ものづくり補助金

ものづくり補助金は金型も対象になる?

製造業を営んでいる方が、新商品を開発したいと考えたり、新しい設備を導入したいと考えたときに、資金調達の手段として使えるのが「ものづくり補助金」です。

 

それでは、新しく金型を開発したいと考えたときにも、この「ものづくり補助金」は活用することができるのでしょうか?

 

ここでは、ものづくり補助金は金型も対象になる?という点について見ていきます。

 

結論として、金型はものづくり補助金の対象となるのですが、注意しなければならない点があります。まずは、ものづくり補助金の概要から見ていきましょう。

 

金型でものづくり補助金を申請する場合の注意点は?

中小企業・小規模事業者に該当しさえすれば、金型に使ったどのような経費でもものづくり補助金が受けられるというわけではありません。

 

ものづくり補助金は、あくまでも革新的な商品・サービスの開発や・生産プロセスの改善などを支援することを目的としていますので、例えば、これまで使っていた金型が古くなったから同じものを新調したいと考えたような場合は、革新的な商品の開発には当たりませんので、金型を新調するためにかかった費用はものづくり補助金の対象とはなりません。

 

また、ものづくり補助金の対象となる経費は以下のように定められており、これ以外は対象となりませんので、この点にも注意が必要です。

1)機械装置費
機械装置や専用ソフトウェア等の制作、購入、借用

2)技術導入費
事業遂行の為に必要な知的財産権等の導入

3)専門家経費
事業遂行のために招聘される専門家に支払われる謝礼や旅費

4)運搬費
運搬料、郵送等

5)クラウド利用費
クラウドコンピューティング利用

このように、対象となる費用には限定があります。

たとえば、これまでに世の中に出回っていないような新しい金型を開発したいといったケースや、金型を使ってこれまでにない新商品を開発したいというようなケースであれば、ものづくり補助金の対象となるでしょう。

 

このあたりの判断に迷ったら、専門家に相談してみるのもおすすめです。

 

ものづくり補助金申請手続きの流れ

ものづくり補助金の申請手続きは、以下のような流れで行います。

申請手続きの流れ

  • 事業計画書の作成
  • ものづくり補助金事務局に申請
  • 事務局の審査
  • 採択の通知
  • 補助事業の実施
  • 実施内容を補助金事務局に報告
  • 補助金の交付
  • 補助金交付後、5年間の継続事業状況報告

 

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といいます。

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が新しく機械を導入したり設備投資をしたいと考えたときに、それを支援することを目的として交付される補助金です。

 

対象企業・業種は?

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者の支援を目的としていますので、対象となる企業は当然、「中小企業・小規模事業者」です。大企業は含まれません。

この「中小企業・小規模事業者」とは、中小企業基本法によって以下のように定義されています。

 

①中小企業の定義

業種分類

中小企業基本法の定義

製造業、建設業、運輸業その他

資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業

資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

旅館業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が200人以下の会社及び個人

小売業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

その他サービス業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

 

②小規模事業者の定義

業種分類

中小企業基本法の定義

製造業その他

従業員20人以下

商業・サービス業

従業員 5人以下

このように、会社の規模に制限はあるものの、業種に限定はなく、すべての業種が対象となっておりますので、中小企業または小規模事業者に当てはまりさえすれば、金型を製造している会社もものづくり補助金の対象となります。

 

いかがでしたでしょうか

 

金型はものづくり補助金の対象にはなるが、どのような場合であっても補助金を受けられるわけではないことがわかってもらえたかと思います。

補助金についてお悩みの方は、専門家に相談してみるとよいでしょう。代行を依頼するための費用はかかりますが、自分でやる場合よりも許可可能性が高くなり、かかる時間、手間等も短縮が可能です。これらの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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