銀行の借り入れなどで、「融資の真水」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
この「真水」とはいったいどういうことなのでしょうか?
ここでは、融資の真水、借換について説明をしていきます。
融資の真水とは?
融資の真水とは、借換をしたときに増える金額の増額分をいいます。
たとえば、A銀行から1000万円融資を受けたあと、現在までに400万円の返済を行っていて、残りの返済額は600万円あるとします。このとき、B銀行から1500万円の融資を新たに受けて、A銀行への600万円を返済すると、手元には900万円が残ります。この借換によって生じた900万円の増額分が、「融資の真水」です。
借換の目的は?
この借換は、どういった目的で行われるのでしょうか?借換は、「キャッシュフローを良くするため」に行われます。金利や返済の年数、担保等の条件が現在よりもよくなれば、その分キャッシュフローの改善につながります。
例えば、1000万円を3年の返済年数で融資を受けていて、毎月30万弱の返済を行っていた場合に、これよりも長い10年間の返済年数で借換を行うと、毎月10万円弱の返済に切り替えることができますので、キャッシュフローの改善につながります。
このように、状況に応じて借換を行うことは、資金調達において重要なポイントとなります。
以下のような場合は、借換を行うメリットがあるといえるでしょう。
1.資金調達をしたいけど、毎月の返済額を増やしたくない
追加の融資を受けたいが、毎月の返済額を増やしたくない、もしくは今よりも減らしたいというときは、借換によって追加融資を受けることができる上に、返済年数の延長、金利の減少の分だけ毎月の返済額を減らすことができますので、キャッシュフローの改善につながります。この借換によって生じた増額分が「融資の真水」です。
2.複数の借り入れを一本化したい
いろいろな金融機関から融資を受けているときに、借換を行い、融資を一本化することで、返済期間を長くすることができたり、金利を下げられたりと、バラバラの場合よりも好条件の融資を受けることができます。
ただし、他の金融機関での借り入れを、日本政策金融公庫に一本化するための借換を行うことはできません。
日本政策金融公庫は100%政府が出資した金融機関であるため、公益性が求められます。
他行が金利として返済年数の分だけ受けることができるはずだった金額が、借換により返済されてしまうと発生しなくなるため、公益性に反するとして、日本政策金融公庫での借換は認められていません。
借換の注意点
借換を行うときは、以下の点に注意が必要です。
融資の審査が厳しくなる
借換を行い、追加で資金調達をしたいと思ったときは、全く債務がない状態よりも審査が難しくなると考えておいた方が良いでしょう。
融資を受けて全く返済していない場合にさらに借換を行うとか、返済がずっと遅れているような場合に借換をしたいと思っても、審査に通る可能性は低いです。
最低でも1年以上は遅れずに返済を行った上で借換を申し込むのが良いでしょう。
新型コロナウィルスによる日本政策金融公庫の特例
新型コロナウィルスの蔓延により、日本政策金融公庫では、借換の特例が認められています。
一定の条件を満たした場合に、無利子での借換ができることとなっておりますので、既存の融資を受けている人でも、この制度を利用した借換を行うことで、今後は無利子に変更することができます。
コロナウィルスによる特例として認められておりますので、通常時に借換を行うよりも低いハードルで融資を受けることができます。
ただし、他の金融機関で借りたものを日本政策金融公庫に一本化するための借換は認められない点は変わりませんので、この点には注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。融資の真水、借換について説明をしてきました。借換は事業者の方の資金調達において重要なポイントとなりますので、状況に応じて検討されると良いでしょう。
メモ
借換について不安や悩みがある方は、専門家へのご相談をおすすめします。弊社では初回の無料相談を行っておりますので、まずはご相談ください。融資経験の豊富な行政書士がヒアリングを行わせていただきます。これから融資にどうやって取り組めばいいのか、今後の懸念事項や対策等、気になる点はどうぞお気軽にご相談ください。