建設業許可

会社買収での建設業許可の引き継ぎについて

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近年日本の建設業界では、人材不足や高齢化に伴い、建設業を営んでいる方が廃業せざるを得ない状況が、問題となっていました。

ましてや若い世代の建設業への就職率も低くなっており、大きな課題となっていました。

今までは、高齢化や様々な理由で会社を継承したとしても、建設業の許可を引き継ぐことはできませんでした。

しかしながらこのような背景を見直し、令和2年に許可を継承することができるよう改正されました。

これは建設業界にとっては大きな変化であり、今後引き継ぐ世代の方々にとっても、大変メリットのある事と言えるでしょう。

それでは今回は、会社買収での建設業許可の引き継ぎについてというテーマで、詳しく解説していきます。

■改正前

今までは会社が、買収などによる事業を譲渡した場合には、譲渡する側が建設業の許可を持っていたとしても、許可を引き継ぐことはできませんでした。

この場合改めて譲渡される側の会社が、許可を取りなおす必要がありました。

しかしこれには問題があり、新しく取り直した場合、許可が下りるまでの数ヶ月間は、許可未取得の状態で営業を行わなければならないので、500万円以下の工事しか行えませんでした。

取り直すためにかかる時間や労力、そして申請費用が新たに発生してしまい、その期間、小規模の工事しか行えないという事は大きな痛手となっていたことでしょう。

また、建設業界では長時間労働や技術者不足によって、建設業の仕事はあっても働き手が減少している事なども問題視されていました。

しかしながら建設業の働き方改革や、円滑に事業を継承するため、または現場での生産性を上げるために、令和2年10月に一部改正され、不可能と言われていた許可の継承が、可能となりました。それでは、次項では会社を買収した場合の許可を引き継ぐ方法について解説いたします。

■許可を引き継ぐためには?

まず会社を買収することが分かったら“事業譲渡”を円滑に行うことができるように、持っている建設業の許可を、切れ目なく引き継ぐ必要があります。

方法としては、事前に許可行政庁(都道府県知事・国土交通大臣)に“認可”を申請することです。

申請する際に様々な書類が必要ですが、一部代表的なものとしては下記の通りです。

(認可に必要な書類)

・譲渡または譲受けに関する契約書の写し
・株主総会議事録など
・社員全員の同意書など(個人会社の場合)

この他にも、認可申請に必要な書類はたくさんあります。書類は自治体によって異なりますので、必ず事前に担当窓口で確認してから申請を行いましょう。

■有効期限について

許可の有効期限の日付は“許可が下りた日”と思ってしまいますが、有効期限は“事業譲渡した日”から5年間が有効となります。間違いやすいので、注意しておきましょう。

■手続きについて

買収に伴い、事業を譲渡する場合は“建設業許可の要件”を全て満たすことが必須です。

要件は大きく分けて6つあります。

➀経営を行う管理責任者がいる

経営の管理を行う者を、責任者として会社に常勤させることが必要です。

・建設業の会社で5年以上の経営経験者(許可を取る業種以外でも可)
・建設業で経営の補助として6年以上の経験者

➁資格を持っている技術者がいる

技術者として、国家資格者や実務経験者が認められます。

・国家資格︎を持っている者
・指定学科を卒業後、必要年数経験がある者
・許可を取る業種での経験が10年以上ある者

この中で一つでも該当する者を営業所ごとに置くことが必要です。

➂契約に関して誠実性がある

ここでの誠実性とは請負の契約を行う中で、その代表や役員の中に法律に反する行為を行うものがいないということが必須です。

➃財産的信用の基準を満たしている

自己資本金が500万円以上ある事、もしくは通帳に500万円以上の残高が残っていれば認められます。

➄欠格要件

会社の代表や事業主、すべての役員(支店長なども含む)が対象で、申請内容に虚偽の記載や成年被後見人、破産者などに該当しないことです。

➅社会保険に加入

許可を受ける会社は、全員が社会保険に加入していることが条件です。

また雇用している社員全員に、雇用保険をかけることも必須です。

これらの要件をすべて満たしているか、まずは確認しておきましょう。

要件は自治体によっても要件の内容は異なります。事前に管轄窓口で要件を確認することをお勧めします。

■ポイントとして

今回の改正に伴い、許可の継承はあくまでも“全ての許可を継承するもの”となっていますので、一部の業種のみを維持したい場合は、一度廃業手続きを行い、新たに許可を取りなおす必要があります。

また経営事項審査の結果や、監督処分を受けたことがある場合は、これらも許可として引き継がれますので、注意しておきましょう。

■まとめ

今回は、会社買収での建設業許可の引き継ぎについてというテーマで解説いたしました。

改正されてから、許可を引き継ぐことができるようになったことは大変大きな変化でしょう。

しかしながら、許可を引き継ぐためには必要書類を作成し、要件を揃えて申請することが重要です。

日々お忙しい事業者様に代わって、専門家である行政書士が申請の手続きをお手伝いすることも可能です。

何か少しでもご不明なことなどありましたら、お気軽に行政書士までお問い合わせください。

この記事の監修

【さむらい行政書士法人】代表 / 行政書士 小島 健太郎 (こじま けんたろう)

【さむらい行政書士法人】代表 / 行政書士

小島 健太郎 (こじま けんたろう)

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プロフィール

2009年 行政書士登録、個人事務所を開設
2012年 個人事務所を法人化。「さむらい行政書士法人」を設立 専門分野:建設業不動産の許認可申請、事業者向け補助金、融資申請支援、外国人在留資格

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