経営革新計画

経営革新計画

 

経営革新計画とは、中小企業の新たな取組(新商品や新サービスの開発、新たな販売方式の導入等)について、知事の承認を受けることで、様々な支援を受けられる制度です。代表的なメリットとしては、補助金審査での加点(例:2020年度ものづくり補助金)、特許料の半額、金融支援といったものがあります。また、「都道府県から承認を得た事業」という点で、対外的な信用度がアップするメリットもあります。

経営革新計画をはじめて知ったという方もいらっしゃると思いますが、多くのメリットのある経営革新計画を知っていただき、活用していただければと思います。

経営革新計画のメリット

経営革新計画を受けると、主には次のようなメリットがあります。

・補助金申請で加点となることがある

経済産業省管轄の補助金の審査において、経営革新計画を取得していると加点となる場合があります。例えば、2020年度のものづくり補助金においては、経営革新計画の承認があると審査で加点され、有利な取り扱いを受けることができました。

一つ注意が必要なのは、「どの補助金の加点となるか?」というのは、年によって変わる可能性があるという事です。ですので、経営革新計画による補助金加点をねらうのであれば、最新の公募要領を確認し、上手くスケジュール調整をして、補助金申請にのぞむ必要があります。

ちなみに、地方自治体独自の支援で、「経営革新計画取得者のみを対象とした補助金」といったものもあります。ですので、経営革新計画をお考えの場合は、ご自身の自治体の補助金もあわせてチェックしてみるとよいでしょう。

・資金調達面で優遇される

経営革新計画の承認をうけると、日本政策金融公庫等から低利融資を受けることが可能となります。具体的には、日本政策金融公庫の基準金利から0.65%ほど下がった特別利率での借入が可能となります(貸付利率は改定される場合があるため、日本政策金融公庫のホームページで最新利率をご確認ください)。

また、民間企業から融資をうける際につける信用保証協会の保証限度額も優遇されるようになります。具体的には通常の保証枠と同額の別枠保証を付けてもらうことができるようになります。

この様な金融支援ですが、「経営革新計画を受けたらからといって必ず借りられるわけではない」という点には注意が必要です。なぜなら、金融機関が融資するか否かについては、別途、金融機関での審査があるからです。

・特許料の減免制度がある

経営革新計画における技術開発に関する研究開発事業の成果について、特許出願を行う中小企業者(経営革新計画開始から計画終了後2年以内の出願が対象)は、特許関係料金が半額に軽減されます。具体的には、審査請求料と特許料(第1年~第10年分)が半額となります。

・対外的な信用がアップする

経営革新計画の承認を受けると、各都道府県のホームページに社名が公表されます。そのため、対外的な信用度がアップしますし、金融機関の融資審査においても一目おかれる傾向があります。

経営革新計画の申請対象

経営革新計画を申請することができるのは、中小企業に限られます(中小企業基本法2条に基づく業種ごとの資本金基準もしくは従業員基準を満たした企業)。
また、営業実績の要件もあります。具体的には、「直近1年以上の営業実績があり、この期間に決算を行っていること(税務署に申告済み)であること」が必要となります。

経営革新計画の承認を受けるための要件①(新事業活動に取り組む計画であること)

経営革新計画の承認を受けるためには、既存事業と異なる新事業活動に取り組む必要があります。ここでいう、「新事業活動」というのは、それぞれの中小企業において、新たな事業活動なのであれば、既に他社で採用されている技術や方式を活用するケースであっても原則として対象となります。

もっとも、同業の中小企業(地域性の高いものについては同一地域における同業他社)における当該技術・方式等の導入状況を精査し、「既に相当程度普及している技術・方式等の導入である」と判断される場合は、「新事業活動」の対象外となります。

また、「新事業活動」といえるためには次の5つのいずれかに当たる必要があります。

  • 新商品の開発又は生産
  • 新役務の開発又は提供
  • 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
  • 役務の新たな提供の方式の導入
  • 技術に関する研究開発及びその成果の利用

なお、単に生産力を増強するための工場の拡張や設備の更新、営業所の増設などでは「新事業活動」には該当しません。こういった事項に加え、新生産方式や新たな販売方法を導入し、生産の効率化や新たな販路の開拓などの取組を行わないと、新事業活動とは認められません。

経営革新計画の承認を受けるための要件②(経営の相当程度の向上を達成できる計画であること)

経営革新計画は、「経営の相当程度の向上」を達成する計画でなければなりません。ここでいう「経営の相当程度の向上」というのは、次の2つの指標が目標伸び率に達成することをいいます。

・指標1(「付加価値額」又は「一人当たりの付加価値額」の伸び率)
 3年計画→9%以上
 4年計画→12%以上
 5年計画→15%以上
 ※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費 ※一人当たりの付加価値額=付加価値額÷従業員数

・指標2(「給与支給総額」の伸び率)
 3年計画→4.5%以上
 4年計画→6%以上
 5年計画→7.5%以上
 ※給与支給総額=役員並びに従業員に支払う給料、賃金及び賞与+給与所得とされる手当

経営革新計画の申請の流れ

経営革新計画の申請は、都道府県が受付となります。都道府県によって手続きの流れが異なりますので、まずはご自身が申請される都道府県のホームページにて申請方法を確認しましょう。

ちなみに、申請前の事前相談が必要であったり、受付に至るまでに数回の訪問と申請書の修正が必要となるケースが多いです。ですので、時間的余裕をもって申請されることをおすすめします。なお、申請から結果が出るまで約2か月程度はかかります。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

【さむらい行政書士法人】代表 / 行政書士

小島 健太郎 (こじま けんたろう)

プロフィール

2009年 行政書士登録、個人事務所を開設
2012年 個人事務所を法人化。「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援、許認可申請、外国人在留資格

書籍

『経営者のための日本政策金融公庫の活用ガイド』(セルバ出版)

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