の効率化や生産性の向上・売上向上が図れるのか、ということが大事になってくると思います。そこで、医療法人(病院)の方が活用しているものをいくつかご紹介していきたいと思います。

 

①電子カルテツールの導入

パソコンが少し苦手の院長が、近隣施設との連携した治療をおこなう機会も増えてきて、情報共有の都合上、電子カルテツールの導入を決意。患者の情報管理・レセプト処理・窓口会計といった情報を電子化することで、スタッフ間や地域の近隣施設との情報連携もスムーズになった。電子カルテによって、チーム医療による治療をサポートすることができ、またカルテの治療情報とレセプトもリアルタイムで連携することにより、会計にかかる時間も削減でき、治療を終えた患者さまを待たせることなく会計を終えることが可能になった。医療・介護機関の地域連携ニーズが高まるなかで、カルテを電子化することで施設を越えた情報交換も展開しやすくなり、患者さまに寄り添った医療環境の整備にも繋げることに成功した。

 

②在庫管理ツールの導入

治療に欠かせない医療器具や薬品・消耗品など在庫を切らすことは許されません。ただし、種類が多いので、その在庫管理が煩雑になるケースが多いです。そこで、在庫管理の自動化・効率化ツールを導入することを決意。治療の際に必須となりやすい医療器具や薬品、消耗品の在庫が規定以下になった場合に自動的に発注・在庫登録ができる環境を整えた。医療器具や薬品、消耗品の品名や数を登録し、在庫が規定よりも少なくなると自動的に仕入先にメールを送って商品を発注、納品された品物を事務スタッフが目視で確認した後は、自動的に在庫として登録できるようになった。自動化されたことで、在庫切れのリスクをなくすことに繋がっただけではなく、在庫管理に関する事務スタッフの手間や作業も効率化することに成功した。

 

③タブレットシステムの導入

検査やオベ(手術)・症状の説明という医療行為に必要となるインフォームドコンセントの理解向上と効率化を図るためにタブレットシステムの導入を決意。医療支援・入院案内・アメニティサービスに至るまで色々な機能を組み合わせて、待ち時間や入院生活を快適過ごせるようにすることで、お客様の満足度向上を実現することができた。

 

活用するうえでの考え方としては、「業務の効率化や生産性の向上・売上向上に繋げるためには、どのようなITツールを導入したらよいのか」というのが出発点になるものと思います。ここで、IT導入補助金の概要を押さえておきましょう。

 

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等が自分の会社の課題やニーズに合ったITツールを導入するための経費を一部補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものになります。

 

自分が経営する会社の環境から強みや弱みを認識・分析して、把握できた経営課題や需要に沿ったITツールを導入していくことで、業務効率化や売上向上といった経営力のアップ・強化を図ることを目的としているものになります。

 

補助金の限度額は、ITツール導入にかかった費用の2分の1、最大で450万円が基本です(補助率が最大4分の3になる特別類型もあります)。

例えば、ITツールの導入に100万円かかった場合、50万円が支給されます。1000万円かかったときは、限度額の450万円が支給されます。

 

医療法人の場合では、「資本金は5,000万円以下、従業員(常勤)300人以下である」という規模でしたら、IT導入補助金を活用することが可能です。

 

 

いかがでしたでしょうか。今回は、医療法人(病院)でも活用できるIT導入補助金とは、という疑問ついてお答えさせていただきました。中小企業の事業主の方にとって、経営判断をする際には補助金というのはとても重要な判断材料になるものと思います。

 

補助金を活用することで事業を発展させていくこともできますので、活用することをお勧めいたします。もし補助金について難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は補助金の内容により数万円~数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

-IT導入補助金

© 2024 経営者のための 補助金の活用ガイド 小規模・ものづくり・IT補助金 インフォメーション