建設業には色々な職種が関わっています。
その中の1つとして、測量業者も建設業に密接に関連していると言えるでしょう。
しかし、測量業者は建設業の許可の取得を必要する必要はありません。しかし、代わりに測量業者としての登録をしなければなりません。
ここでは、関連する2つの手続き、建設業許可と測量業者登録について解説をしていきます。
建設業許可とは
建設業許可とは、ある程度大きい規模の工事を請け負うためには、許可を受けていないとその工事を請け負うことができない、という風にしているもので、この許可を取得していることが施工能力のお墨付きとなっています。
なお、ある程度大きい規模とはどのくらいかと言うと、次の範囲を超える規模を指します。
①建築一式工事:請負代金額1,500万円未満/1件
150㎡未満の木造住宅工事
②その他工事:請負代金額500万円未満
この建設業許可には29種類の業務に分かれて幅広く建設業工事に対応をしているのですが、建設工事に密接に関わる業務であっても、建設工事の完成を請け負っているわけではない、建設業許可を取得する必要のない業務もたくさんあります。
例)
•自家用工作物に関する工事
•剪定、除草、草刈り、伐採
•建築物、工作物の養生や洗浄
•施設、設備、機器等の運転管理や保守点検
•測量や調査
•建設機械、土砂、残土搬出などの運搬
•地質調査、埋蔵文化財発掘、観測、測定を目的とした掘削
•建設資材の納入
•工事現場の警備
そしてこの中に、測量も含まれています。
つまり、測量業を営むにあたって仮設業許可は不要となります。
測量業者の登録が必要
ここまでで、測量業を営むにあたっては建設業許可の取得は不要ということが分かりました。
しかしここで注意しなければいけないのは、建設業許可はいらなくても、測量業者として営業をするには、測量法の定める測量業者の登録を受ける必要があるということです。
これは、個人、法人、元請、下請に関係ありませんし、請負金額も基準はありません。
なお、ここでいう測量業とは、次の3つを請け負う営業を指します。
・基本測量
・公共測量
・その他の測量(基本測量及び公共測量以外の測量)
(1)基本測量
国土交通省国土地理院が行う、すべての測量の基礎となる測量
(2)公共測量
公共測量とは、(1)基本測量以外の測量で、次に該当するものです。
①国又は公共団体がその測量の実施に要する費用の全部又は一部を負担し、又は補助して行う測量
②国土交通大臣が指定した、次の事業のために実施する測量
Ⅰ行政庁の許可、認可その他の処分を受けて行われる事業
Ⅱその実施に要する費用の全部又は一部について国又は公共団体の負担又は補助、貸付けその他の助成を受けて行われる事業
公共測量該当確認フロー
引用元:国土地理院
(3)基本測量及び公共測量以外の測量
基本測量又は公共測量の測量成果を使用して実施する基本測量及び公共測量以外の測量です。
測量業者の登録の要件、必要書類
測量業者登録の要件は建設業許可の要件のように複雑ではありません。
登録の要件は、「登録しようとする営業所ごとに、測量士を1人以上置くこと」です。
次に登録のための必要書類についても見ておきます。
1)登録申請書
記載事項:
・商号or名称
・営業所の名称、所在地
・法人の場合、その資本or出資の額+役員の氏名
・個人の場合、その氏名
・メインで請け負う測量の種類
・測量業以外の営業又は事業を行っている場合、その営業又は事業の種類
2)添付書類
・営業経歴書+法人の場合は定款
・直近2事業年度の測量実施金額を記載した書面
・法人の場合、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表
・個人の場合、貸借対照表、損益計算書
・法人の場合、法人税の納付すべき額及び納付済額を証する書類
・個人の場合、所得税の納付すべき額及び納付済額を証する書類
・使用人数+営業所ごとの測量士、測量士補の人数を記載した書面
・登録申請者(法人の場合、その役員も)、法定代理人が欠格要件に該当しない者であることの宣誓書
・登録の要件を備えていることの宣誓書
・法人の場合、登記事項証明書
・測量士名簿記載事項証明書
・登録免許税の納付書・領収証書もしくは登録手数料の収入印紙
※①平成 18 年 4 月 1 日以後に、登録をした測量士が個人開業する場合:15,500円
②平成 18 年 3 月 31 日以前に、登録をした測量士が個人開業する場合:30,000円
③上記以外+法人:90,000円
さてここまでいかがだったでしょうか?
建設業は大きな規模の産業であり、沢山の業務を行う業者が複数登場します。
しかし、建設業に関わる全ての業者が建設業許可を取得する必要はありません。
そして、その中でも測量業者は測量法に則って、測量業者の登録をしなければなりません。
もしこれらの手続きを自分で行うのが面倒、自分には難しそう、とお思いの方はぜひ一度専門家の行政書士に相談をしてみて下さい。