建設業を営業している事業者の方で、様々な事情で許可を持っていない方もいらっしゃると思います。許可がないことで何か影響はあるのかな?許可がないと逮捕されるのかな?
そう、不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
こちらでは、その様な方に向けて、“建設業許可がないと逮捕される”?というテーマに
ついて詳しく解説致します。
■無許可に関して
建設業を営業している事業者の方で、許可を取得したくとも許可が取れない方や自社には必要ないと、そう思っている事業者の方もいらっしゃると思います。
建設業を営業していく上で、建設業許可は、必ずしも必要というわけではありません。
工事を行う際に、“軽微な工事のみ”を行う場合は許可がなくても営業する事が出来ます。
許可を必要としない軽微な工事とは、建築一式工事の場合では木造住宅の工事で、延べ面積150平方メートルに満たない工事、または1,500万円未満の工事の事を指し、その他の工事を行う場合は500万円に未満の工事が“軽微な工事”にあたります。
ただし、これ以上の範囲や金額の工事は行えませんので、決められた金額や範囲を超える工事を行いたい方や事業を拡大させたい方等は、必ず許可を持って営業する事が大切です。
■無許可で営業する場合の罰則に関して
許可がない状態で、軽微な工事を超える範囲や金額の工事を請負っても、バレなければ大丈夫と思っている方や、例え発覚しても知らなかった、で済むのでは?そう思われている方もいらっしゃると思います。
しかしながら、許可がないのに決められた金額以上の工事(軽微な工事)を請負ってしまうと、建設業法に違反したとして、“3年以下の懲役、又は300万円以下の罰金”に処されてしまいます。仮に罰則に科されたとして、許可が必要になり、許可を受けようと新規申請を行なっても“5年間”は許可を受けることが出来ません。
このように、無許可で決められた金額以上の工事(軽微な工事)を行なった場合は、とても厳しい罰則を受ける事になります。
・罰則・・・3年以下の懲役刑に科されます
・罰金・・・300万円以下の罰金が科されます
上記のように発覚しなければいいと思って、許可を持っていない状態で、決められた金額以上の工事を行なってしまうと、とても厳しい罰則に科されます。
バレないと思っていても、同業者の密告や発注者から発覚するケースもあります。
また、建設業を営業していく上で、許可が必要になり新規申請をする時に、許可がない状態で工事(軽微な工事以上)を行なっていた事が発覚してしまうと、許可を受ける際に指導やペナルティーを受ける可能性もあります。
無許可で営業される場合は、十分な注意が必要です。
■許可がない状態で逮捕?
無許可の状態で営業した場合、逮捕されたりするのか、不安や疑問をお持ちの方も少なくないと思われます。
下記では、許可を持っていないのに、軽微な工事以上の工事を請負ってしまい、実際に逮捕されたケースについて解説致します。
2006年にある県で許可がない状態で受注したとして、建設会社の社長と中堅ゼネコンの支店長が逮捕されたケースがあります。
また、2016年には同県で許可がない状態で、約5,500万円の公共工事を請けたとして会社の社長が逮捕されています。
更に別のケースでは許可がない状態で3,600万円の下請け工事を行なったとして社長や従業員5人が逮捕されています。
このように、許可を持っていない状態で、決められた金額を超える工事を行なってしまうと、実際に逮捕に至ったケースもあります。
多くの場合、発覚したからいきなり逮捕となるケースは極めて稀ですが、逮捕に至るまでに、行政庁からの再三にわたる改善勧告を無視し続けると、逮捕となる可能性があります。
このようにならない為にも、決められた金額や範囲を超える工事(軽微な工事)を請け負う場合は、建設業の許可を受ける事が大切です。
また、最近の建設業の傾向では、元請業者の方が下請業者の方に「許可を持っていないと発注しません」と言われるケースも増えてきています。
■まとめ
今回は、“建設業許可がないと逮捕される”?というテーマについて解説致します。
無許可で営業している場合、限られた範囲や金額のみの工事を行えますが、仮にそれ以上の工事を請負ってしまうと、法律に違反したとして、実際に逮捕されたケースもあります。
決められた金額以上の工事(軽微な工事)を請負いたい場合は、必ず許可を受ける事が大切です。また、許可を持っていることで建設業者としての責任は大きくなりますが、同時に信用を得られる事や請け負える工事の金額も大きくなるので、事業の幅を広げたい方は、許可を受けて営業していく事をお勧め致します。
建設業許可に関する事でお困りの方は、専門家である行政書士にお気軽にご相談下さい。