創業時に融資をしてもらったけど、追加で融資を受けたいという場合はどのようにしたらよいでしょいうか。
ここでは、創業融資で追加融資は可能か?そのポイントについて解説します。
1 創業融資で追加融資は可能?
結論から言うと、創業融資で追加融資は可能です。
現在融資を受けていて、返済中だと融資を受けられないのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、その点はご安心ください。
もっとも、現在の返済が期日通りに全然返せていない等の場合には、追加融資は難しくなってきます。
では、具体的に追加融資の条件はどういったものがあるか、次に見ていきましょう。
2 追加融資の条件
①最初の融資の30%~50%を返済していること
最初に融資を受けた額を最低でも3割程度を期日通りに返済すること必要です。
仮に1000万円の融資を受けた場合は、300万円を返済した段階でなければ、追加融資を受けるには難しいでしょう。また、さらに上乗せした融資を受けたい場合には、業績が順調であることを示す書類を提出する必要があります。
②当初の希望融資額に満たなかった理由が改善していること
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」のところで述べたのですが、融資上限額が3000万円であっても、3000万円満額を融資してくれるのは稀です。
500万を希望したのに、実際には300万円の融資になったということもよくあります。
この原因としては、事業計画書や面談等を通じて、当該事業の収益システムに不安があると判断された場合が考えられます。
したがって、この点に改善が見られれば、追加で融資してくれる確率は高くなります。
③経営状態に問題ないこと
経営が赤字続きで破綻しそうという場合には、融資した額が回収できない可能性が高くなるので、追加融資は当然難しくなります。
また、実際には経営に問題がない場合であっても、クレジットカードの支払いが期日通りにできていない、カードローンが50万円以上あるといった生活費が足りないような事情をうかがわせる行動をしている場合には、経営状態も不安定であると疑われてしまうので、気を付ける必要があります。
④事業計画書や創業計画書と異なる事情を説明できること
例えば、前回の融資からわずか3か月後に追加の融資を申し込むということになると、事業計画書や創業計画書通りに収益をあげられず、資金不足が生じてしまったのではないかということが疑われてしまいます。
したがって、このような疑いを払拭する事情として爆発的なヒット商品ができたことやより収益をあげられる大型ショッピングセンターから出店の誘いを受けたなどの合理的な 説明ができることが必要です。
3 追加融資のポイント
創業融資での追加融資ではどのような点が考慮されるでしょうか。追加融資の審査ポイントを見てみましょう。
①経営実績
創業融資を申し込んだ場合とは異なり、追加融資の場合にはそれまでの実績が評価ポイントとなります。すなわち、創業融資の申し込みの際に提出した事業計画書や創業計画書の通り順調に経営がなされているかが重要になります。
事業計画書、創業計画書の通り売上げが伸びている場合には、追加融資を受けられるでしょう。赤字であっても、それが当初の計画通りであり、売上げが伸びている一方で先行投資がかさんでいるといった場合には、それほど問題にはなりません。もっとも、そのことは担当者にしっかりと説明することが必要になります。
計画書と大きく異なる事情が発生した場合などの要因がある場合には、新たな事業計画書を提出します。
②それまでの融資の返済状況
最初の融資の30%~50%を返済していることに加え、当然ながら期日通りに返済しているかも重要なポイントです。返済を遅滞するということは、通常経営に問題があるのではないかと疑われます。
また、経営に問題がなくても、返済に遅滞が生じることは信用性が落ちるので追加融資は難しくなるでしょう。
③前回の融資の資金使途の適切性
創業融資の際に、融資を受けたお金を何に使うのかを説明しますが、その説明通りにお金が使われているかが確認されます。
資金使途に違反がある場合には、追加融資も違反するのではないかと思われてしまうので、追加融資は難しくなります。
4 まとめ
以上見てきたように、追加融資は可能ですが、追加融資を受けるにはポイントを抑えることが求められます。また、追加融資にはタイミングもあり、いつ追加融資を申し込むのかもお分かりいただけたのではないでしょうか。
追加融資までの期間は、返済実績も問題なく、経営状態にも問題がないという場合には、1か月程度という短期間でなされる場合もあります。
不安があるといった場合には、専門家に早目に相談することをお勧めします。