入札は、国や自治体など公的機関が民間業者に向けて発注を行う際に使われるものであり、入札に参加するには、様々な要件を満たさなければなりません。
今後、入札に参加してみようと思っているが内容を把握できていない。何を基準に審査されるのだろう?と疑問が多く悩んでいらっしゃる方も少なくありません。
今回はそのようなお悩みの方に向けて、入札参加資格審査とはどのようなものなのかというテーマで解説していきます。
■そもそも入札参加審査とは一体何?
国や地方自治体などの公的機関が、物品や建設工事などを発注する際に、請負契約の相手となる業者を公正に選ぶために使われる審査のことです。
もっとわかりやすくご説明しますと、国や自治体が発注するものに条件や審査がないとどうなるでしょう。
ただ単に価格の安い業者を選んでしまうと様々な問題が生じてしまいます。
例えば安さを売りにしている業者だった場合、工事の内容を見てみると実は手抜き工事が行われていた。なんてことになってしまうと、後になって劣化や不具合が出てきてしまい人命に影響が出てしまう場合もないとは言い切れないでしょう。
このようにただ価格の安い業者を選ぶのではなく、公正に客観的にその会社を選ぶことができるように作られたものが“入札参加資格審査”です。
それでは、次項で入札参加審査について詳しく見ていきましょう。
■入札参加資格について
入札に参加するためには、まず入札参加資格に登録しなければなりません。種類としては大きく分けて下記の2種類あります。
・競争入札参加資格
・各案件の参加資格
最近では中小企業の支援や調達の透明化の促進から、競争入札が増加してきている傾向があります。それぞれ内容が異なりますので、一つずつご説明します。
■競争入札参加資格について
競争入札参加資格は、国や地方自治体の発注機関が発行する資格のことです。
基本的には発注する機関ごとに申請を行い、その中で必要な要件を満たすことができれば入札参加資格者名簿に登録されます。
大きく分けて建設工事・物品・測量等・役務の契約を行う場合に登録されることが多いです。
審査の内容としてはその会社の経営状況や経営規模、その他技術力や客観的事項について審査が行われ、点数化されて格付けされます。
【審査にかかる期間はどのくらい?】
審査は各自治体によって差がありますが、一般的には必要書類等が届いてから大体5日間程度で審査結果が出るようです。
しかし定期的に行っている受付期間と重なってしまうと、審査まで1ヶ月以上必要となる場合もありますので必ず事前に申請窓口に確認することが大切です。
【必要書類について】
必要な書類も発注機関によって様々で事前に確認する必要がありますが、共通する書類をいくつか挙げます。
・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
※個人事業主の場合は、身分証明書が必要です
・各種税金にかかる納税証明書
・営業許可証
・経営事項審査結果通知書
これは一部の必要書類であり、発注機関が求める必要書類も様々ですので、そこも併せて確認しておきましょう。
また公的書類は発行してから3ヶ月以内が有効となるものが多いので、あまりにも早く書類だけ準備してしまい、申し込みを行う際に書類の期限が切れていた。なんてことにならないよう計画的に準備を進めていきましょう。
【審査に必要な費用は?】
申し込みを行う際に必要な費用はありません。
ですから、より多くの発注機関の入札参加資格を取得して入札の幅を広げておくことも重要となります。
【申請方法について】
競争入札参加資格を申請するには現在郵送によるもの・インターネット申請・持参して行うこの3パターンあります。
申請方法はそれぞれの機関で異なります。どのようにして申請を行うのか確認が必要です。
【有効期限は?】
入札参加資格には有効期限があり大体2〜3年となっています。
2~3年もあるから大丈夫と思っていても、発注機関ごとに申請受付期間が違う場合もありますので、時間に余裕を持って調べておきましょう。
■各案件の参加資格について
ここでの資格とは、入札案件ごとに沿った条件を満たすことを確認するための資格となり、持っている技術資格や受注実績などを求められることが多いです。
各案件の入札参加資格は、インターネットや掲示板等に記載されている入札公告をもとに、その中に入札説明書や仕様書など細かい条件が記載されています。
必要書類等も、入札説明書に記載されているので、事前によく読んで理解しておくことが大切です。
ここでは、主に発注機関が発行した競争入札参加資格の結果(等級)や請け負った実績、作業要員が所有している資格などが要件として挙げられています。
これらの要件を満たすことを証明できる書類を、入札資料と一緒に綴じて期日までに提出を行います。
■まとめ
今回は入札参加資格審査についての内容を詳しく解説しました。
入札参加資格を有するためには、提出書類や要件、審査が行われるまでの機関も発注機関によって異なります。計画的に進めていくことが大切ですね。
今後入札を行いたいが、入札の手引きを熟知して手続きを行う時間がない事業者様も、少なくないと思います。
そのような際は専門家である行政書士までお気軽にお問い合わせください。