建設業で働く方や、公共工事の入札を今後受けたいと思っている建設業者の方は、経営事項審査は、どのような流れで進めていくのだろう?とお悩みの方も少なくないと思います。
今回は、そのような方に向けて、経営事項審査の流れについて詳しく解説していきたいと思います。
今回の記事を読んで、経営事項審査について詳しく理解することができれば、今後、公共工事の入札を行う際にも、メリットとなることが増え、事業プランなども計画しやすくなってくると思います。
■経営事項審査の流れはどのようになっているのだろうか?
それでは、まず初めに、経営事項審査を受けるには、どのような流れで行われているのか見ていきましょう。
【︎経営事項審査の流れについて】
経営事項審査を受ける際には、下記の手順で審査を受けなければなりません。
1.建設業許可を取得していること
2.決算日に財務諸表を作成する
3.事業年度終了届を提出する
4.経営状況分析の申請を行う
5.経営規模等評価申請を行う
6.総合評定値通知書を受け取る
これでは、これから内容を詳しくご説明します。
➀建設業許可を取得していること
まず、経営事項審査を受ける際に、必ず必要となってくるのが、建設業許可を取得していることです。
基本的に、経営事項審査は、どの建設業者でも受けることはできますが、大前提として、受ける為には、許可を取得しておかなければ、受けられません。
まずは、建設業許可を必ず取得しておきましょう。
申請から取得できるまでには、国土交通大臣免許となると、最低でも4ヶ月はかかってきます。
事前に、どのくらい前から準備したら良いかなどを、しっかりと把握しておきましょう。
➁決算日に財務諸表を作成する
経営事項審査を受けるには、まず決算日を終えてから、進めていく必要があります。
事業を行っている会社なら、必ず決算日があります。
決算日の数値をもとにして、決算後すぐに財務諸表を作成しましょう。
ここで、財務諸表の作成を後回しにしてしまうと、今後の審査を全て受けることができません。
➂事業年度終了届を提出する
ここで言う事業年度終了届とは、建設業の決算書のようなものです。別名、決算変更届とも言われており、事業年度が終了してから4ヶ月以内に、行政庁へ提出しなければなりません。
その年の工事経歴などを、記載して提出します。
ちなみに、この事業年度終了届は、建設業許可を取得している建設業者の方は、必ず全員必要となってくる書類となりますので、気をつけておきましょう。
➃経営状況分析の申請を行う
ここでは、経営状況について審査されます。
事業年度終了届をもとに、資料を作成して、国土交通省が認可している、民間の経営事項分析機関へ提出します。
この経営事項分析機関は、各都道府県にあるので、自ら選び申請を行いましょう。
分析機関によって、手数料や結果が通知されるまでの期間は異なります。
料金が安いからといって、無名の分析機関へ依頼してしまうと、廃業されるようなケースもありますので、できるだけその土地で名の知れた分析機関へ依頼することが、無難でしょう。
➄経営規模等評価申請を行う
ここでは、経営の規模や、社会保険等へ加入しているか、社会性など客観的に審査されます。
経営状況分析の結果が通知書として届きますので、こちらも一緒に提出しましょう。
提出先は、建設業許可を受けた行政庁となります。
大体、申請を受理してから約1ヶ月程度で、審査結果が届くようになっています。
➅総合評定値通知書を受け取る
この総合評定値通知書が、公共工事の入札には必要となる大事な通知書であり、➃➄の合計を点数で評価したものです。
この通知書は、いわゆる建設業の一年の通知表のようなもので、その企業を総合的に審査したものです。
経営規模等評価申請を行ってから約1ヶ月後、結果通知が届く場合が多いですが、状況によっては、自ら請求しなければ届きませんので、気をつけましょう。
■経営事項審査を終えたら?
無事、経営事項審査を終えたら、今度は公共工事入札に必要な、入札参加審査というものを受けなければ、入札には参加できません。
工事を、請け負いたい都道府県や市町村、省庁ごとに、申請を行いましょう。
また、小さな市町村に関しては、一年に一度しか申請を受け付けてない場合もありますので、受けたい工事などがある際には、事前に確認しておくことが、大切となります。
■まとめ
今回は、経営事項審査の流れについて、詳しく解説しました。
このような流れを経て、経営事項審査を受けることができ、その会社全体を様々な視点から見て、点数で評価されます。
評価されるということは、会社にとっても大切なことであり、経営事項審査を毎年受けて、実績を作ることで、評価の点数も上がってきます。
経営事項審査の流れや内容をよく理解して、公共工事の入札を続けていく場合には、毎年決算後に、経営事項審査を受け続けましょう。
その際に、手続きや内容について、何かご不明な点などございましたら、専門家である行政書士まで、お問い合わせください。