小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金の採択事例

「小規模事業者持続化補助金を使いたいけど、採択(合格)したケースってどんなのがあるの?」という疑問も多いはずです。

確かに、どのような事例であれば採択されるのかがわかれば、自分がしたいことと比べてどう違うのか、共通点はあるのか、といったことが比較できます。ここでは、日本商工会議所が公表している「採択された事業一覧」から、どのような事業が採択されているのかを見るとともに、具体的な事例についても取り上げていきます。

合格事例を見ることで自社の事業計画が練りやすくなります

以下に挙げたのは、2021年1月22日に発表された小規模事業者持続化補助金〈一般型〉採択事例一覧のうち、東京で採択されたものからピックアップしたものです。

  • 新マンション賃貸サービスのPRに向けたHP制作を実施
  • マルチデバイス対応ECサイト作成と動画コンテンツで売上アップ
  • ZOOMで翻訳相談のPRに向けた自社HP制作を実施
  • 新サービスメニュー「ビジネス動画制作」の開発で非対面ビジネスの支援
  • オンラインのパーソナルトレーニングで楽しくボディメイク!
  • SNS広告を通じた店舗・オンラインストアへの集客力向上
  • オリジナル事業の高画質な画像、動画による広告により新規顧客の拡大
  • 新規顧客開拓のための営業ツールとして、Webサイトの改築
  • ホームページのHUB化とCMS導入によるWeb集客の効率化
  • 空調設備導入によるコロナ不安の払拭
  • 小学生に注目されているロボット教室の併設との相乗効果
  • きものからKIMONOへ!KIMONOグッズの海外普及
  • ISOを活用したサービスをPRするためのHPや動画の作成
  • 店舗再開及び新サービスのクラウドファンディングによる販路拡大
  • 健康食としての手作りキムチの開発と顧客プラットフォームの形成
  • 新規顧客開拓に必要な専用WEBサイトの開発及び運用
  • 外国人雇用を推進したい全国製造業向けLP構築による販路開拓
  • スタートアップ企業の財務健全化サポートPR強化事業
  • MFクラウド会計・ICS導入による販路開拓
  • テイクアウトとオリジナル商品のオンライン販売による収益力強化

もちろんこれ以外にも沢山の採択事例があるのですが、上記から分かるように、業種としては、飲食店から介護事業所、ゲストハウスや税理士事務所など、色々なところで利用されています。

しかし、分野としてはECサイトやWEBページの作成といったオンライン関連の事業が目立ちます。

では、今度はホームページによる販路拡大を目的とした事業で具体的にどういった内容のものが採択をされたのかご紹介します。

先駆者に学べ!

補助金の申請において応募できる条件かどうかを見極めることはとても大切なことですが、それと同じくらい大事なことがあります。それは「先駆者の採択(合格)事例を見てみること」です。

和菓子製造販売店の例

【課題】
大正2年創業の和洋菓子製造販売の老舗。創業時からの味を100年来引き継ぐ看板商品があり、銘菓としても知名度が高い。しかし近年は贈答商品を扱う販売店数の増加や和菓子の種類の多様化により、売上の伸びが鈍っていた。そんな折に、小規模事業者持続化補助金の存在を知った。

【解決策】
看板商品以外の既存商品のブランディングによる収益体制の強化のために補助金を活用。幅広い年齢層に受け入れられるよう親しみやすいパッケージに変更し、それに伴い商品紹介のチラシも作成。
売上も着実に伸び、補助金の活用で製品リニューアルのコストが抑えられた。しかも、補助金の経営計画を作成したことで、社長自身や従業員の意識改革にもつながり経営に好循環な流れができた。

仏具店の例

【課題】
創業30年の仏具卸売を行う会社で、修理事業に的を絞って事業を行っている。仏具の修理というマイナーなサービス展開でもあるため、特に新規顧客集客に課題があった。そのため、補助金活用以前からホームページやブログを立ち上げて修理業務のPRを活発に行い始めたところ、オンライン経由で受注につながるようになった。

【解決策】
数年後、新規取引先獲得を目的として「小規模事業者持続化補助金」を活用し、ホームページをリニューアルした。リニューアルに当たって、事業者向けと、個人向けにページを分け、事業者向けには仏具の種類ごとの過去の修理実績、個人向けには仏具のお手入れ方法といったお役立ち情報を掲載。
ホームページによって修理業務受注体制を強化し、今後の卸売にも事業が派生することも見込んでおり事業運営に補助金が好循環をもたらしている。

貸別荘運営会社の例

【課題】
郊外のリゾートエリアにある別荘地で、貸別荘を複数運営。いつも集客力が課題となっていた。
天然温泉や研修室、バーベキュー場など、幅広い客層に対応可能な施設作りに力を入れているため、その施設などを効果的にPRしていきたいと考えていた。

【解決策】
スマホやタブレットからの予約、顧客獲得を目的として、情報発信の強化を計画。これにより小規模事業者持続化補助金を使ってホームページを全面リニューアル。スマホやタブレットからアクセスしやすい環境を整備し、宿泊客数の増加につながった。

旅館の例

【課題】
 世界的に有名な温泉地にある老舗旅館。温泉と料理が自慢の宿は、古くから多くの観光客に親しまれている。しかし、近年は業績が伸び悩み、平日の宿泊客数を増やすことが課題となっていた。
そこで解決策として考えたのが、外国人旅行者の取り込み。各部屋で使えるWIFIを整備。その後の取り組みとしてホームページをリニューアルし、英語のパンフレットも作ろうと考えていたが多額の費用がかかるために解決策を考えていた。そんな折に、小規模事業者持続化補助金の存在を知った。

【解決策】
解決策を考えていたところ、小規模事業者持続化補助金の存在を知り、補助金を活用し、ホームページをリニューアルすることを決意。ホームページの内容を充実させるとともに、海外からのお客様向けに英語でも閲覧できるようにした。その結果外国人観光客の取り込みに成功し、問題となっていた平日の稼働率が20%増加した。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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