IT導入補助金とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構により審査・採択される補助金で中小企業、小規模事業者の方がITツールを導入した際の、導入経費の一部を補助するものです。中小企業・小規模事業者のIT導入を活性化させ、生産性を向上することを目的と補助金になります。
ITツールって何?と思われる方もいるかと思いますが、簡単に言うと、ソフトウエアとその導入に伴う付帯サービスのことを言います。ITツールを新たに活用して事業の生産性を向上させていくことを目的とした補助金です。
では、過去にIT導入補助金を申請し、実際にIT導入補助金を受け取った事業者様はどのようなことをしているのでしょうか?
IT導入補助金の導入事例をご紹介していきます。
宿泊業を営むA社さん (法人)
(IT導入動機)
新規ホテルを開業することになり、業務量や人員が増えたことにより、業務の効率化・合理的なソフトウエアへの切り替えを検討したことがきっかけでした。
従来より会計システムや給与計算ソフトは使用していたが、異なる会社のシステムだったので、仕分データ等の連動性が悪く効率が悪かった。また伝票類の枚数も多かったので、これらの作業や管理を効率的に行うためにIT導入を検討した。
(取り組み)
・クラウド会計システムの導入
・給与計算ソフトの刷新
(効果)
会計システムと給与計算ソフトとの連動制が飛躍的に改善し、生産性25%向上を達成した。
小売業を営むB社さん(法人)
(IT導入動機)
業務拡大に伴う従業員の増加が給与計算業務の負荷を増加させたのと、拠点が増えたことによる勤怠管理も負荷が増えて、業務効率化を検討したのがきっかけになる。
もともと、パソコンのエクセルソフトで勤怠管理を行っていたが、データ入力作業に時間がかかっていた。また従業員の給与計算も同様。そのため効率化ができるITツールを模索。
(取り組み)
・人事管理と給与計算のシステムを導入
(効果)
従来のタイムカードによる勤怠管理と給与管理システムを連動させ、勤怠データの入力が自動化することができるようになり、今までと比較して大幅に作業時間が短縮できるようになった。そのことにより従業員の勤務時間を導入前と比較して2.8%短縮することができた。
建設業を営むC社さん(法人)
(IT導入動機)
顧客に対しての提案の際には、建設物の完成イメージや間取り、図面等の資料のを見せながら提案するのが通常となる。従来は2次元の建築ソフトを使用していたが、それらの資料を事前準備するためには時間がかかるうえ、一度作成しても顧客の要望により提案内容の変更がある場合はその都度時間を要していた。
これら一連の作業の高度化、迅速化とともに社内の従業員の作業負担提言という課題に対してIT導入を検討。
(取り組み)
・3次元CADの導入。
導入に当たっては、建築設計提案効果、間取図作成、操作性等を複数メーカーの物と比較検討をした。
(効果)
3次元で鮮やかな建築物の外観・内装のイメージが従来の物と比較しても伝わりやすくなり、顧客満足度と顧客提案力が向上した。また従業員の作業負担も大幅に改善され、IT導入前と比較して生産性が31%も向上した。
医療クリニックを営むDさん(個人事業主)
(IT導入動機)
患者さんの増加により、それまで使用していた紙ベースのカルテの保管スペースが課題になったため、カルテの電子化を検討。
カルテの保存期間は5年間で、保存期間を超えたカルテは破棄していました。そのため、過去の情報を確認できないこともあり問題となっていた。また診察を予約制にしたため、紙ベースのカルテを元に予約管理を行うと作業工数がかかり、業務効率が悪かったため、その解決手段としてIT導入化を検討したのがきっかけ。
(取り組み)
・クラウド型電子カルテシステムの導入
(効果)
カルテが電子化されたことで、過去の診察履歴もすぐに確認できるようになり、電子データでカルテが保存できるため保存スペースも問題も解決した。予約を受け付ける際も過去のカルテを探す工数も激減したため生産効率も大幅にUPした。
また、クラウドにすることで今まで医療スタッフが紙カルテをもって行き来していたのをパソコンやタブレットがあればどこでもカルテが確認できるようになったので、スタッフ同士の連携も今まで以上に迅速に図ることができるようになった。
以上がIT導入補助金を申請し、実際にITツールを導入し、補助金を受け取った方の導入事例になります。
このようにIT導入補助金を使用して、生産性の向上を成功させておられる事業者様は個人、法人問わず大勢お見えになります。
事業の効率や生産性に問題を抱えている事業者さんは一度IT導入補助金の申請を検討してみてはいかがでしょうか?