歯科医院を経営されている方の中にも、IT導入補助金という言葉を聞いたことがあるという方もいらっしゃると思います。ただ、歯科医院でも使うことができるのか、使えるのであればどんな使い道があるのかがわからないという方が多いのではないでしょうか。
今回は、歯科医院でも活用できるIT導入補助金とは、という疑問にお答えしていきたいと思います。
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が生産性を向上するためにITツールを導入する際に受けることができる補助金のことを言います。
IT導入支援事業者として登録されている会社から、あらかじめ登録されているITツールを購入する場合に、その費用の1/2を最大450万円補助してもらえます。
医療法人の場合、常時使用する従業員の数が300人以下であれば、この補助金を利用することが可能です。
活用方法
1、電子カルテツールの導入
電子カルテツールを導入することで、患者情報やカルテを電子化することができ、検索によってスムーズに情報を引き出すことが可能になり、スタッフの負担を減らし、患者さんを待たせる時間も短縮することができます。
また、紙での保存では紛失のリスクもありましたが、電子カルテはデータの保存や管理も容易になり、セキュリティを高める効果もあります。
さらには、電子カルテによって患者様を管理することで、オンラインでの予約受付や検査データとの紐づけ、診療報酬計算やレセプト管理のIT化といった可能性も広がってきます。
手書きでのカルテ作成にこだわりがある場合でも手書き入力ができるツールを導入する等、ご自身のクリニックにあったツールを導入することで業務効率化や生産性の向上・売上向上を図ることが可能です。
歯科医院では、レントゲン等の検査機器を電子カルテと連動させたり、家族で通ってくれている患者様のご家族それぞれのカルテを結びつけて家族全体の歯の健康をサポートしていくこともできるようになります。
2、在庫管理ツールの導入
診療に欠かせない医療機器や薬品・消耗品等の在庫を切らすことは許されません。
ただ、種類も多いこれらの在庫管理はとても煩雑で、紙での管理には手間とまた、その紙を保管しておく場所も必要です。
そこで、在庫管理を自動化・効率化するツールを導入することで、タブレットやパソコンでいつでも在庫を把握でき、また在庫が規定以下になった場合には自動的に発注までしてくれるような環境を作ることができます。
そうすることで、スタッフの手間を減らし、効率化できます。
3、レセプト処理ツールの導入
これまでIT導入補助金を活用した医療関係者の多くが導入したいと考えていたツールのひとつが、レセプト処理ツールです。
間違えが許されず、手間と時間がかかるこのレセプト業務をITツールに頼ることで、大幅に作業時間を削減することができ、また計算の正確性も上がります。
電子カルテや点数計算の情報と連動させることで大幅な効率化が期待できます。
いかがでしたでしょうか。今回は、歯科医院でも活用できるIT導入補助金とは、という疑問ついてお答えさせていただきました。事業主の方にとって、経営判断をする際には補助金というのはとても重要な判断材料になるものと思います。補助金を活用することで事業を発展させていくこともできますので、活用することをお勧めいたします。
もし補助金申請について難しいと感じるような場合には、行政書士等専門家のサポートを受けることで手続きを円滑に、確実に進めることができます。依頼するための費用は補助金の内容により数万円~十数%程度かかりますが、自分自身でする場合の時間や手間、そもそも自分自身できるのかどうか等の要素を比較しながら、利用を検討してみてください。