経営革新計画

経営革新計画と経営力向上計画の違いと比較

 

補助金について調べていると「経営革新計画」、「経営力向上計画」といったワードを目にすることが多々あるかと思います。

 

しかし中には「名前がよく似ているし、どちらもいろんな恩恵を受けられるみたいだし、よくわからない」という方も多いのが現実かと思います。

 

そこでここでは、経営革新計画と経営力向上計画の違いについて簡単に説明をしていきたいと思います。

 

新規事業か既存事業か、目的が違う

手っ取り早く2つの違いを把握するのであれば、対象が「経営革新計画=新規」、「経営力向上計画=既存」という分け方をしても良いかもしれません。

 

そもそも、それぞれの計画は何を指しているのか?というと、

 

「経営革新計画は、中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書です。 計画策定を通して現状の課題や目標が明確になるなどの効果が期待できるほか、国や都道府県に計画が承認されると様々な支援策の対象となります。」(東京商工会議所HPより引用)

 

「経営力向上計画」とは、人材育成や財務内容の分析、ITの利活用、生産性向上のための設備投資等、中小企業者等の経営力を向上するために実施する計画です。

経営力向上計画の認定を受けた中小企業者等は、税制や金融の支援措置等を受けることができます。」(関東信越厚生局HPより引用)

 

という風に説明されています。

 

要するに、経営革新計画は新しいことにチャレンジする、経営力向上計画は既存のものの改善に取り組む計画ということで、それぞれの目的に違いがあるのが分かります。

 

なるほど、目的が違うのか、と分かったのは良いのですが、これらは目的が違うだけの瓜二つの制度という訳ではありません。

 

実は経営力向上計画の「新事業活動」というのが経営力向上計画とは異なり、大きなハードルとなります。

 

説明の通り、経営革新計画は中小企業が新事業活動に取り組み、付加価値や利益の向上を図ることを目的に策定されるものです。そのため、申請の際にはその取組にどのような革新性があるのか、という点を説明する必要があり、既存事業の範囲内の商品やサービスの開発などは対象になりません。

 

新規性とはどういうことかというと、まず自社にとって初めての取り組みであり、「日本初の〜、業界初の〜」といった目新しさも求められます。

 

一方、経営力向上計画は現状を見直しテコ入れを行うことで経営力を向上させるという目的ですので、革新性や新規性は問われず、申請の際にも革新性・新規性については説明の必要はありません。

 

目的が違えば支援も違う

ここまでで、そもそもの制度の目的が違うこと、それにより申請時に説明が必要なことが違うことが分かりました。

 

実はこの2つの計画にはもう一つ大切な違いがあります。

それは、計画認定後に受けられる支援の内容が異なるという点です。

 

まず、経営革新計画の認定を受けると、次のような支援を受けることが出来ます。

 

保証・融資

信用保証の特例、日本政策金融公庫の特別利率による融資、高度化融資制度、食品流通構造改善促進機構による債務保証

 

海外展開に伴う資金調達

スタンドバイ・クレジット制度、中小企業信用保険法の特例、日本貿易保険による支援措置

 

投資・補助金

企業支援ファンドからの投資、中小企業投資育成会社からの投資、ものづくり補助金などの優遇措置

 

販路開拓

販路開拓コーディネート事業、新価値創造展への出展優遇

 

特許関係

特許関係料金減免制度

 

「経営革新計画進め方 ガイドブック」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/pamphlet/2020/download/200325Keieikakushingb.pdf

 

次に、経営力向上計画では次のような支援措置を受けることが出来ます。

 

・生産性を高めるための設備を取得した場合、 中小企業経営強化税制(即時償却等)により 税制面から支援 Ø

・計画に基づく事業に必要な資金繰りを支援 (融資・信用保証等)

・認定事業者に対する補助金における優先採択

・他社から事業承継等を行った場合、不動産の権利移転に係る登録免許税・不動産取得税を軽減

・業法上の許認可の承継を可能にする等の法的支援

 

「経理力向上策定の手引」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/pdf/tebiki_keieiryoku.pdf

 

全体的に見た印象としては、経営革新計画では新事業活動の支援ということで、金融・販路開拓といった部分の支援が手厚く、一方の経営力向上計画は既存事業の改善といったところから、守備範囲が広いという風になっています。

 

ちなみに、両者共通している補助金における優遇措置として例を上げると、経営力向上計画はものづくり補助金の加点項目として例年カウントされています。しかし今年度は経営力向上計画に変わって経営革新計画が加点項目となっています。

 

と、このように経営革新計画と経営力向上計画は似て非なるもの、ということがおわかり頂けたかと思います。

 

そもそもの目的が違いますので、その支援策も目的に沿って異なるということです。

 

もし、具体的にどういった事例が認定を受けられるのか、といったところまで興味がある方は、中小企業庁HPの事例集を見てみて下さい。

 

経営革新計画事例

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/jirei/jirei.html

経営力向上計画事例

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2016/161011kyoka.htm

 

もし自社にとって最適な計画や、補助金申請を有利にするためにはどっちの認定を受けたら良いか分からない!という方はぜひ専門家への相談も検討してみて下さい。

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

【さむらい行政書士法人】代表 / 行政書士

小島 健太郎 (こじま けんたろう)

プロフィール

2009年 行政書士登録、個人事務所を開設
2012年 個人事務所を法人化。「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援、許認可申請、外国人在留資格

書籍

『経営者のための日本政策金融公庫の活用ガイド』(セルバ出版)

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