これから事業を行っていくために、金融機関から創業融資を受けたいと考えたとき、バーチャルオフィスでも審査は通るのでしょうか?事務所をバーチャルオフィスにすることができれば、創業時のコストをおさえることができます。
ここでは、バーチャルオフィスでも創業融資を受けられる?という点について説明をしていきます。
バーチャルオフィスでの創業融資
結論として、バーチャルオフィスであっても創業融資を受けることは可能です。
「本店所在地がバーチャルオフィスである」というだけで創業融資を断られることはありません。
創業融資を受けたいと思ったときは、さまざまな提出資料や創業計画書、面談等の審査過程を経て、金融機関に「この人は貸したお金をきちんと返してくれる人だ」と認めてもらわなければなりません。
そのため、たとえ事務所がバーチャルオフィスであったとしても、きちんと業務を行う場所自体は確保できていることや、創業計画に支障がないことを説得性のある資料を提出して説明することができれば、創業融資を受けることができます。
創業融資を受けるまでの流れ
創業融資の申請手続は、金融機関によっても異なりますが、おおむね以下のような順番で進められます。
- 相談の申し込み
- 初回の相談
- 必要書類の準備・提出
- 面談
- 融資の決定
- 返済開始
このうち、③の必要書類には、以下のようなものが挙げられます。
・借入の申込書
・創業計画書
・見積書(設備資金の融資を受ける場合)
・履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
・本人確認書類
・通帳コピー
・許可証 ※許認可が必要な場合
・印鑑証明書
・源泉徴収票、確定申告書
これらの書類を集めて提出しさえすればどなたでも融資を受けられるわけではなく、日本政策金融公庫の創業融資の審査通過率は、自分で融資を申し込んだ場合は半分以下とも言われています。
特に、バーチャルオフィスで起業を考えておられる方は、以下のような点に注意が必要です。
審査のポイント
1.実行性、信ぴょう性のある創業計画書を作成する
創業計画書の内容は、審査上の大きなポイントです。
創業計画書には、以下のような内容を記載することになります。
・経営者の経歴
・商品・サービス内容
・事業の特色
・取引先
・今後の損益計画(売上・経費・利益)
創業期においては、これまでの業績がないため、創業計画の内容が特に重要です。
創業計画の内容が不明確だったり、実効性がないと判断されると、融資を受けることができません。
特にバーチャルオフィスでの起業を考えておられる方は、バーチャルオフィスであっても創業計画に支障がないことや、実際に業務を行う場所が確保できている等の説明ができなければ、バーチャルオフィスであることを理由に審査に落ちてしまうことがあります。
例えば、これまでシステムエンジニアとして会社で長年勤務してきた方が、これまでの経験を活かして自身で会社を立ち上げ、同じようにシステム開発等の業務を行っていくような場合は、実際の勤務場所は客先の会社でシステム開発を行うため、会社の本店はバーチャルオフィスであっても特に支障がないという説明は、信ぴょう性があるとして認められる可能性が高いかと思います。
一方で、貿易業として雑貨品を輸出入するという事業計画で、商品の在庫を事務所にある程度置いておく必要があるような業種のときに、バーチャルオフィスを本店とすると、実際に商品を置く場所が確保できておらず矛盾した創業計画であると判断される可能性があります。
自身が行う事業内容から考えて、バーチャルオフィスでも問題がないという説明は創業計画書内できちんとできるようにしておきましょう。
また、創業計画そのものをきちんと準備できている人であっても、創業計画書として説得性のある資料を作成できなければ審査に落ちてしまうことがありますので、ご自身で創業計画書を作るのが難しいと思う場合は、専門家に相談してみるのも良いでしょう。
2.面談でもバーチャルオフィスであることをきちんと説明する
融資の際に行われる面談はおおよそ1時間程度で、提出した資料を元に質問形式で行われます。
このとき、バーチャルオフィスが事務所であることを隠そうとしたり、嘘をついたりすると、それだけで審査に落ちてしまいます。
バーチャルオフィスであっても創業計画の実行性に支障がないことをきちんと説明できれば、融資に落ちることはありませんので、下手にごまかそうとせず、しっかりとご自身の創業計画を説明するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。バーチャルオフィスでも創業融資を受けられる?という点について説明をしてきました。
メモ
創業融資について不安や悩みがある方は、専門家へのご相談をおすすめします。弊社では初回の無料相談を行っておりますので、まずはご相談ください。融資経験の豊富な行政書士がヒアリングを行わせていただきます。これから融資にどうやって取り組めばいいのか、今後の懸念事項や対策等、気になる点はどうぞお気軽にご相談ください。