初めに、建設キャリアアップシステムを利用するには、技能者、事業者が、それぞれ個々で登録をする必要がありますが、一人親方の場合「どちらに、登録したらいいのだろう」と、疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
こちらでは、そのような方に向けて、一人親方でも、登録はできる?について解説いたします。
■一人親方も対象
国は、令和5年度には、すべての技能者の建設キャリアアップシステムの登録を、目指しているので、一人親方も対象となります。
本システムを利用する為には、1人親方は、事業主でもあり、現場で働く技能者でもあるので、事業者登録、技能者登録の両方とも、登録を行う必要があります。
ただし、状況によっては、登録する種類が変わってきます。
請負契約を結んで、施工体制に事業者として、登録される立場であれば、事業者登録、技能者登録をする必要があり、特定の事務所に所属をしない、技能者として雇用される立場、フリーランスの方であれば、技能者登録のみとなります。
■登録するメリットに関して
建設現場で働く、多くの技能者と同様に、一人親方も熟練した技能を持ちながら、能力や技能を統一的に評価されにくく、証明する事が難しい環境にありました。
しかし、建設キャリアアップシステムに登録し、システムを利用することで、自身のキャリアの証明に繋がり、転職や営業活動にも活かせる事と思います。
■一人親方の登録概要
事業者登録、技能者登録の両方とも、登録をする必要がある場合は、まず、事業者登録から行い、事業者登録が済んでから、技能者登録を行うようにしましょう。
技能者登録の申請の途中で、所属事業者に関して、入力するページがありますが、事業者登録で登録を済ませた、事業者IDを検索し、自身の事業者・屋号を登録します。
他の事業者にも、雇用される場合は、所属する事業者欄に追加しましょう。
■一人親方・登録に必要な書類
下記の書類は、登録に必要な主な書類を、記載します。
※インターネット申請を行う場合は、事前に必要な添付書類を用意し、JPEG形式に変換しておく必要があります。
【事業者登録】
①事業者証明の書類
【建設業許可がある場合】
・建設業許可証 (コピー)
【建設業許可のない場合・一人親方】
下記の3点のうち、いずれか1点のコピーが必要となります。
・納税証明書 (その1 納税額等の証明書)
※証明日が1年以内のものが必要となります。
・所得税の確定申告書
・個人事業開始届
※所得税の確定申告書、個人事業の開始届は、1年以内のもので、税務署の受付印が必要です。
②社会保険等の加入証明書類
下記の書類の、コピーが必要となります。
・国民健康保険証明書
・国民年金証明書
・労災保険特別加入証明書
※労災保険に加入している場合は、こちらの書類も必要となります。
※必ず「特別加入」と書かれている書類を、用意して下さい。
・労災保険加入証明書 特別加入(一人親方)
・労働者災害補償保険 特別加入証明書(一人親方) 等
【技能者登録】
①本人確認書類
本人確認書類は、氏名、顔写真、現住所と生年月日が、確認できる書類が必要です。
下記の、いずれかの書類のコピーが、必要となります。
・マイナンバーカード、又は運転免許証のどちらか1点
・公的身分証明書とパスポートの合計2点
・外国籍の方:在留カード、又は特別永住者証明書のどちらか1点
②顔写真(カード用)
6ヶ月以内に撮影したもので、正面を向いたもの、無帽、無背景の写真が必要です。
③社会保険等の加入証明書類
下記の書類の、コピーが必要となります。
・国民健康保険証明書
・国民年金証明書
・労災保険特別加入証明書
※労災保険に加入している場合は、こちらの書類も必要となります。
・労災保険加入証明書 特別加入(一人親方) 等
■一人親方・登録料
【事業者登録料】
事業者登録料は、事業規模(資本金)により異なりますが、一人親方の場合は事業者登録料は、無料となります。
ただし、事業者情報を管理する、管理者IDの料金が必要です。
管理者ID料・1人親方: 2,400円 (有効期限:1年間)
【技能者登録料】
技能者登録料の支払いは、新規登録の時と、更新の時となります。
有効期限:10年間となります。
・インターネットを使った申請: 2,500円
※申請の時に、60歳以上の方は割引適応となります。 2,000円(有効期限 15年)
※令和3年4月より「簡略型登録料」・「詳細型登録料」の2段階からの選択
・認定登録機関での申請: 3,500円
※認定登録機関とは、国が指定した窓口になります。本人確認書類の顔写真付きの証明書がない場合や、インターネット申請が難しい方は、割高になりますが、対面での申請、審査及び登録が出来るので、予約をして窓口に出向く、手間はかかりますが、確実に登録が出来ます。
■まとめ
こちらでは、一人親方でも、建設キャリアアップシステムに、登録できる?について解説いたしました。
一人親方は、事業者でもあり、現場で働く技能者でもあるので、技能者登録、事業者登録の両方とも、登録をする必要があります。建設キャリアアップシステムの、申請手続き自体は複雑なものではなくとも、多くの手順や、用意する添付書類も多く、片方の登録だけでも大変な中、普段本業でお忙しい方は、申請時間もとれず、難しいと感じてしまう方もいらっしゃると思います。そのような際は、お気軽に専門家である行政書士にご相談下さい。