高度人材外国人が永住権を申請する方法|ポイントや手続き方法を解説
高度人材外国人の方、またはこれから在留資格「高度専門職」の手続きを検討している方の中には、
「永住権は取得できる?」
「高度人材ポイントの計算方法は?」
「手続きの方法は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
高度人材に認定された外国人の方は、永住権の手続きを有利に進められます。
この記事では、高度人材外国人の方が永住権を取得する方法を紹介します。
ぜひ、最後までお読みください。
高度人材外国人とは
ここでは、高度人材外国人の概要について見ていきましょう。
専門的な技術や知識をもつ外国人
高度人材とは、高度人材ポイント制により認定された専門的な技術や知識をもつ外国人を指します。
高度人材ポイント制は、外国人の能力をカテゴリーごとにスコアを付けて、評価するシステムです。
スコアの計算方法については後述するので、ぜひ参考にしてください。
高度人材に認定された人は、下記の在留資格を取得できます。
● 高度専門職1号
活動内容に応じて、イ(高度学術研究)・ロ(高度専門・技術)・ハ(高度経営・管理)の3種類に区分されます。
● 高度専門職2号
取得が可能なのは、上記の1号で3年以上活動をしていた人です。
高度外国人材に認定されると優遇措置が受けられる
高度人材に認定されると、下記の優遇措置が受けられます。
幅広い分野で活動できる
通常、在留資格の種類と活動はリンクしているので、取得した在留資格の範囲内の活動しかできません。
一方、高度人材は、複数の範囲をまたがるような、幅広い分野での活動が可能です。
在留期間が「5年」と長く、更新もできる
高度人材は、法律における最長の在留期間である「5年」が一律で付与されます。
加えて、更新も可能です。
高度専門職2号は、無期限の在留期間が得られます。
配偶者が就労できる
通常、配偶者が働くには、就労系の在留資格が必要です。
就労系の在留資格は、学歴や職歴などの要件を満たさないと取得ができません。
一方、高度人材の配偶者は、学歴や職歴を問わず働けます。
親が帯同できるケースがある
高度人材の人は、一定のケースで要件を満たせば、親を呼び寄せられます。
親の呼び寄せが可能なケースは、下記のとおりです。
- ● 高度人材外国人または配偶者の7歳未満の子どもを養育する
- ● 高度人材外国人の妊娠中の配偶者、または妊娠中の高度人材外国人のサポートなどをする
要件は、下記のとおりです。
- ● 世帯年収800万円以上
- ● 高度人材外国人と同居する
- ● 高度人材外国人または配偶者のどちらかの親に限る
入国や在留手続が優先的に処理される
高度人材の人は、入国や在留手続きの際に優先的に処理が行われます。
処理期間の目安は、下記のとおりです。
- ● 入国事前審査:手続き受理から10日以内
- ● 在留審査:手続き受理から5日以内
永住許可要件が緩和される
高度人材の人は、永住許可申請の要件が緩和されます。
通常、永住許可を申請するには、10年以上日本に在留しなければなりません。
高度人材の人は、居住期間の要件が短縮されるので、通常よりも短い期間で永住許可の手続きが可能です。
永住許可の要件の緩和については後述するので、ぜひ参考にしてください。
高度人材ポイントで70点以上必要
高度人材になるためには、高度人材ポイント制で70点以上を獲得しなければなりません。
高度人材ポイント制は、高度人材の受け入れを促進するために導入された評価システムです。
ポイント制では、外国人の方の「学歴」「職歴」「年収」などカテゴリーごとに評価し、それぞれにスコアを付けます。
トータルのスコアで70点以上を獲得すれば、高度人材に認定される仕組みです。
高度人材ポイントの計算方法
高度人材の活動内容を下記の3つに分類し、各活動の特性に応じてカテゴリーごとにスコアを付けて、トータルのスコアで評価します。
トータルで70点以上を獲得すれば、高度人材に認定されます。
●1. 高度学術研究活動(1号:イ)
●2. 高度専門・技術活動(1号:ロ)
●3. 高度経営・管理活動(1号:ハ)
評価されるカテゴリーは、下記のとおりです。
● 学歴
1号イおよび1号ロに当てはまる人は、下記の表を参考にしてください。
|
学歴 |
スコア |
|---|---|
|
博士号取得者 |
30 |
|
修士号取得者 |
20 |
|
大学を卒業、またはこれと同じレベル以上の教育を受けた人 |
10 |
|
複数の分野で博士号・修士号・専門職学位がある人 |
5 |
1号ハに当てはまる人は、下記の表を参考にしてください。
|
学歴 |
スコア |
|---|---|
|
博士号または修士号取得者 |
20 |
|
大学を卒業、またはこれと同じレベル以上の教育を受けた人 |
10 |
|
複数の分野で博士号・修士号・専門職学位がある人 |
5 |
※1号ロまたは1号ハで、経営管理に関するMBA・MOTなどの専門職学位がある人は、別途5点の加点があります。
● 職歴
職歴の獲得スコアは、下記の表のとおりです。
|
年数 / 活動内容 |
1号イ |
1号ロ |
1号ハ |
|---|---|---|---|
|
10年〜 |
ー |
20点 |
25点 |
|
7年〜 |
15点 |
15点 |
20点 |
|
5年〜 |
10点 |
10点 |
15点 |
|
3年〜 |
5点 |
5点 |
10点 |
職歴年数にカウントできるのは、就く予定の業務に関わる実務経験に限るため、注意しましょう。
● 年収
ここで言う年収とは、主たる受入機関から受ける賞与を含む報酬の年額です。
海外の機関から転勤している人は、当該機関からもらう報酬を年額に算入できます。
1号イおよび1号ロに当てはまる人は、年齢に応じて獲得スコアが異なります。
|
年収 / 年齢 |
〜29歳 |
〜34歳 |
〜39歳 |
40歳〜 |
|---|---|---|---|---|
|
1,000万 |
40点 |
40点 |
40点 |
40点 |
|
900万 |
35点 |
35点 |
35点 |
35点 |
|
800万 |
30点 |
30点 |
30点 |
30点 |
|
700万 |
25点 |
25点 |
25点 |
ー |
|
600万 |
20点 |
20点 |
20点 |
ー |
|
500万 |
15点 |
15点 |
ー |
ー |
|
400万 |
10点 |
ー |
ー |
ー |
1号ハに当てはまる人は、下記の表のとおりです。
|
年収 |
スコア |
|---|---|
|
3,000万〜 |
50 |
|
2,500万〜 |
40 |
|
2,000万〜 |
30 |
|
1,500万〜 |
20 |
|
1,000万〜 |
10 |
● 年齢
1号イおよび1号ロに当てはまる人は、下記の表を参考にしてください。
1号ハの人は、年齢によるスコアはありません。
|
年齢 |
スコア |
|---|---|
|
〜29歳 |
15 |
|
〜34歳 |
10 |
|
〜39歳 |
5 |
● 研究実績
研究実績でスコアの獲得が可能なのは、1号イおよび1号ロに当てはまる人です。
|
研究実績 / 活動内容 |
1号イ |
1号ロ |
|---|---|---|
|
特許の発明:1件〜 |
20点 |
15点 |
|
入国前に公的機関からグラントを受けた研究に就いていた実績:3件〜 |
20点 |
15点 |
|
研究論文の実績について、日本の機関で利用される学術論文データベースに登録されている学術雑誌に載っている論文:3本〜 ※申請者が責任著者であるものに限る |
20点 |
15点 |
|
上記の実績におけるものと同じレベルの研究実績があるとアピールする場合、関係行政機関の長の意見を聴いた上で、法務大臣が個別にスコアを与えるか判断 |
20点 |
15点 |
● そのほかのボーナス
上記のカテゴリー以外には、下記のボーナススコアがあります。
|
内容 |
スコア |
|---|---|
|
地位 ※スコアの獲得が可能なのは、1号ハの人です。 |
代表取締役、代表執行役:10 取締役、執行役:5 |
|
職務に関わる日本の国家資格(1つ5点) ※スコアの獲得が可能なのは、1号ロの人です。 |
10 |
|
イノベーションを促進するための支援措置 ※働く機関が中小企業の場合は、別途10点を獲得できます。 |
10 |
|
試験研究費等比率が3%超の中小企業で働く |
5 |
|
職務に関わる外国の資格など |
5 |
|
日本の高等教育機関において学位を取得 |
10 |
|
日本語能力試験N1、または外国の大学において日本語を専攻して卒業した人 ※BJT480点以上の人もOK |
15 |
|
日本語能力試験N2 ※BJT400点以上の人もOK |
10 |
|
成長分野にるける先端的事業に就く人 |
10 |
|
法務大臣が告示で定める大学を卒業した人 |
10 |
|
法務大臣が告示で定める研修を修了した人 |
5 |
|
経営する事業に1億円以上の投資をしている人 ※スコアの獲得が可能なのは、1号ハの人です。 |
5 |
|
投資運用業等に係る業務に就く ※スコアの獲得が可能なのは、1号ロ・1号ハの人です。 |
10 |
|
産業の国際競争力の強化および国際的な経済活動の拠点の形成を図るため、地方公共団体における高度人材外国人の受け入れを促進するための支援措置を受けいてる機関で働く |
10 |
高度人材外国人は永住権を取得できる?
ここでは、高度人材の永住権について見ていきましょう。
永住権を取得するメリット
永住権を取得するメリットは、下記のとおりです。
在留期限がなく、ビザの更新が不要
永住権には、在留期間がありません。
在留期間がなくなるので、ビザの更新も不要です。
ただし、在留カードは7年ごとに更新が必要なため、注意しましょう。
更新の手続きは、現に有する在留カードの有効期間の満了日の2カ月前からできます。
就労や就学に制限がない
永住権には、就労や就学の制限がありません。
日本人と同じように、学校も仕事も選択できます。
働き方も自由で、フルタイムやアルバイトだけでなく会社経営なども可能です。
職種や働き方に制限がないので、転職もしやすくなります。
就職の際に有利
永住権には、前述したように就労の制限がありません。
取得すれば、就職の際に非常に有利に働きます。
永住権保有者は、活動制限も在留期間もないので、企業にとって採用がしやすい人材と言えます。
加えて、永住権は更新が不要なため、企業によるビザ手続きのサポートなども不要です。
高度人材外国人が永住権を申請する際の要件
下記で、高度人材外国人の方が永住権を申請する際の要件について解説します。
高度人材外国人は在留期間の要件が緩和される
高度人材外国人の方は、ポイントに応じて在留期間の要件が緩和されます。
獲得ポイントごとの要件は、下記の表のとおりです。
|
ポイント |
70点以上 |
80点以上 |
|---|---|---|
|
要件 |
・高度人材として必要なスコアをキープし、3年以上継続して滞在している ・永住権申請日から3年前を基準として70点以上を有していたと認められ、3年以上継続して70点以上を有して滞在している |
・高度人材として必要なスコアをキープし、1年以上継続して滞在している ・永住権申請日から1年前を基準として80点以上を有していたと認められ、1年以上継続して80点以上を有して滞在している |
そのほかの要件
そのほかの要件は、下記のとおりです。
- ● 素行が善良
- ● 独立の生計が営める資産または技能を有している
- ● 罰金刑・懲役刑などを受けておらず、公的義務を果たしている
- ● 現に有している在留資格の最長の期間で在留している
- ● 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがない
高度人材外国人が永住権申請する流れ
ここでは、高度人材の永住権申請について見ていきましょう。
永住権申請までの流れ
手続きの流れは、下記のとおりです。
●1. 許可要件を満たしているか確認する
●2. 必要書類を揃える
●3. 身元保証人をみつける
●4. 申請書を作成して提出
●5. 審査が行われる
ここでは、手続きに必要となる1~4について詳しく解説していきます。
1.許可要件を満たしているか確認する
申請する前に、許可要件を満たしているか確認します。
永住許可の要件は、厳しいのが特徴です。
加えて、高度人材の場合は、ポイントによって居住期間の優遇措置が異なります。
確実に申請を行うためにも、要件の確認を徹底しましょう。
2.必要書類を揃える
必要書類は、下記のとおりです。
- ● 永住許可申請書
- ● 写真
- ● 理由書
「なぜ永住が必要なのか」を説明する文書です。
日本語以外で書く場合は、翻訳文も用意しましょう。
● 申請者を含む家族全員の住民票
マイナンバーの部分は省略します。
● 申請者の職業に関する資料
・1. 在職証明書(会社員の方)
・2. 確定申告書の控えコピー・登記事項証明書・営業許可書のコピーなど(自営業の方)
● 直近の申請者および申請者を扶養する方の所得・納税状況に関する資料
1. 住民税の納付状況を示す資料
・ 住民税の課税または非課税証明書、および納税証明書
1年間の総所得および納税状況が記載されたものを用意しましょう。
・ 住民税を適正な時期に納めていることを示す資料
通帳のコピーや領収書などです。
2. 国税の納税状況を示す資料
源泉所得税・申告所得税・復興特別所得税・消費税・地方消費税・相続税・贈与税に係る納税証明書です。
3. そのほか
・預貯金通帳のコピー
・記に準ずるもの
● 申請者および申請者を扶養する方の公的年金・公的医療保険料の納付状況に関する資料
1. 公的年金の保険料の納付状況を示す資料
・ ねんきん定期便
・ ねんきんネットの「各月の年金記録」の画面のコピー
・ 国民年金保険料領収書のコピー
2. 公的医療保険の保険料の納付状況を示す資料
・ 健康保険被保険者証のコピー
・ 国民健康保険被保険者証のコピー
・ 国民健康保険料納付証明書
・ 国民健康保険料領収証書のコピー
3. 社会保険適用事業所の事業主の方
・ 健康保険・厚生年金保険料領収証書
・ 社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認書
・ 高度専門職ポイント計算表
手続きの時点で計算したものを用意しましょう。
● ポイント計算の各カテゴリーに関する疎明資料
獲得ポイントを確認できる資料です。
● 申請者の資産に関する資料
1. 預貯金通帳のコピー
2. 不動産の登記事項証明書
3. 上記に準ずるもの
● 申請者のパスポートまたは在留資格証明書
手続き時に提示します。
● 申請者の在留カード
手続き時に提示します。
● 身元保証に関する資料
・1. 身元保証書
・2. 身元保証人の身分を示す資料
運転免許証のコピーなどです。
● 日本への貢献に係る資料(ある場合のみ)
・1. 表彰状・感謝状・叙勲書などのコピー
・2. 所属会社・大学・団体などが作成した推薦状
・3. そのほか、各分野での貢献を示す資料
● 身分を証する文書(本人以外が手続きをする場合)
● 了解書
3.身元保証人をみつける
永住許可を申請するには、身元保証人が必要です。
身元保証人は、外国人に対して下記の役割があります。
- ● 日本の法律を守り、公的義務を適正に果たすように指導する
- ● 入管からの指示をきちんと守るように指導する
外国人が問題や犯罪を起こしても、身元保証人が罰則を受けたり、損害賠償責任を負ったりすることはありません。
身元保証人になれるのは、下記の人物です。
- ● 日本に住む日本人
- ● 日本に住む永住者
- ● 日本に住む特別永住者
4.申請書を作成して提出
上記で挙げた「永住許可申請書」など、作成が必要な書類の準備をします。
すべての書類がそろったら、お住まいの地域を管轄する出入国在留管理局に提出しましょう。
手続きに関して不明点や疑問点がある方は、下記の相談窓口を利用するのがおすすめです。
|
施設名 |
外国人在留総合インフォメーションセンター |
|---|---|
|
受付時間 |
平日8時30分〜17時15分 |
|
電話 |
0570-013904 |
|
対応言語 |
日本語・英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・タガログ語・ネパール語・インドネシア語・タイ語・カンボジア語・ミャンマー語・モンゴル語・フランス語・シンハラ語・ウルドゥー語 |
審査について
下記で、審査について解説します。
審査期間の目安
出入国在留管理局の公表によると、標準の処理期間は4カ月です。
ただし、近年は審査期間が延びており、実際には4カ月以上かかるケースがほとんどです。
審査にかかる期間は、申請者の状況によって異なります。
目安としては、1年程度はかかると想定しておきましょう。
不許可となるケース
不許可事例で多いのは、下記のようなケースです。
- ● 書類に不備がある
- ● 要件を満たせていない
- ● 申告内容に矛盾や虚偽がある
- ● 税金の未納や滞納がある
- ● 申請中に転職をした
- ● 身元保証人が適切な人物でない
永住許可は自力でも申請が可能ですが、上記のようなケースで不許可となる可能性もあります。
許可率を上げたい方は、行政書士などのプロに相談・依頼するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、高度人材外国人の方が永住権を申請する方法について解説しました。
高度人材の方は、さまざまな優遇措置が受けられます。
永住権の申請要件の緩和も、優遇措置の1つです。
高度人材になるには、高度人材ポイント制で70点以上を獲得しなければなりません。
ポイントの計算は、複雑でややこしいのが特徴です。
永住権の申請も、審査が厳しく、取得の難易度は高いと言えます。
申請をお考えの方は、行政書士などのプロに相談するのがおすすめです。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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