IT導入補助金

IT導入補助金を使うメリットとデメリットを解説

 

IT導入補助金を活用したいけど、どのようなものかよくわからない方は多いのではないでしょうか。どのようなメリットがあって、どのようなデメリットがあるのかを知りたいとお考えの方もいらっしゃると思います。今回は、IT導入補助金を使うメリットとデメリットを解説していきたいと思います。

 

IT導入補助金のメリット

IT導入補助金を活用するメリットは下記のとおりです。

 

①実質少ない資金でITツールを導入することができる。

IT導入補助金が採択されれば、ITツールの導入費は、通常枠では実質2分の1となります。IT導入補助金の最大のメリットといっても過言ではありません。

 

②原則返済不要である。

補助金とは、融資とは違い原則返済の必要がありません。もちろん不正なことなどをして採択された補助金は返還しなければなりませんが、きちんとした事業計画に則って採択され、その後の実績報告もきちんとしているのであれば、返済する必要はありません。

 

③中小企業や小規模事業者など、業種を問わず幅広く活用できる。

補助金の対象となる条件を満たす中小企業・小規模事業者は下記となり、幅広い業種を対象にしていることがわかると思います。

・資本金3億円、従業員数300人以下の製造業、建設業、運輸業、ソフトウェアまたは情報サービス業

・資本金1億円、従業員数100人以下の卸売業

・資本金5,000万円、従業員数100人以下のサービス業

・資本金3億円、従業員数900人以下のゴム製品製造業

・資本金5,000万円、従業員数200人以下の旅館業

・資本金3億円、従業員数300人以下のその他業種

また、以下の法人も補助金の対象となります。

・従業員数300人以下の医療法人、社会福祉法人、学校法人

・従業員数100人以下の商工会、商工会議所

・財団法人や社団法人

・特定非営利活動法人

・中小企業支援法に規定される中小企業団体

・特別の法律によって設立された組合または連合会

 

IT導入補助金のデメリット

IT導入補助金を活用するデメリットは下記のとおりです。

 

①先に費用を払う必要がる(補助金は後払いである)

補助金には実績報告といって、申請した内容の事業を実施した後に、補助金が入金される仕組みとなっています。したがって、ITツールの導入にかかる必要は事業者側が先に支払いをおこなう必要があるのです。補助金をもらってから導入するのは不可ですので、誤解しないようにしましょう。

 

②事業実績報告を定期的にする必要がある

IT導入補助金を受け取る条件として、支給された後の数年間は、売り上げなどを報告する義務があります。これを怠ると義務違反になりますので注意しましょう。

 

③応募期間中に応募しなければならない

IT導入補助金には応募期間があります。その期間中に応募しなければなりませんので、いつでも応募できるものだと誤解しないようにしましょう。

 

④申請書類や事業計画はしっかり丁寧にわかりやすく作成する必要がある。

採択率に関係してくる、申請書や事業計画書は、雑に作成するのはもってのほかです。しっかり丁寧にわかりやすく作成する必要があり、一番時間をかけるものになります。この書類の出来不出来によって採択されるかどうかが左右されますので、しっかりと時間をかけるようにしましょう。

 

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等が自分の会社の課題やニーズに合ったITツールを導入するための経費を一部補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものになります。

自分が経営する会社の環境から強みや弱みを認識・分析して、把握できた経営課題や需要に沿ったITツールを導入していくことで、業務効率化や売上向上といった経営力のアップ・強化を図ることを目的としているものになります。

 

IT導入補助金には、「A類型」「B類型」があります。それぞれの説明は下記になります。

 

・令和2年実施のIT導入補助金(応募する時期によって若干異なることがありますので、必ずご自身で応募する時期の最新の公募要領等を確認するようにしてください)。

A類型

・必ず1つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアで申請する。

・補助額は30万円以上150万未満である。

・事業実施効果報告は、2022年から2024年までの3回である。

 

B類型

・必ず4つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアで申請する。

・補助額は150万円以上450万未満である。

・事業実施効果報告は、2022年から2024年までの3回である。

 

※業務プロセスとは、次の6つのうち、いずれか1つ以上を担うソフトウェアのことをいいます。

①顧客対応・販売支援

②決済・債権債務・資金回収管理

③調達・供給・在庫・物流

④業種固有プロセス

⑤会計・財務・資産・経営

⑥総務・人事・給与・労務・教育訓練

 

いかがでしたでしょうか。今回は、IT導入補助金を使うメリットとデメリットを解説させていただきました。中小企業の事業主の方にとって、経営判断をする際には補助金というのはとても重要な判断材料になるものと思います。補助金を活用することで事業を発展させていくこともできますので、活用することをお勧めいたします。

 

もし補助金について難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は補助金の内容により数万円~十数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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