IT導入補助金のおもてなし認証とは？

中小企業や小規模事業者の方が、業務の生産性を上げるために新しいITツールを導入したいと考えたとき、資金繰りの手段として使えるのが、「IT導入補助金」です。このIT導入補助金の申請をするにあたり、「おもてなし認証」という用語を聞いたことはないでしょうか？

ここでは、IT導入補助金のおもてなし認証とは？というテーマについてみていきます。

１．IT導入補助金とは？

「IT導入補助金」とは、中小企業や小規模事業者が業務効率化・売上アップのために、ITツールを導入しようと考えたときに、その導入費用を補助する目的で給付される補助金です。

補助金の金額は、ITツールの導入費用の２分の１、最大で４５０万円となっております。（補助率が最大４分の３になる特別類型もあります）。

２．おもてなし認証とは？

おもてなし認証は、正式名称を「おもてなし規格認証」といいます。

オリンピックに向けて増加する訪日観光客へのサービス向上を目的として、日本全体のサービス産業の底上げのために2016年からスタートした認証制度です。

おもてなし規格認証には、下の図のように「紅」「金」「紺」「紫」の4種類があり、「紅」がもっとも低く「紫」が最も高い評価となっています。

「紅」は簡単な要件を満たしてさえいれば無料で取得することができます。

これに対し、「金」「紺」「紫」は認証機関の審査を受けて認められた場合にのみ取得することができます。

認証を受けるためには審査料と認証料がかかり、認証を維持するための更新料もかかってきます。

おもてなし規格認証の対象は、旅館やホテル、飲食店などのほか、顧客に対してホスピタリティサービス業務を行う事業者が含まれています。

病院やクリニック等の医療施設や風俗営業などは対象外となっています。

３．IT導入補助金との関係は？

このおもてなし認証を受けていることで、IT導入補助金を申請する際に加点対象となり、より高い補助金額や補助率での採択を受けられる可能性がありました。

ところが、２０２０年のIT導入補助金においては、この「おもてなし規格認証」の文字は出てきません。コロナウィルスの影響でオリンピックが中止になったことに伴い、おもてなし規格認証の目的である「訪日外国人客へのサービスの向上」という要素を実現しにくくなったことが一因かもしれませんが、今後はまたおもてなし認証を取得していることがIT導入補助金を受ける上での加点対象となるのかどうかも未定ですので、その年度の実施要領を注意して見るようにしましょう。