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建設業許可の2020年秋の改正について解説

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建設業法が改正されたけど、どのような改正がおこなわれたのかよくわからない、という方は多いのではないでしょうか。改正されたことにともなってどうしたらいいのか教えてほしい、という方もいらっしゃると思います。今回は、建設業許可の2020年秋の改正について解説をしていきたいと思います。

大きなポイントとしては、下記の3つとなります。

1、建設業の働き方改革

2、建設現場の生産性の向上

3、持続可能な事業環境の確保

それではそれぞれ具体的に見ていきましょう

建設業の働き方改革

建設業界では、いわゆるブラック的な労働環境により働き手がどんどん少なっている状況がありました。そこで、今回の改正によって働き方改革を推進することで、働き手を増やそうというものになります。

具体的には下記になります。

①長時間労働はやめましょう!

長時間労働に繋がってしまうのは、やはり工期が適正でない場合が多いのです。

そこで、中央建設業審議会が工期に関しての基準を作成し、その基準と比較して著しく短い工期による請負契約を禁止いたしました(違反者には、国土交通省より勧告をされ、従わない場合には公表されます)。

②現場での処遇を改善しよう!

改善ポイント1:建設業許可を取得するための要件として、適正な社会保険への加入が要件となりました。つなり、適正な社会保険に加入していない場合にはそもそも許可がとれなくなったのです。現在許可を受けている事業者さんは、更新の際に適正な社会保険に加入していないと更新できませんので注意しましょう。

改善ポイント2:下請の業者や一人親方に対して支払う代金のなかで、労務費に相当する金額については掛けでの支払いや手形による支払いではなく、現金での支払いが求められるようになりました。

建設現場の生産性の向上

①現場を監理する監理技術者(技士)に対して、補佐をする技士補制度が創設されました。これにより、技士補がいる場合に監理技術者は複数の現場を兼務することができるようになりました。なお、特定の専門工事(下請代金の合計額が3500万円未満の鉄筋工事と型枠工事)については、元請負と下請負が合意することにより、元請負の主任技術者が下請けの主任技術者を兼務する場合には、下請けの主任技術者の配置は不要となります(この場合には、下請け業者はさらに下請けに出すことはできません)。

②建設資材の欠陥にともなった施行不良等がある場合には、国土交通省は建設業者への指示とあわせて、再発防止のための建設資材製造業者に対して改善勧告や改善命令ができるようになりました。

3、持続可能な事業環境の確保

①経営業務管理責任者の規定を廃止し、経営管理責任体制が創設されました。

経営管理責任体制とは、以前までは個人に対して規定されていたことを、組織に対して経営管理責任体制を満たさなければなりません。経営管理責任体制の具体的な基準としては下記になります。

Ⅰ:適正な経営能力を有していること

適正な経営能力を有していることとは、下記のアとイのどちらかの体制を有していることとをいわれます。

【ア】常勤役員等のうち、1人が下記のア-1・ア-2・ア-3のどれかに該当すること

ア-1:

建設業に関して、5年以上の経営業務の管理責任者経験を有している者

ア-2:

建設業に関して、5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあるものとして、経営業務を管理した経験を有している者

ア-3:

建設業に関して、経営業務の管理責任者に準ずる地位にあるものとして、6年以上の経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有している者

※1:経営業務の管理責任者としての経験とは

業務を執行する社員、取締役、執行役、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長などで、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行など建設業の経営業務について総合的に管理した経験のことをいいます。

※2:準ずる地位とは

業務を執行する社員、取締役又は執行役に次ぐ職制上の地位にある者、支店長、営業所長又は支配人に次ぐ職制上の地位にある者のことをいいます。

【イ】常勤役員等のうち、1人が下記のイ-1・イ-2のどちらかに該当して、常勤役員等を直接に補佐する人として、イ-3-1・イ-3-2・イ-3-3に該当する人をそれぞれ置いていること。

イ-1:

建設業の財務管理、労務管理または業務運営のどれかの業務に関して、建設業の役員等の経験が2年以上を含む5年以上の建設業の役員等又は役員等に次いで職制上の地位における経験を有する者

例:建設業での役員(財務・労務・業務運営のどれかの)2年以上と役員に次ぐ地位での経験をあわせて5年以上の経験とすることができます。

イ-2:

建設業の財務管理、労務管理または業務運営のどれかの業務に関して、建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の役員等の経験を有する者

例:建設業での役員2年以上と他業種として飲食業や不動産業での役員経験を含めて5年以上の経験とすることができます。

◆常勤役員等を直接に補佐する者

イ-3-1:許可申請等を行う建設業者等において5年以上の財務管理の経験を有する者

イ-3-2:許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者

イ-3-3:許可申請等を行う建設業者等において5年以上の運営業務の経験を有する者

※1:イ-3-1・2・3は1人が兼務することも可能です。

Ⅱ:適切な社会保険に加入していること

これは文言とおりとなります。法人であれば健康保険・厚生年金保険・雇用保険などについて適用事業所になっていなければなりません。

個人事業主であれば、常時働いている従業員が5人以上でなければ、厚生年金等の社会保険は義務ではありませんので、従業員を厚生年金保険等に加入させる必要はございません。

あくまでも、適切なものとして考えていただければ大丈夫です(常時働いている従業員が5人以上であれば、厚生年金保険等の加入は義務となりますので加入が必要です)。

②建設業許可の承継ができるようになりました。

以前までは、建設業者が合併や分割・事業譲渡、もしくは個人からの法人成りといった場合には、新たに新規で建設業の許可を取得しなければなりませんでした。しかし、今回の改正によって、事前に認可を受けることで、建設業許可の承継ができるようになりました。

いかがでしたでしょうか。

今回は、建設業許可の2020年秋の改正について解説させていただきました。改正にともない要件などを見直すことで許可を取得できるようになった方もいらっしゃるかもしれません。

建設業の許可を取得することで、これまでより一層大きな建設工事を請け負うことができるようになります。したがいまして、今後の事業を発展させていくことにも繋がりますので、許可を受けることをお勧めいたします。

もし建設業の許可について難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用はかかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

この記事の監修

【さむらい行政書士法人】代表 / 行政書士 小島 健太郎 (こじま けんたろう)

【さむらい行政書士法人】代表 / 行政書士

小島 健太郎 (こじま けんたろう)

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プロフィール

2009年 行政書士登録、個人事務所を開設
2012年 個人事務所を法人化。「さむらい行政書士法人」を設立 専門分野:建設業不動産の許認可申請、事業者向け補助金、融資申請支援、外国人在留資格

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