電気工事業登録を取得するためには、条件として保有していなければならない資格があることをご存知でしょうか。また、電気工事業登録には有効期限があるので気をつけなければいけません。
こちらでは、電気事業登録に必要な資格や有効期限について詳しく解説していきたいと思います。
■登録に必要な資格
電気工事業法では、一般用電気工作物に関わる電気工事を行う営業所ごとに「主任電気工事士」を設置しなければならないと定められています。
「主任電気工事士」の要件といたしましては2パターンあり
①「第一種電気工事士」の免状の交付を受けている
②「第二種電気工事士」の免状の交付を受けた後3年以上の実務経験がある
どちらかを満たせば「主任電気工事士」と認められます。
それでは、この2つの資格について詳しく説明していきます。
■第一種電気工事士
一般用電気工作物に加え、自家用電気工作物の工事も施工できるのがこの「第一種電気工事士」です。
(例)発電所、変電所、送電線路、配電線路、工場・ビル等
一般用電気工作物…600V以下の電圧で受電、構外に電線路を持たないもの。
自家用電気工作物…600Vより大きい電力で受電、構外に電線路を持つもの。
第一種電気工事士の試験を受けるだけでしたら必要な条件や受験資格などはありません。学歴・職歴・年齢など制限なく誰でも受験が可能です。
受験のみでは制限がないのですが、合格後の免状(資格取得の証明)の交付につきましては定められた条件があります。
■免状交付の条件
免状の条件は「電気工事士の実務経験が3年以上」となります。
以前は、
①電気工事の実務経験が5年以上
もしくは
②電気工事士の実務経験が3年以上+指定された大学または専門学校を卒業している
上記が条件でしたので少々ハードルが高かったのですが、電気工事の施工方法や作業工具の技術進歩などで効率化された環境変化などを考慮に入れ、令和3年4月1日から改正の運びとなりました。
今後は、実務経験は大学または専門学校の卒業の有無にかかわらず一律3年の実務経験があれば免状交付が可能となります。
免状に必要な実務経験の内容は
①一般電気工作物での実務
(第二種電気工事士の免状を取得後の電気工事)
②自家用電気工作物での実務
(認定電気工事従事者認定証を取得後の簡易電気工事)
③自家用電気工作物あるいは電気事業用電気工作物での実務
(電気工作物の設置・変更の工事)
電気事業用電気工作物…発電所、送電線路など
事業用電気工作物…自家用電気工作物と電気事業用電気工作物の総称
以上のように、第一種電気工事士は試験通過後の免状交付が厳しかったのですが、実務経験が5年から3年と条件が緩和されたことにより、敷居が低くなったと考えても良いかもしれません。
第一種電気工事士は難易度が高い分、取得した場合はできる工事の範囲が広がり、給料や手当等は高くなるといった利点がございます。
次はもう一つの資格、「第二種電気工事登録」について説明していきます。
■第二種電気工事士
先ほどの「第一種電気工事士」とは別に、「第二種電気工事士」の施工範囲は一般用電気工作物のみに絞られます。
(例)一般家庭、商店、コンビニ、小規模事務所等の屋内配線 一般家庭用太陽光発電
こちらも学歴や実務経験など関係なく誰でも受験が可能です。
試験合格後の免状についてはどうでしょうか。
条件といたしましては、
①経済産業大臣認定の第二種電気工事士養成施設を、所定の単位を取得し修了した場合となりますので、実務経験に関わらず取得が可能です。
第一種電気工事士と比べると明らかに取得しやすいのが第二種電気工事となります。
それでは次に、電気事業登録の有効期限について説明していきます。
■有効期限
建設業許可なしの場合→有効期限は5年間です。有効期限が切れると新規の手続きをしなければなりませんのでご注意ください。
建設業許可ありの場合→建設業許可の有効期限が5年間ですので、こちらも5年ごとに建設業許可の更新するたび変更通知を提出しなければなりません。
つまり建設業許可の有無にかかわらず、電気事業登録の有効期限は5年間となりますのでご注意ください。引き続き電気工事業を営む場合には有効期限の30日前から満了日までに更新登録が必要です。
■まとめ
これを読んで電気事業登録に必要な資格や有効期限について、はっきりと理解することができたのではないでしょうか。電気事業登録をするには取得していなければならない資格があり、また登録後には有効期限がありますので更新をする際には手続きを行わなければなりません。
業務をやりながら他の許認可に関して調べる時間を作るのは事業主様にとっては難しい話だと思います。そのような際は、是非、専門家である行政書士へお気軽にご相談ください。