建設業の許可を持っている事業者の方で、事業年度が終了したので事業年度終了届を提出したい、そう思われている事業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その際に「まず、必要な書類は何が必要なのかな」「提出期限はいつまでなのかな」と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思われます。
こちらでは、そのような方に向けて、事業年度終了届の必要書類と提出期限はいつ?というテーマについて解説いたします。
提出期限について
毎年、事業年度が終了したら“4ヶ月以内”に事業年度終了届を作成し、提出を行います。
例えば、3月末に事業年度が終了した法人の場合は、7月末までが提出期限となります。
個人事業主の方の場合は、開業時期に関わらず1月1日から12月31日までと決められており、12月に事業年度が終了するので、提出期限は4月末までとなります。
事業年度終了届の作成は、税務署に提出する税理士の方等が作成した、決算報告書をもとに作成されるので、決算報告書の作成に使った時間を省いた、残りの日数、約2ヶ月で事業年度終了届を作成し、提出しなければなりません。提出期限が4ヶ月もあるから、と余裕を持っていると期限内に提出が出来なくなる可能性もあるので注意が必要です!
また、期限内に届出を行わなかった場合は、始末書の提出や最悪なケースの場合は罰則にも科されますので、必ず期限内に届出を行いましょう。
法人・・・事業年度が終了してから4ヶ月以内が提出期限となります。
(例)3月に事業年度が終了した場合⇨ 7月末が提出期限となります。
個人事業主・・・4月末が提出期限となります。
提出に必要な書類について
各都道府県により、必要な書類、作成方法が異なる場合があるので、事前に確認を行う必要があります。下記の書類は、事業年度終了届を提出する時に必要となる書類になります。
①変更届書(表紙)
②工事経歴書
記載内容としては、許可を受けた業種ごとに、注文者、工事名や工事を行う場所、元請下請別、配置技術者等を記載します。
経営事項審査を受けるか、受けないかによって記入方法が異なります。
③直前3年の各事業年度における工事施工金額(3期分)
申請をする日より、直近3年分の各事業年度に完成した、建設工事の施工金額を業種ごとに分けて記載します。
許可を受けていない建設工事については、その他の建設工事の施工金額に記載します。
【財務諸表】
下記の財務諸表と書かれている書類は、税理士の方が作成した決算報告書をそのまま写して提出する事は出来ません。建設業用に財務諸表を作成し直す必要があります。
また、個人事業主と法人で様式が変わるので注意が必要です。
④貸借対照表・財務諸表
法人用、個人事業主用で様式が異なります。
建設業法特有の勘定科目があり、建設簿記で作成する必要があります。
⑤損益計算書・財務諸表
法人用、個人事業主用で様式が異なります。
建設業法特有の勘定科目があり、建設簿記で作成する必要があります。
⑥完成工事原価報告書・財務諸表
法人の場合は提出が必要です。
⑦株主資本等変動計算書・財務諸表
法人の場合は、提出が必要です。
⑧注記表・財務諸表
法人の場合は、提出が必要です。
⑨附属明細表・財務諸表
株式会社で、資本金の額が1億円超であるもの、又は直前決算の貸借対照表の負債の合計額が200億円以上である場合は提出が必要です。
⑩納税証明書
納税証明書は、許可を受けた行政庁により提出する納税証明書が異なります。
(各都道府県知事の許可を受けた場合)
・個人事業主・・・個人事業税の納税証明書が必要です。
・法人・・・法人事業税の納税証明書が必要です。
(国土交通大臣の許可を受けた場合)
・個人事業主・・・申告所得税(その1)の納税証明書が必要です。
・法人・・・法人税(その1)の納税証明書が必要です。
⑪事業報告書
株式会社のみ提出が必要となります。
【変更があった場合のみ提出する書類】
下記の書類は、事業年度の期間中に変更があった場合のみ提出をする必要があります。
①使用人数
営業所ごとに、期間中に退職した方や新たに雇用された方等、変更があった場合は提出します。
使用人とは、法人の場合は役員、個人事業主の場合は事業主を含めたことをいいます。
非常勤の役員やパート、派遣の方等は含まれません。
②定款の写し(コピー)
定款に変更があった場合は、提出が必要です。
③建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
支店や支社があり、支店長(営業所長等)に変更があった場合は提出が必要となります。
④健康保険等の加入状況
健康保険等の人数の変更があった場合は、提出が必要です。
まとめ
こちらでは、事業年度終了届の必要書類と提出期限はいつ?というテーマについて解説いたしました。
毎年事業年度終了届を提出することは、建設業の許可を更新するためにも大切な届出となります。毎年、事業年度が終了したら、期限内に提出を行うことが大切です。
また、ご自身で時間をかけて事業年度終了届を作成し、提出する事も可能ではあります。
しかしながら、普段本業でお忙しい事業者の方にとって、ご自身で作成し、提出を行う事は想像以上に事業者の方のご負担になると思われます。
事業年度終了届に関する事でお困りの方は、専門家である行政書士へお気軽にご相談ください。