国や自治体が取り扱っている入札参加資格には、物品・委託・建設工事など様々な業種が対象となっていますが、それぞれ業種によって入札参加資格を行うために必要な要件は異なります。
建設業を行っている方にとっては、建設工事の入札参加資格を受けるために一体どのようなものが必要なのか、気になる点だと思います。
今回はそのような方に向けて、公共工事の入札参加資格を建設業で取るために必要なことについて詳しく解説していきます。
■建設業で公共工事の入札参加資格を取るには?
まず初めに、建設業で入札参加資格を取るためには様々な資格や審査を取得・受審しなければ公共工事の入札は行えません。入札までに必要な流れについて見ていきましょう。
1.建設業許可を取得する
2.経営事項審査(経審)を受ける
3.入札参加資格審査を申し込む
4.入札参加資格者名簿に登録される
5.公共工事の入札に参加できる
流れとしてはこのようになっていますが、この中でも特に1〜3までを行うには、様々な審査や手続きを行わなければなりません。
それでは一つずつ詳しく見ていきましょう。
■建設業許可取得について
まず入札参加の条件として、最初に行うべき必要なものと言っても過言ではないものが“建設業許可取得”です。
建設業許可とは、建設業法に基づき一件の請負代金が500万円以上の建設工事を施工する際に必要となる許可です。ただし建築一式工事の場合、契約金額が1,500万円未満か延床面積が150平米未満の木造構造で延面積の2分の1以上を居住にする住宅を建てる場合は、許可がなくても請け負うことはできます。
このように定められていますが、公共工事を行う場合は必ず許可が必要です。
【建設業許可の要件】
1.経営業務に関わる方の中に、経営業務管理責任者を置く必要がある
2.工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
3.許可を受けたい業種の資格を持った方がいる
4.財産的信用の基準を満たしている
5.欠格事由に該当していないこと
■経営事項審査(経審)を受ける
建設業許可を取得することができたら、次に必要となってくるものが“経審を受ける”ことです。
経審を受けるために必要な要件などは特にありませんが、もちろん建設業許可を取得していなければ、そもそも経審を受けることはできません。
それでは経審について詳しくご説明します。
【経営事項審査とは?】
まず初めに経審とは、国や自治体が発注する公共工事を直接的に元請けとして請け負う際に、必要となってくる審査のことです。
審査結果を基準に国や自治体が一番良い条件を出した会社を、公共工事入札で選びます。
この時に、判断基準として必要となるものが“”経営事項審査です。
経営事項審査では、会社の経営状況や経営の規模・技術力などを基に、点数化して審査されるため、公平に公正な建設業者を選ぶことができます。
経審の手続きを行う際の流れとしては下記のようになっています。
1.決算日に財務諸表を作成する
2.事業年度終了届を提出する
3.経営状況分析の申請を行う
4.経営規模等評価申請を行う
5.総合評定値通知書を受け取る
このように、経審では様々な項目で審査を受け、その結果が最終的に総合評定値通知書として届きます。
■入札参加資格審査を申し込む
上記でご説明しました建設業許可と経審を無事に受けることができたら、いよいよ入札参加資格審査を申し込むことができます。入札参加資格審査について下記で詳しくご説明します。
【入札参加資格とは?】
入札参加資格とは、国または地方自治体などの機関が、公共工事を受注する際に発行する資格のことです。
申請は発注する機関ごとに行い、必要な要件を満たすことができれば入札参加資格者名簿に登録されます。
審査の内容としてはその会社の経営状況や経営規模、その他技術力や客観的事項について審査が行われ点数化されて格付けされます。
各自治体によっても、必要条件や必要書類も全く異なり、今後公共工事を請け負いたい自治体ごとに申請しなければならないのが特徴的です。
発注機関ごとの必要事項や申請時期をよく理解して、進めていくことが大切です。
■税金未納の場合入札参加不可
建設業許可取得・経審・入札参加資格の審査を受けた場合でも、税金の未納があると入札に参加ができません。
公共工事では、税金から賄われる工事と言っても良いでしょう。
しかしながらその工事を請け負う会社が、税金を支払っていない。となると公共工事を請け負うことはできません。該当する場合は、必ず完納しなければ参加できませんので気をつけましょう。
■まとめ
今回は、公共工事の入札参加資格を建設業で取るために必要なことについて解説いたしました。
入札に参加するには、様々な資格や審査が必要なことが理解できましたね。
日々忙しい事業者様にとっては、これらの手続きを行うまでにはかなりの労力を要します。
そのような際に専門家である行政書士にご相談いただければ、少しでも手助けできるかと思いますので、不安なことなどございましたらお気軽にお問い合わせください。