ものづくり補助金

ものづくり補助金を美容室で活用する方法

 

「ものづくり補助金」ってなんだ? 物を作るのに補助金がもらえるものみたいだから美容室には関係ないんじゃない?

 

そう勘違いされている方は実はたくさんいます。「ものづくり補助金」は物をつくわけではない美容室でも実は補助金対象になるんです!

 

「ものづくり補助金」を美容室で活用する方法について解説をしていきます。

 

そもそも「ものづくり補助金」とは実は正式な名前でなく、略称になります。

「ものづくり補助金」の正式な名前は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」という少し長ったらしい名前になります。

 

世間一般的に「ものづくり補助金」という名前で呼ばれてしまっているので、「物をつくる製造業の事業者しか対象にならない」と誤解を受けることも多いですが、実は製造業だけでなく、建設業や小売業、旅館業、卸売業、サービス業の事業者の方も対象になります。

 

ですからサービス業である美容室も対象にはなります。

 

では、美容室において具体的にどの様な活用方法があるのかをお話しします。

 

「ものづくり補助金」の目的は、中小企業や小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の費用に対して補助金を交付することによって、それまで資金がなくて設備投資をしたくても資金がなくてできなかった中小事業者が積極的に設備投資に踏み切りやすくして、その導入した設備の効果で生産性をあげ、経済の活性化をさせようというところにあります。

 

要は、新規サービスや製品の開発にかかった費用や、生産性プロセスの改善のための設備を導入して生産性をあげれば補助金対象になるということです。

 

これを美容室の場合にあてはめて考えると

・新製品の開発、新規メニューの開発

・ブランド戦略

・生産プロセスの改善

が考えられます。あくまで可能性がある話として、例えば、新しいオリジナルシャンプー等のヘアケア製品や美容液の開発費や宣伝費、販促費が補助費用の対象になりますし、それらの製品を販売するためにブランド強化をして「革新的な販売方法」として打ち出せれば補助金対象になることもできます。

また、カラーリングやパーマの出来栄えを向上させ、尚且つ今までより短時間で仕上げれるというような設備を導入して生産性をあげることも補助金対象の活動になると思います。

 

要はアイデア次第で可能性は広がるということになります。

 

でも美容院を経営されている事業者全てが補助金を申請できるわけではないのです。

次に申請ができる対象者をみていきます。

 

対象となる方

①補助金を申請する段階ですでに創業している事業者の方。

ものづくり補助金は既に創業している方でないと申請できません。

個人事業主の方であるなら、税務署に開業届け出済みの方、法人である場合は既に設立をされている会社が対象になります。

 

②小規模事業者・中小企業であること

資本金の額や常時雇用している従業員の人数に制約があり、その制約内の方しか対象になりません。例えば美容室のようなサービス業の方なら、資本金5000万円以下もしくは常時雇用している従業員の方が100名以下のどちらかの条件を満たせば対象になります。

 

③賃金引上計画を従業員に表明していること。

賃上げ計画とは具体的には以下の3つになります。

・事業計画終了までの間に従業員への給与総支給額が年率1.5%増加する。

・事業計画終了までに最低賃金を地域最低賃金+30円にする。

・事業計画終了までに付加価値を円率平均3%以上増加する。

以上3つを満たす賃金引上げ計画書を作成し、従業員に表明する必要があります。

 

以上の3点が補助金対象者になる条件になります。

 

結構いろいろと条件がありますね。

 

次にものづくり補助金の中にはいくつか種類がありますが、美容室などが活用するのは一般型というものになります。

 

一般型

新しい製品や新しいサービスの開発、その生産方法やサービスの提供方法の改善につながる設備導入費用を補助するもの。

 

補助金の上限は1000万円で、補助率は1/2になります。ただし補助金対象者が小規模事業者である場合は2/3まで補助率が上がります。

 

最後にものづくり補助金の流れについて簡単に触れていきます。

ポイント

  • 認定支援機関のサポートを受けながら事業計画書を作成
  • ものづくり補助金事務局に申請(専用サイトから電子申請します)
  • 事務局にて審査
  • 結果通知(採択・不採択)
  • 採択された場合、補助事業の実施
  • 実施内容を補助金事務局に報告
  • 補助金交付
  • 補助金交付後も5年間は継続事業状況の報告をする

以上がざっくりとした流れになります。

 

まとめると、自社が補助金対象になっている場合、認定支援機関と協力をして事業計画を作成し、補助金申請をする。補助金申請が採択されたら、計画書内容を実施し、その効果の報告を行った後でようやく補助金が貰えるということになります。

 

以上がものづくり補助金を美容室で活用する方法の解説になりますが、いかがだったでしょうか? 美容室だからものづくり補助金が活用できないということはありませんので、一度ご検討してみてはいかがでしょうか?

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

-ものづくり補助金

© 2024 経営者のための 補助金の活用ガイド 小規模・ものづくり・IT補助金 インフォメーション