介護施設を経営されている方の中にも、IT導入補助金という言葉を聞いたことがあるという方もいらっしゃるかと思います。
ただ、介護施設でも使うことができるのか、使えるのであればどんな使い道があるのかという疑問をお持ちの方も多いはずです。
今回は、介護施設でも活用できるIT導入補助金とは、という疑問にお答えしていきたいと思います。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が生産性を向上するためにITツールを導入する際に受けることができる補助金のことを言います。
IT導入支援事業者として登録されている会社から、あらかじめ登録されているITツールを購入する場合に、その費用の1/2を最大450万円補助してもらえます。
社会福祉法人の場合、常時使用する従業員の数が300人以下であれば、この補助金を利用することが可能です。
IT導入補助金を使って導入できるITツールとは?
IT導入補助金では、審査を経て事務局に登録されたIT導入事業者の提供する、あらかじめ登録されたITツールを導入した際の経費のみが対象になります。
事務局に登録されるITツールは①ソフトウェア(業務プロセス)②ソフトウェア(オプション)③役務(付帯サービス)の3つに分けられます。
ソフトウェア |
ソフトウェア |
役務 |
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①顧客対応・販売支援 ②決済・債権債務・資金回収管理 ③調達・供給・在庫・物流 ④業種固有プロセス ⑤会計・財務・資産・経営 ⑥総務・人事・給与・労務・教育訓練 |
①自動化・分析ツール ②汎用ツール ③機能拡張 ④データ連携ツール ⑤セキュリティ |
①導入コンサルティング ②導入設定・マニュアル作成・導入研修 ③保守サポート |
介護施設でのIT導入補助金活用方法
①介護対象者/入居者の情報管理システムの導入
利用者の情報をクラウド上で管理することができるシステムを導入すれば、これまで手書きで管理していたものをペーパーレス化できるだけでなく、訪問介護から戻って事務所で手書きのメモからパソコンに入力する手間を省くことができます。
また、利用者の情報を別部門のスタッフ等と共有することも容易になり、手間や時間の削減につなげることが可能です。
さらに、それらのデータは蓄積され、検索すること等も可能ですので、担当が変わった際や以前の介護の記録を確認したいときにも、それらの情報を簡単に見ることができ、よりよりサービスを提供することが可能になります。
②勤怠管理システムの導入
スタッフのシフト管理や、出退勤の管理等をできるシステムを導入も介護施設でIT導入補助金を活用する方法の一つです。
訪問介護の場合には、自宅から直接利用者のところへ行ったほうが効率的な場合にも、出勤のタイムカードを押すために事務所へ立ち寄らなければならないというような施設もあるかと思います。
そうしたとき、勤怠管理システムを導入すれば、事務所の外からでも出退勤を登録できるようになり、そのデータも蓄積されていくため、給与計算の時間も削減することが可能です。
③財務会計・請求システムの導入
介護対象者の情報管理システムと連携させた会計管理システムを導入することで、介護計画から介護保険の請求まで一括して管理し、何度も同じ情報を入力したり、確認したりする必要がなくなり、より正確に、またより短時間で事務処理を終わらせることが可能となり、事務スタッフの負担軽減につながります。
いかがでしたでしょうか。今回は、介護施設でも活用できるIT導入補助金とは、という疑問ついてお答えさせていただきました。
ここで紹介した活用方法はほんの一例です。
運営形態や状況に合わせて導入するITツールを選択していくことで、IT導入補助金を最大限に活用することができるはずです。
補助金を活用することで事業を発展させていくこともできますので、活用することをお勧めいたします。
メモ
もし補助金について難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は補助金の内容により数万円~十数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。