市街化調整区域の農地転用は難しい、農地転用をこれからしようとしている方はこのような話を聞いたことがあるかもしれません。
確かに、市街化区域と比べると難易度は上がり、審査の期間も長くなる傾向にありますが、どのような流れなのか、また、目安期間を知っておくだけでも気持ちは軽くなるかと思います。
こちらでは、これから市街化調整区域の農地転用を検討されている方に向けて、市街化調整区域の農地転用の手続き・流れ・期間を解説していきます。
■農地転用をする為に
まずは、申請地を管轄する農業委員会に問い合わせるか、ホームページを見ましょう。
そこで必要書類や、申請に関する留意事項を確認することが出来ますのでしっかり確認しましょう。
確認ができましたら、必要書類を集め、農地転用許可申請書を作成します。
それらが準備できたら、いよいよ農業委員会へ提出です。
次の項で、申請書と併せて提出する農地転用に必要な書類を解説していきます。
■市街化調整区域の農地転用届出に必要な書類
一般的な必要書類は下記になります。
①市街化調整区域の農地転用許可申請書
市区町村のホームページからダウンロードできます。
②申請地の登記事項証明書
法務局にて取得、3ヶ月以内発行のものをご準備下さい。
③公図(隣接の土地全て登記地目・所有者記入)
法務局にて取得、3ヶ月以内発行のものをご準備下さい。
④位置図
Google map等をコピーし、最寄り駅、インターチェンジ、役場や公共施設の位置がわかるものをご準備下さい。
農地転用届出地をわかりやすくするために、赤枠で囲んでおきましょう。
⑤住宅地図
コンビニ、図書館、インターネット上にて取得して下さい。
ゼンリン住宅地図プリントサービスというものがあり、コンビニでも取得可能で便利です。
農地転用届出地をわかりやすくするために、赤枠で囲んでおきましょう。
書類の縮尺に関して、市町村によって求められる縮尺が違うので確認しましょう。
⑥事業計画図
事業により明示する項目が変わりますので、農業委員会に確認しましょう。
⑦経費見積書
土地の売買代金や建築費用、造成費用など全ての経費を含む必要があります。
工務店等の押印があることも求められます。
⑧資金証明
銀行発行の残高証明書原本や、預金通帳の写し、銀行の融資証明書を用意しましょう。
⑨同意書
市区町村によっては各自治体に応じた同意書が求められます。
—必要に応じて提出する書類—
⑩賃貸借契約書の写し又は使用賃借契約書
賃貸借権又は使用貸借権の設定を行う場合に必要です。
⑪合意解約の通知書
農地転用申請地に小作権等の利用権が設定されている場合に必要です。
⑫開発許可手続き中であることを証する書面又は開発許可を受けたことを証する書面
都市計画法による開発行為を行う場合に必要です。
⑬法人の登記事項証明書、定款の写し
法人の場合に必要です。法人格のない団体は、会則、役員名簿を求められます。
⑭住民票又は戸籍の附表
土地登記事項証明書記載の住所と届出人の住所が異なる場合に必要です。
⑮求積図等の転用箇所や転用面積が分かるもの
一部転用の場合に必要です。
⑯農地復元のための見積書及び資金証明書又農地復元に関する誓約書
一時転用の場合に必要です。
⑰農地転用に関する意見書
土地改良区域内農地の場合に必要です。
⑱その他農地転用に関し参考となる書類
市区町村によって独自に求めてくるものなどあるので、農業委員会に確認しましょう。
上記はあくまで原則のものですので、申請先の農業委員会に問い合わせ、必要書類リストをもらうことをお勧めいたします。
■市街化調整区域の農地転用の流れ
市街化調整区域の農地を農地転用する際は、農業委員会の許可だけでは足りず、県知事の許可が必要になります。(4ヘクタール以上は農林水産大臣の許可が必要です)
申請の流れとしては下記のような流れになります。
農地転用申請地の市区町村の農業委員会に申請書を提出
↓
農業委員会にて審議
↓
農業委員会が意見書を添付し県に書類送付
↓
県が再審議
↓
法的に問題がなければ県が許可等を行う
このような流れになります。県の審議が入る為、通常の農地転用(農業委員会のみで済むもの)と比べると審査期間が長くなりますので余裕を持って申請しましょう。
■農地転用完了までの目安期間
申請が受理されてから、農地転用許可が下りるまで一般的には約2ヶ月かかります。
また、複雑な事案では許可が下りるまでにこれ以上の期間を要することは往々にしてありますので、スケジュールは余裕を持って組みましょう。
■まとめ
こちらでは、市街化調整区域の農地転用の手続き・流れ・期間について解説いたしました。
市街化調整区域の農地転用は、市街化区域の農地転用と比べると、とても時間がかかるものです。是非、スケジュールには余裕を持って準備を始めましょう。
農地転用をしたいけれど、何から手をつけたらいいか分からない方や、ご不明点がある方はお気軽に行政書士までご相談下さい。