「旅費」は、小規模事業者持続化補助金の対象経費となるのでしょうか?
結論から言うと、小規模事業者持続化補助金の目的に沿った事業に使われる旅費は補助対象の経費となります。
しかし、旅費といっても範囲が広いように思えますね。
ここでは、そもそも小規模事業者持続化補助金がどのような経費を補助対象としているのか、というところから対象になる旅費の範囲についても見ていきましょう。
対象の経費は13種類
そもそも、小規模事業者持続化補助金とは、
小規模事業者が、
働き方改革や、賃上げ等の制度変化に対応し事業を継続可能にするために、
生産性向上のために地道な販路開拓や業務効率化のために事業計画を策定し、
国がその取組のための経費を一部補助するもの、です。
それを踏まえて、
小規模事業者持続化補助金の補助対象となる経費を見てみます。
①機械装置等費
例)新商品のための陳列棚を購入
②広報費
例)販促用チラシの作成
売上管理業務効率化のためPOSレジソフトウェアを導入
ネット販売システムの構築
③展示会等出展費
例)国内外の展示会や見本市への出展
国内外の商談会への参加
④旅費
例)展示会や商談会への参加のための旅費
⑤開発費
例)新商品の開発
⑥資料購入費
例)新商品の開発のため参考資料の購入
⑦雑役務費
例)チラシのポスティング や、イベントのアルバイト代
⑧借料
例)商品のPRイベント会場の賃料
⑨専門家謝金
例)業務改善のための専門家コンサル費
⑩専門家旅費
例)外部専門家招聘のための旅費
⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)
例)業務効率改善等に伴う不要な設備の廃棄費用
⑫委託費
例)新商品開発のための成分分析を外部機関に外注
⑬外注費
例)店舗の改装(不動産の購入・取得は対象外)
ざっとこのようなものが対象経費として認められます。
販路開拓等のために必要な出張に係る旅費は対象
先程の対象経費一覧からも分かるように、旅費として経費になるのは、販路拡大・PRを目的とした国内外の展示会や商談といった、小規模事業者持続化補助金の目的に即した取り組みに必要となる旅費です。
また、その他にも新しい製品を開発するための調達や調査のための旅費や、新商品開発や販路開拓等のために招聘した専門家にしはらう交通費、といった使われ方がされます。
一言で旅費と言っても、勝手に解釈をして補助対象となる「旅費」にするわけには行きません。例えば、近場の営業活動に使う交通費については、通常の営業活動のための経費であるとみなされるため、補助金の対象外となります。
あくまで、上記のような必要性のある展示会出店などのための出張の旅費が対象となることをおさえておきましょう。
対象となる旅費、ならない旅費
対象となる |
対象とならない |
---|---|
・国内/国外を問わず、展示会への出展や新製品開発のために必要な現地調査といった、販路開拓の目的のための取り組みにかかる交通費実費(公共交通機関) ・販路開拓や、新商品開発、ブランディングなどのために指導・助言をしてもらう専門家の招聘にかかった旅費実費(公共交通機関) |
・左記の販路開拓とは関係ない、通常の営業のための交通費 ・公共交通機関以外の交通費実費(自家用車、タクシー、レンタカー、およびこれらのガソリン代、高速料金等) ・新幹線等のグリーン車や飛行機のビジネスクラス利用料など、不必要なアップグレード |
さてここまで読んでいかがだったでしょうか?
これで「旅費」が小規模事業者持続化補助金の対象経費であるということはご理解いただけたことと思います。
ただし、全ての交通費が対象となるわけではないということも確認しておきましょう。
あくまで対象となるのは、販路開拓のための展示会出店のために必要な交通費実費や、専門家に支払う交通費実費といった、どうしても必要な出張にかかる費用です。
また、補助金の対象となるには、公共交通機関のグレードアップをしていないものである必要があります。
補助金の対象になるだろう、とグリーン車に乗ったり、タクシーに乗ったり、はたまたガソリンを自家用車に入れてしようしても、補助金対象の経費にはなりませんのでご注意下さい。
もし、こんなことをしたいけれど、これにかかる旅費は小規模事業者持続化補助金の対象になるのだろうか?といった疑問をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ、行政書士の専門家に相談するなどして疑問を解消し、積極的に補助金の利用を検討してみて下さい。