補助金の公募要領を見ていると、経営力向上計画というワードを目にすることがあると思います。
読んで字のごとくな計画なんだろう、と予想は付きますが、実際にその内容まで理解している人は少ないのではないでしょうか?
ここでは、経営力向上計画が補助金とどのような関係なのかという点や、そもそも経営力向上計画とはどういったものかという点についても簡単に説明をしていきます。
経営力向上計画の認定を受けていると補助金審査で加点になる
まず経営力向上計画と補助金の関係について結論を言ってしますと、経営力向上計画の認定を受けているとそのことが一部の補助金の審査で加点項目として加点されることになっています。
そもそも補助金の審査は事業計画等申請の内容と加点項目によって計算される点数で採択の合否が決まります。
このうち加点項目は、基準を満たせば評価に関係なく必ず加点されるものとなっています。
例えば、直近年度の小規模事業者持続化補助金では、政策加点項目として「基準日までに経営力向上計画の認定を受けていること。」と明記されています。
また、ものづくり補助金においても、今年の加点項目からは外れましたが、昨年度では「自社が有効な期間内の経営力向上計画の認定を応募申請時に受けている(認定申請中を含む)」のように経営力向上計画が加点項目に入っています。
つまり、予め経営力向上計画の認定をうけていれば補助金の申請が有利になり採択を受けやすくなる、ということです。
なるほど、経営力向上計画の認定を受けていれば良いことがあるんだな、、となんとなく分かったところで、次は経営力向上計画の認定を受ける、とはどういうことかについても見ていきます。
そもそも「経営力向上計画」とは
そもそも経営力向上計画とは、中小企業等の経営力向上のための支援の1つです。
内容としては中小企業・小規模事業者が、人材育成、コスト管理のマネジメントの向上、設備投資などの経営力向上のための事業計画(経営力向上計画)を策定し、これを事業分野ごとの提出先に提出、認定を受けることで税制や金融の支援等を受けられるようになる、というものです。
噛み砕いて言うと、経営力向上のためにこんなことをします、という計画を国に認めてもらえれば、国からいろんな優遇をしてもらえる、という制度となっています。
以下が、その受けられる支援です。
- 固定資産税の軽減
- 経済産業省所管の補助金で加点
- 低利融資が受けられる
- 信用保証協会の保証枠が増える
前の章で説明をした補助金審査の際の加点というのはこの支援の中の1つで、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金など、みなさんも耳にしたことのあるようなメジャーな補助金の申請で審査時に加点されます。
経営力向上計画の全体像
経営力向上計画の認定までの流れ
最後に経営力向上計画の認定までの大まかな流れを見ていきます。
補助金のように、経営力向上計画の対象となる企業にも規模の制限がありますが、ここでは対象事業者であることを前提に話を進めていきます。
(0)事業分類の確認
事業計画を策定する前に、事前準備として「日本標準産業分類」に基づいて自社の事業分野を確認しなければなりません。
(https://www.e-stat.go.jp/SG1/htoukeib/TopDisp.do?bKind=10)
(1)事業計画の策定
次に、事業計画は定められた「基本指針」に沿って行われますが、事業分野ごとに定められた「事業分野別指針」がある場合は、その指針に合うような内容で計画策定をする必要があります。(http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kihonhoushin.html)
ここでは、士業などの支援機関のサポートを受けることも可能ですのでぜひ活用しましょう。
(2)経営力向上計画の申請
事業分野によって担当の役所が異なりますので、それぞれの事業分類にあった提出先に申請をすることとなります。(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2019/190401jiigyouteisyutu.xlsx)なお、申請は紙面の提出でも電子申請でも受け付けられます。
(3)認定
そして最後に、無事に計画が認定されると、主務大臣から計画認定書と計画申請書の写しが交付 され、計画の実施へと進みます。(期間は、申請から認定まで約30日〜45日)
さて、ここまでいかがだったでしょうか?
簡単にまとめると、経営力向上計画は国に経営力向上のための取り組みについての計画を認定してもらうことで何かとメリットがあります。
そしてそのメリットの中の一つに、補助金の審査での加点項目になるという関連性があります。
補助金の採択率をあげるためにまた違う申請をしないと行けないのか、、と頭の痛い話ですが、経営力向上計画の認定申請から補助金の申請までトータルで行う専門家もたくさんあります。
ぜひ一度相談をしてみて、信頼のできる専門家にサポートを依頼してみましょう。