小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは(内容・要件・流れ)

小規模事業者持続化補助金とは、中小企業や個人事業主にとても使い勝手のいい補助金です。有名な補助金ですので、聞いたことがある社長さんも多いかもしれません。

小規模事業者持続化補助金の内容・補助額

小規模事業者持続化補助金とは、「今まで提供してきたサービスを新しい販路を作ってより売上を伸ばしたい」、「新規のお客様を獲得する為の新しい商品やサービスを作りたい」といった中小企業の販路開拓の取り組みをサポートしてくれる補助金です。

気になるのは「いくら補助してくれるのか?」だと思いますが、補助率は3分の2(原則)、補助額は50万円(原則)となります。もっとも、年によってはコロナ対策の特別枠等もあり、補助額が100万円までアップする場合もありますので、最新の公募要領をご確認ください。

小規模事業者持続化補助金の条件

小規模事業者持続化補助金を活用するためには、次の「3つの条件」をクリアしなければいけません。

条件1 補助金を申請する時点で、すでに創業していること

創業というのは次のことを意味します。

法人:「設立登記」をしている

個人:税務署に「開業届」を提出している

つまり、創業や設立予定では補助金を申請することができません。

個人事業主の方はよく開業届を税務署に出していないことがありますが、どんなに起業して事業をしていたとしても開業届がない場合は、条件1を満たしませんので提出漏れのないように気をつけてください。

ただし、創業後1期でも確定申告を済ませている場合は、その確定申告書の写しで足りるため、あくまでも創業間もない方は注意が必要だということです。

条件2 小規模事業者であること

「小規模事業者持続化補助金」という名前なので、小規模事業者でなければいけません。では「小規模事業者とは何?」にお答えします。

小規模事業者は、表にある通り、従業員の数を基準として決められています。

基本的に小規模事業者持続化補助金の対象者は「20名以下の会社や個人事業主」を言います。しかも、「商業・サービス業では従業員が5名以下」と小さな会社や個人事業主を対象にしています。

例えば、正社員を10名雇っている飲食店経営事業者(サービス業)はここでいう小規模事業者には該当しませんので、小規模事業者持続化補助金の申請はできません。

ちなみに、ここで言う「従業員数の数え方」のざっくりとしたイメージとしては、社会保険に加入している方(通常、正社員)をカウントする形となります。法人の役員、個人事業主本人はカウントしません。ここは複雑な点なので、人数的に微妙なラインの場合は、必ず最新の公募要領を確認し、必要に応じて事務局にお問い合わせください。

業種 小規模事業者の条件
商業・サービス業 常時使用する従業員が5名以下
商業・サービス業のうち宿泊業、娯楽業 常時使用する従業員が20名以下
製造業その他の産業 常時使用する従業員が20名以下
条件3 商工会議所・商工会の支援を受けること

小規模事業者持続化補助金を申し込むためには、商工会議所や商工会の相談員に事前相談し(経営計画書等を持参)、所定の書式をもらっておく必要があります。

ちなみに、商工会議所は比較的大きい市区町村を担当していて、商工会は小さな市や町を担当しています。詳細はお近くの商工会議所や商工会におたずねください。

基本的に会社の「本店を管轄」する商工会議所や商工会が担当することになりますが、個人事業主の場合は「事業主の住所地を管轄」する所でも大丈夫です。

「うちの会社は商工会議所の会員じゃないけど利用できるの?」という疑問があるかもしれませんが、非会員の会社でも助言や印鑑は受けることができますので安心してください。

補助金入金までの流れ

この本を読んでいる方がもっとも気になるところとして、「補助金はいつもらえるの?」ということです。補助金申請から補助金入金までの簡単な流れはこのようになります。

経営計画書・補助事業計画書の作成
商工会議所・商工会から作成指導を受けることができます。(作成指導は任意です。)

商工会・商工会議所での要件確認及び経営計画書・補助事業計画書の確認
事業支援計画書(商工会・商工会議所作成書類)の作成依頼

必要資料を揃え、期日までに補助金事務局まで申請書一式を提出(郵送or電子申請)

審査

採択(合格)・不採択(不合格)の決定

採択(合格)決定後、計画書に沿った取り組みの実施

決められた期日までに取り組み実施報告書の提出

日本商工会議所による報告書の確認

補助金の請求

補助金の受領(入金)約2か月

よく見ていただくと分かりますが、補助金は採択(合格)されてもすぐには受け取れません。補助金は後払いです。つまり、自社で対象となる経費を立て替えてから、行政のチェックをクリアしてようやく入金されるものなんです。

補助金の入金時期は経費をいつ支払うかによっても違いますし、一概には言えませんが、⑨の補助金の請求から約2カ月だと考えてください(申請からだと1年弱かかります)。

また、補助金は申請すれば必ずもらえるというものでもありません。申請書をしっかりと作成しなければ不採択(不合格)になりますし、採択(合格)しても取り組みが不十分だと補助金を受け取ることができないケースも多々あります。

だからこそ、しっかりとした事前準備が非常に大事なんです。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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