ものづくり補助金いついて調べてみると、「グローバル展開型」というものを目にします。
「お!うちではちょうど海外進出を考えているからちょうど良さそうだな」とその名前に食いついた方もいるかもしれません。
しかし、一言でグローバル展開型と言ってもその類型は4つに分かれています。
そこで、ここではグローバル展開型がどういったものなのか、どのような類型があるのか、といった点について簡単に説明をしていきます。
自社の取り組みがどの分類に該当するのか、というところを認識し、スムーズに手続きをすすめるためにも、あらかじめ内容を把握しておきましょう。
グローバル展開型とは
グローバル展開型とは2020年のものづくり補助金で新設された類型です。
ものづくり補助金のグローバル展開型をひとくくりに説明をすると、「インバウンドを含む海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資などを支援する補助金」と言え、内容としては、補助率はが小規模事業者が2/3その他の対象事業者が1/2となっております。
また、一般型の補助金額が100万円〜1000万円であるのに対して、グローバル展開型の補助上限額は3000万円と高く、一方の下限額も1000万円と高く設定されてることも特徴と言えます。
その他、対象経費としては次のようなものが含まれ、海外旅費が含まれているのはグローバル展開型ならではです。
<<グローバル展開型対象経費>>
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費
最後に特徴的な一般型と比較して少し違う点としては、補助事業実施期間が交付決定日から12ヶ月ということも挙げられます。
一般型は交付決定日から10ヶ月であり、なんだ、違うのはたったの2ヶ月?とお思いかもしれませんが、国内で完結する一般型での事業とはことなり、グローバル展開型では事業内容が複雑化することが考えられ、補助事業実施期間に、発注・納入・検収・支払のすべての手続きがに完了しないといけないことを考えると2ヶ月であっても大きな違いになります。
ここまででなんとなく、大規模な事業を想定しそうだなぁとイメージがつきますが、
単に「海外事業」と言っても、それだけではどういった内容なのかはよく分かりませんね。
そこで海外進出方法によって4つに分けられた事業類型をみることで、どのようなものが海外事業に当てはまるのか、を見ていきます。
ぜひ、自社はどれに当てはまるだろうかとイメージしながら読み進めてみて下さい。
グローバル展開型は4つの類型に分類される
① 海外直接投資型
既に海外に拠点を有している企業が対象になっており、日本国内の本社と海外子会社で製品・サービスの開発・提供体制の構築を行うことで国内拠点での生産性を向上させる、というものが対象になります。対象経費となるのは海外子会社等の機械装置・システム構築費などです。
② 海外市場開拓型
これは、国内拠点で海外向け製品さサービスを開発、それを海外顧客に対して販売し市場を開拓するといった取組があてはまります。グローバル展開型というだけあって、販売先の2分の1以上が海外顧客であることが条件になっています。また、申請時に海外市場調査報告書の提出が必要であったり、計画期間中の売上額が補助金額を上回る事業計画を策定しなければいけないといった厳しい要件が設定されています。
③ インバウンド市場開拓型
次にインバウンド市場開拓型ですが、これは名前の通り訪日外国人観光客(インバウンド客)に対しての市場開拓をするものです。イメージとしては②も③も顧客対象は外国人ですが②は市場が海外、③は市場が日本、という感じです。そのため、要件としても似ており、販売先の2分の1以上が訪日外国人であること、申請時に市場調査報告書の提出が必要であること、計画期間中の売上額が補助額を上回る事業計画を策定しなければいけない、となっています。
④ 海外事業者との共同事業型
最後の4つ目ですが、これは外国法人と共同研究、共同事業開発を行うという類型です。要件としては、国内に補助事業実施場所があり、成果物の権利(の一部)がその日本の補助事業者に帰属すること、があります。あくまで日本の企業のための補助金である、という姿勢が伺え知れる内容ですね。
さて、ここまでいかがだったでしょうか?
グローバル展開型の内容について、一般型との違いと、4つの類型について全体像がつかめたことと思います。
興味がある方は、ぜひ一度公募に目を通し、場合によっては専門家への相談も検討してみてください。