これから公共工事の入札を行ってみたい、公共工事を受けると、今よりも工事の規模も大きくなり、その分利益も上がり、会社としては大変プラスになると聞いた。
その為には経営事項審査を受ける必要があるけれど、いったいどのくらいの費用が、最低限必要なのだろう?と、建設業を営んでいる方や、現場で働かれる方は、感じたことがあるかもしれません。
今回は、そのような疑問をお持ちの方に向けて、経営事項審査を受ける上で、必ず必要となってくる費用について、詳しく解説していきます。
■経営事項審査の流れについて
経営事項審査では、項目ごとに手続きを行い、支払う費用も異なってきます。
今から、より深く理解していけるように、まず経営事項審査を行うまでの流れについて、ご説明します。
まず、経営事項審査を受ける前に、大前提として、建設業許可を取得していなければ、経営事項審査は受けることができません。
しっかりと、建設業許可を取得した状態で、経営事項審査の手続きに入りましょう。
【経営事項審査を行うまでの流れ】
1 決算日に財務諸表を作成する
2 事業年度終了届を提出する
3 経営状況分析の申請を行う
4 経営状況分析結果の受領
5 経営事項審査の予約を行う
6 経営規模等評価申請を行う(経営事項審査)
7 総合評定値通知書を受け取る
主な流れとしては、このような順番で経営事項審査までの手続きを行っていきます。
この中でも、申請の際にかかってくる費用として、➂の経営状況分析の申請と、
➅の経営規模等評価申請と、➆総合評定値通知書にかかる費用です。
それでは、次項で一つずつ詳しく見ていきましょう。
■経営状況分析の申請を行う
まず、経営状況分析の申請を行う場合の費用を、ご説明します。
ここでは、経営状況について審査されます。
➁の事業年度終了届をもとに、資料を作成して、国土交通省が認可している、民間の経営状況分析機関へ提出します。
この経営状況分析機関は、各都道府県にあり、全国で10カ所ほどあります。自ら選び、申請を行いましょう。分析機関によって、手数料や、結果が通知されるまでの期間は異なります。
経営状況分析機関の費用相場
大体12,000円〜14,000円ほどです。
また、審査日が近くなってきてしまい、早めに結果通知書が欲しい場合は、分析機関によっては金額を多少多く払うことで、対応してもらえる期間もあるようです。
ここでは、あくまでも自分で登録された分析機関を選び申請を行うので、料金が安いからといって、無名の分析機関へ依頼してしまうと、廃業されるようなケースもありますので、できるだけその土地で名の知れた分析機関へ依頼することが、無難でしょう。
■経営規模等評価申請を行う(経営事項審査)
ここでは、経営の規模や、社会保険等へ加入しているか、社会性など客観的に審査されます。
経営状況分析の結果が通知書として届きますので、こちらも一緒に提出しましょう。
建設業許可を受けた行政庁(国土交通大臣許可もしくは都道府県知事)に対して、経営規模等評価申請と、総合評定値の請求を行います。
経営規模等評価申請手数料・・8,100円 + 2,300円(1種類につき)
審査を行う業種の数によって、料金は2,500円ずつ加算されます。
■総合評定値通知書を受け取る
この総合評定値通知書が、公共工事の入札には必要となる大事な通知書であり、全ての合計を点数で評価したものです。
この通知書は、いわゆる建設業の一年の通知表のようなもので、その企業を総合的に審査したものです。
総合評定値請求手数料・・400円
その他審査対象業種の数に応じて、200円ずつ加算されます。
それぞれ、納める機関が異なりますので、申請を行う際に、その都度必要機関へ支払いましょう。
このように、上記で述べた申請機関に支払う費用を全て合わせると
大体23,000円〜25,000円となります。
また、自分で必要書類を収集する場合には、状況によって必要な書類も変わってきますので、
その場合、別途書類を収集する手数料等もかかってくる場合があります。
どのような書類が必要なのか、事前に行政庁で確認しておくことをお勧めします。
■まとめ
今回は、経営事項審査を受けるのに、最低限かかる費用について項目ごとに詳しく見ていきました。自分で審査の手続きを行えば、必要な費用のみで済みますが、これは簡単なことではありません。
全ての必要書類を収集し、申請書類を作成して、申請を行うということは、かなりの労力がかかり、書類に不備等あった場合は、修正を行い、再度申請を行わなければなりません。
このような時間が取れず、できるだけ迅速に正確に手続きを行いたい場合は、専門家である行政書士まで、お気軽にご相談ください。