経営力向上計画

経営力向上計画でものづくり補助金の加点に!

企業を経営している方が、新商品を開発したいと考えたり、新しい設備を導入したいと考えたときに、資金調達に活用できるのが「ものづくり補助金」です。

 

このものづくり補助金の審査において、加点項目として挙げられているのが「経営力向上計画」です。

 

ここでは、経営力向上計画でものづくり補助金の加点に!というテーマについて説明していきます。

 

1.経営力向上計画とは?

経営力向上計画とは、中小企業や小規模事業者の経営力を向上させることを目的として、国が認定した中小企業等が税制や金融面でメリットを受けられるようにする制度のことをいいます。

 

この経営力向上計画の認定を受けることによるメリットの一つとして「ものづくり補助金の加点項目」という点が挙げられます。

 

ものづくり補助金は、毎年の予算が決まっており、その予算の枠の中から交付が決定されます。

そのため、公募要領の条件をみたして申請さえすれば採択されるというものではありませんので、少しでも採択される可能性を上げてから申請することが重要となります。

 

ものづくり補助金を申請する前にぜひ経営力向上計画の認定を受けておくようにしましょう。

 

2.経営力向上計画の申請の流れ

経営力向上計画の申請手続きは、以下のような流れで行います。

 

①「日本標準産業分類」で該当する事業分野を確認する」

経営力向上計画は、事業分野別の大臣が認定する制度になります。

そのため、まずは自社の事業分野がどの分野に該当するかを確認しましょう。

 

自社の事業分野は、認定申請書に記載する必要があります。

中分類(2桁の数字)と細分類コード(4桁の数字)と、それぞれの項目名を確認しておきましょう。

これらは以下のサイトから確認することができます。

政府統計総合窓口リンク

 

②事業分野に対応する事業分野別指針を確認する

自社の事業分野がどの分野に該当するかを確認できたら、当該事業分野の「事業分野別指針」に基づき計画を策定しましょう。

事業分野別の指針や基本方針は、以下で確認することができます。

「事業分野別指針」及び「基本方針」

 

③申請

申請書が完成したら、申請を行います。申請は、窓口に持参または郵送、電子申請もできます。申請してから30日程度で審査結果の通知がきます。

 

3.ものづくり補助金の要件は?

ここまでで経営力向上計画の認定を無事に受けることができたら、ものづくり補助金の申請手続きに入りましょう。

 

経営力向上計画の認定を受けることで加点項目にはなりますが、そもそものものづくり補助金の要件をみたしていなければ当然、採択はされません。

 

ものづくり補助金の対象企業となるためには、以下の2点をみたす必要があります。

 

1.中小企業または小規模事業者であること

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者を支援することが目的であるため、大企業は対象になりません。対象となるのは「中小企業または小規模事業者」です。

「中小企業・小規模事業者」は、法律で以下のように定められています。

 

①中小企業の定義

業種分類

中小企業基本法の定義

製造業、建設業、運輸業その他

資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業

資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

旅館業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が200人以下の会社及び個人

小売業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

その他サービス業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は
常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

 

②小規模事業者の定義

業種分類

中小企業基本法の定義

製造業その他

従業員20人以下

商業・サービス業

従業員 5人以下

このように、製造業であればすべてがものづくり補助金の対象となっているわけではなく、資本金の額が大きかったり、従業員の人数が多かったりすると対象になりませんので注意が必要です。

 

このように、業種によって会社の規模の制限が異なっています。

 

中小企業の資本金と従業員数の制限は、「又は」となっておりますので、どちらか一つをみたしていれば大丈夫です。たとえば、業種がその他サービス業で、資本金は5000万円以上であっても、常時雇用する従業員が100人以下であれば対象となります。

 

2.賃金引上げ計画を従業員に表明していること

ものづくり補助金の対象企業となるためには、賃金引上げ計画を従業員に表明している必要があります。
賃金引上げ計画には、以下の内容が含まれていなければなりません。

①事業計画が終了するまでに、従業員の給与支給総額を年率1.5%以上増加させること

②事業計画が終了するまでに、最低賃金を地域別最低賃金の+30円以上の水準にすること

③事業計画が終了するまでに、付加価値を年率平均3%以上増加させること
 付加価値=営業利益+人件費+減価償却費

これら3つをすべてみたす必要があります。

申請を行う時点で、これらを従業員に表明していることがわかる資料等を提出します。

 

いかがでしたでしょうか

 

経営力向上計画の認定を受けることで、ものづくり補助金の加点になることがわかっていただけたかと思います。

ものづくり補助金の申請についてお悩みの方は、専門家に相談してみるとよいでしょう。代行を依頼するための費用はかかりますが、自分でやる場合よりも許可可能性が高くなり、かかる時間、手間等も短縮が可能です。これらの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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