高度人材専門職の外国人が日本に永住する際の理由書の書き方や例文とは?
高度人材から永住権を申請したい方の中には、
「要件は?」
「理由書とは?」
「理由書の書き方は?」
「手続きの方法は?」
といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、永住権の申請で提出する「理由書」について詳しく解説します。
ぜひ、最後までお読みください。
高度人材から永住権に変更できる人の要件
ここでは、高度人材から永住権に変更できる人の要件について確認しましょう。
日本継続在住が10年に満たなくても申請は可能
永住権を申請するには、日本に継続して10年以上住んでいなければなりません。
ここで言う「10年」という期間は、要件として定められています。
しかし、高度人材かつ『高度人材ポイント』の獲得ポイントが高得点の方は、以下の要件を満たせば、決められた「10年」の期間を大幅に短縮できます。
短縮できる期間は、以下のとおりです。
- ● 80点以上の方:最短1年で申請が可能
- ● 70点以上の方:最短3年で申請が可能
ただし取得しているポイントによって要件が異なる
居住期間を短縮するには、要件を満たさなければなりません。
要件は、高度人材ポイントの獲得ポイントによって異なります。
各ポイントごとの要件は、以下の表のとおりです。
|
スコア |
80点以上 |
70〜79点 |
69点以下 |
|---|---|---|---|
|
要件 |
・高度専門職として1年以上継続して日本に住んでいる ・永住権の申請日の1年前から80点以上ある ・1年以上継続して80点以上ある |
・高度専門職として3年以上継続して日本に住んでいる ・永住権の申請日の3年前から70点以上ある ・3年以上継続して70点以上ある |
居住期間の短縮はできません。 |
永住権を申請するには、上記の居住期間だけではなく、以下の要件も満たさなければなりません。
- 1. 素行が善良である
- 2. 独立して生活ができる経済力がある
- 3. 法律違反をしていない(罰金刑や懲役刑など)
- 4. 公的義務を果たしている
- 5. 最長の在留期間で滞在している
- 6. 公衆衛生で有害とならない
永住権に変更するメリット
永住権に変更するメリットは、以下のとおりです。
- ● 在留期間の制限がなくなる
在留期間が無期限になるので、更新も不要です。
面倒な手続きがなくなるだけでなく、不許可となる不安からも解放されます。
- ● 活動の制限がなくなる
永住権には、就学や就労の制限がありません。
日本人と同じように、学校に通ったり、仕事を選択したりできます。
- ● 社会的信用度が向上する
住宅ローンや融資などの審査が通過しやすくなります。
永住権の申請において理由書が必要になる
永住権を申請するには、「理由書」と呼ばれる書類を提出しなければなりません。
ここでは、理由書の書き方について説明します。
手続きの流れと必要書類については後述するので、合わせて参考にしてください。
永住書許可申請の理由書
理由書とは、「なぜ永住許可が必要なのか」の理由を記した説明書です。
以下で、詳しく解説します。
理由書に書く内容とは
理由書に書く主な内容は、以下のとおりです。
- 1. 自己紹介
氏名や国籍など、簡単な自己紹介を記載します。
- 2. これまでの経緯
母国での学歴や職歴に加えて、来日から現在までの経緯について、順を追って説明します。
- 3. 現在の状況について
主な内容は、以下のとおりです。
- ・ 就労に関すること:勤務先・役職・仕事内容・年収など
- ・ 生活に関すること:結婚・家族・子ども・住居など
- 4. 年金・保険の支払い状況について
年金・保険の加入状況や支払い状況について記載します。
未納や滞納がある場合は、理由も説明してください。
- 5. 永住したい理由
なぜ日本に永住したいのかの理由について説明します。
例えば、日本との関わり・将来の目標などです。
- 6. そのほか
アピールできるポイントがある場合は、記載しましょう。
例えば、日本語能力・表彰や受賞の経験などです。
理由書は、申請者が自分の言葉で書かなければなりません。
書き方のポイントや例文については後述するので、ぜひ参考にしてください。
なぜ書く必要があるのか
審査官は、提出書類から申請者の詳細な情報をチェックします。
理由書を書く理由は、提出書類だけではアピールできないポイントを伝えるためです。
具体的には、以下の理由が挙げられます。
- ● 有利なポイントをアピールするため
例えば、就職に有利な資格を保有している・日本に親しい友人がいるなどです。
- ● 日本での生活状況を説明するため
例えば、普段の生活について・永住の意思について・身元保証人との関係性などを説明します。
- ● 軽微なマイナスポイントをフォローするため
マイナスポイントとは、数カ月だけ年金の支払いが遅れてしまったなどのケースです。
マイナスの評価をフォローするような、反省点や改善点などを説明しましょう。
理由書は、審査に大きく影響する重要な書類です。
書き方によっては、許可・不許可の結果を大きく左右すると言えます。
審査官の心証がよくなるように、丁寧に作成しましょう。
永住権許可申請理由書の書き方の例文
各項目の書き方のポイントと例文は、以下のとおりです。
以下で紹介するのは、あくまでも例文です。
インターネット上にも多数の定型文が紹介されていますが、すべてを丸写しするのは避けてください。
例文を参考にしつつ、自分の言葉に置き換えて作成しましょう。
自己紹介
“私は〇〇籍(国籍)の〇〇(名前)と申します。今回「永住者」の在留資格を申請しておりますが、これまでの経緯と申請理由について説明させていただきます。”
宛名は「法務大臣殿」、タイトルは「申請理由書」です。
これまでの経緯
“詳細は別紙の履歴書に記載しておりますが、私は〇〇(国籍)で生まれ本国の〇〇(学歴や職歴など)を卒業した後、日本語を学ぶため〇年〇月〇日に来日しました。日本語学校を卒業後は〇〇大学で〇〇(専攻など)を学び卒業しました。卒業後は、〇〇社に入社し、現在まで勤務しております。”
以下の内容を含みながら、順序だてて説明してください。
- ● 来日した年月日
- ● 来日の理由
- ● 来日後の活動について
- ● 現在の状況
提出書類との情報に矛盾が生じないように、注意しましょう。
現在の状況
“私は現在、株式会社〇〇で〇〇(役職など)の担当として勤務しております。業務内容は〇〇で、今年で勤続〇年です。給与については月額〇〇円で、賞与も含めて年収は〇〇円です。会社の上司や同僚との関係も良好で、日々仕事へのやりがいを感じながら働いております。今後も同社の発展のために仕事に励み、微力ではありますが、日本の国益に貢献できればと考えております。”
“私は、〇年〇月に〇〇籍(国籍)の〇〇(氏名)と結婚しました。そして〇年に妻(または夫)との間に長女の〇〇(氏名)を授かり、現在は〇〇県〇〇市にある一軒家で生活しております。”
“勤務先で担当する役職・業務内容・収入について説明します。
現在の在留資格の活動範囲と仕事内容が一致している必要があるため、矛盾がないように注意しましょう。”
私生活について記載するポイントがある方は、合わせて説明してください。
例えば、結婚・子ども・住居などについてです。
年金・保険料の支払い状況
“私は〇年に来日し、今年で〇年が経ちました。来日以降、厚生年金・健康保険に加入しております。口座引き落としの制度を利用しており、これまで未納も滞納もございません。”
提出書類との矛盾がないように、注意しましょう。
未納や滞納などは厳しく審査されるので、不安がある方は、行政書士などの専門家に相談するのもおすすめです。
マイナス面をフォローできる方は、反省点や改善点などを説明しましょう。
例えば、支払いの遅れがあったので、口座振替にして対策したなどのケースです。
永住したい理由
“私は、来日してから今年で〇年が経ちました。留学生時代も就職後も、日本で出会った友人や同僚など、多くの方達に支えられて今の私があります。今後も日本に住み続け、今度は私が友人や同僚、日本社会に恩返しをしていきたいと思っております。
私の生活基盤は日本にあり、今後も日本国の住民として法律を守り、勤勉に働き、誠実に暮らしていく所存でございます。
以上のような理由で、「永住者」の在留資格を申請いたしました。何卒、ご許可を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。”
永住したい理由については、自分の言葉で丁寧に書くのがポイントです。
以下のような内容について、具体的なエピソードを交えながら書くと、好印象につながります。
- ● 日本社会との関わり
- ● 友人や同僚について
- ● 身元保証人との関係
- ● 日本での出来事で一番嬉しかったこと
- ● 日本の好きなところ
- ● 今後の目標
理由書の最後に、作成日と署名を記載してください。
そのほか
そのほかにアピールできるポイントがある方は、追加で説明しましょう。
特に、日本への定着性をアピールできると、好印象につながります。
例えば、以下のようなプラスの要素がある方は、積極的にアピールしましょう。
- ● 日本語能力試験でN1やN2がある
- ● 仕事で役立つ国家資格などがある
- ● 無事故無違反の運転記録証明書がある
- ● 自治体・企業・関係団体などから表彰状や感謝状をもらった
永住権許可申請理由書で気になること
以下で、理由書を用意する際のよくある疑問点について紹介します。
記入は手書きでもよい?用紙のサイズなどの規定はある?
理由書の書式は、自由です。
規定などは設けられていないため、手書きでもテキストでも問題はありません。
見出しなどを付けて、審査官が読みやすいように工夫するといいでしょう。
用紙のサイズは、A4で統一するのがおすすめです。
加えて、両面印刷ではなく、片面1枚ずつ印刷します。
文字数に決まりはありませんが、4,000文字程度にまとめるのが一般的です。
長すぎても短すぎても印象はよくないので、簡潔に伝えたいポイントをまとめましょう。
書式は自由ですが、日本語以外で記載する場合は、翻訳文が必要です。
理由書を書いたからと言って、必ず通るわけではない
永住権は、提出書類や申請内容を基に慎重に審査が行われます。
理由書は非常に重要な書類ですが、提出をしたからといって、必ず許可がおりるわけではありません。
ただし、提出しなければ不許可となる可能性が高いため、作成には手間も時間も要しますが、必ず提出してください。
日本人配偶者が永住申請する場合は、理由書は不要?
理由書の提出が不要なのは、以下の在留資格をお持ちの方です。
- ● 「日本人の配偶者等」
- ● 「永住者の配偶者等」
日本人や永住者などの配偶者の方が、結婚生活のために永住権を取得するのは自然なことであるため、理由書の提出が免除されます。
審査で有利になるケースもあるので、理由書を提出する方もいらっしゃいます。
加えて、入管から追加で理由書の提出を求められるケースもあるので、注意しましょう。
高度人材から永住権の申請について
ここでは、高度人材から永住権を申請する方法について確認しましょう。
永住権の申請の流れ
永住権は、以下の手順で申請します。
- ● 手続き方法の確認
申請に向けて、以下の必要な情報を確認しましょう。
- ・ 要件
- ・ 提出書類
- ・ 手続き方法
- ● 手続きの準備
提出する書類の作成や収集をします。
書類の種類によっては、発行や作成に時間がかかるものもあるので、計画的な準備を心がけましょう。
加えて、身元保証人になってくれる人も探す必要があります。
- ● 永住許可申請
すべての準備が完了したら、手続きに進みます。
手続きの場所は、お住まいの地域を管轄する出入国在留管理局です。
- ● 審査
提出した書類などが審査されます。
かかる期間については後述するので、ぜひ参考にしてください。
- ● 結果の通知
審査が完了次第、許可または不許可の結果が通知されます。
永住権の申請における必要書類
必要書類は、申請者の状況によって種類が異なります。
以下で、共通する書類と点数別の書類に分けて紹介します。
共通必要書類一覧
共通する必要書類は、以下のとおりです。
● 永住許可申請書
● 写真
サイズや背景など、細かく規定が設けられています。
不適当な写真を使用すると、撮り直しを求められるため、注意しましょう。
● 理由書
詳細については前述した内容を、ぜひ参考にしてください。
● 住民票(申請者を含む家族全員)
マイナンバーの部分は省略します。
● 申請者の職業に関する以下のいずれかの資料
- ・ 在職証明書(会社員の方)
- ・ 確定申告書の控えまたは登記事項証明書(自営業の方)
- ・ 職業に係る説明書および立証資料(そのほかの方)
● 高度専門職ポイント計算表
永住許可の申請時点で計算したものを用意しましょう。
● ポイント計算の各項目に関する疎明資料
● 資産を証明する資料
- 1. 預貯金通帳の写し
- 2. 不動産の登記事項証明書
● パスポートまたは在留資格証明書
● 在留カード
● 身元保証書
●身元保証人の身分証明書
運転免許証などです。
●了解書
2021年10月1日より、提出が義務付けられました。
点数別必要書類一覧
点数別の必要書類は、以下の表のとおりです。
|
スコア |
70〜79 |
80以上 |
|---|---|---|
|
書類 |
・直近3年分の所得および納税状況を証明する資料 ・直近2年分の公的年金および公的医療保険料の納付状況を証明する資料 ・日本への貢献に係る資料 |
・直近1年分の所得および納税状況を証明する資料 ・直近1年分の公的年金および公的医療保険料の納付状況を証明する資料 ・高度専門職ポイント計算結果通知書の写し ・永住許可の申請の1年前時点で計算した計算表 |
・直近3年分の所得および納税状況を証明する資料
・直近2年分の公的年金および公的医療保険料の納付状況を証明する資料
・日本への貢献に係る資料
・直近1年分の所得および納税状況を証明する資料
・直近1年分の公的年金および公的医療保険料の納付状況を証明する資料
・高度専門職ポイント計算結果通知書の写し
・永住許可の申請の1年前時点で計算した計算表
費用とかかる日程
永住許可は、申請時に料金が発生することはありません。
許可される場合は、手数料を収入印紙で納付します。
審査にかかる標準処理期間は、4カ月です。
ただし、近年は審査が長期化している傾向にあり、1年以上かかるケースもあります。
申請者によってかかる期間は異なるので、スケジュールにゆとりを持って申請を行いましょう。
永住権の申請は専門の書士に依頼しよう
永住権の申請は、要件も提出書類も複雑です。
準備には、想像以上に手間も時間もかかります。
スムーズな申請をしたい方は、行政書士などの専門家に依頼するのがおすすめです。
行政書士に依頼すれば、申請者の状況に合わせた適切なサポートをしてくれます。
加えて、理由書の書き方についてもアドバイスをしてくれるので、審査で有利になるような理由書の作成が可能です。
準備にかかる労力を軽減できるだけでなく、不許可となるリスクも回避できるため、安心して申請に進めます。
まとめ
この記事では、永住権の「理由書」について解説しました。
理由書は、日本に永住したい理由を記した文書です。
審査の結果を左右するほど重要な書類のため、丁寧に作成する必要があります。
様式に決まりはなく自由に書けるので、書き方に悩む方も多いです。
本記事で紹介した例文などを参考に、自分の言葉に置き換えて作成してみましょう。
理由書の作成や申請に不安がある方は、行政書士などの専門家に相談・依頼するのもおすすめです。
プロフィール
2009年4月 行政書士個人事務所を開業
2012年8月 個人事務所を行政書士法人化し「さむらい行政書士法人」を設立
専門分野
外国人VISA・在留資格、外国人雇用・経営管理、永住・帰化申請
入管業務を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
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