空調工事で建設業許可を取りたいけど、そもそもどの許可を取ればいいのかわからない、、
ここでは、そんな方向けに、空調工事を行うために必要な建設業許可を取得するための要件について、特に専任技術者になるための要件を中心に解説をしていきます。
管工事は電気工事ではなく管工事
まず大前提として、空調設備工事は、電気工事ではありません。
建設業許可を取得する上では、管工事に分類されることに注意しましょう。
というのも、空調設備工事のメインとなる部分は配管工事であるからです。
建設業許可を取得しなければならないのはあくまでメインとなる業務に関するもので、附帯業務として電気をいじるくらいであれば電気工事の許可は要りません。
とりあえずは、「空調(エアコン)=管工事」と覚えておきましょう。
では次は取得要件です。
建設業許可取得のための一般的な要件
建設業許可はいくつもの業種に分かれていますが、その要件について基本的な事項は共通しています。
まずはその基本の要件から見ていきましょう。
建設業許可のためにはそれぞれの業種に共通して次の5つの要件を満たす必要があります。
①建設業に係る経営業務の管理を適正に行う能力
②専任技術者
③誠実性
④財産要件
⑤欠格事由非該当性
この内①は、「経営業務の管理責任者として、5年以上建設業に関する経営業務経験者」などの一定の要件を満たした人を経営管理者として設置しなければならない、といった内容の要件です。
そして②の専任技術者というのは、行って水準以上の技術者を営業所ごとに置かなければいけない、という要件を意味するのですが、こちらは取得する許可の種類によって具体的に必要な資格等の要件が異なるので、ここを後ほど重点的に見ておきます。
次に③の誠実性は、請負契約に対して誠実に履行をおこなうことを求めるもので、④は取引先保護の観点から財産的基礎を求めるものです。
そして最後の⑤は反社会的勢力との関連や、直近での各種法令違反など、これに該当していると建設業許可は受けられませんよという欠格要件となっています。
ではここからは、業種によって必要な資格が異なる専任技術者の要件について詳しく見ていきます。
なお、これは一般建設業許可と特定建設業許可で要件が異なります。
一般建設業許可で専任技術者になれる人
管工事業の一般建設業許可で専任技術者になれる人は、次のどれかに当てはまる必要があります。
1 有資格者
1級管工事施工管理技士 |
2級管工事施工管理技士 |
技術士 機械部門(流体工学・熱工学)、上下水道部門、衛生工学部門 総合技術監理部門(機械(流体工学・熱工学)、上下水道、衛生工学) |
建築設備士+管工事実務経験1年以上 |
1級計装士合格+管工事実務経験1年以上 |
給水装置工事主任技術者(免状交付+管工事実務経験1年以上) |
技能士 冷凍空気調和機器施工技能士、配管技能士(建築配管作業)、建築板金技能士(ダクト板金作業) (旧検定職種:配管工技能士・空気調和設備配管技能士・給排水衛生設備配管技能士) |
登録基幹技能者 配管、ダクト、冷凍空調 |
2 関連学科(土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科)を卒業+3〜5年の管工事実務経験者
大学卒業+3年以上の実務経験 |
専門学校卒業(高度専門士or専門士)+3年以上の実務経験 |
高校卒業+5年以上の実務経験 |
専門学校卒業(専修学校専門課程)+5年以上の実務経験 |
3 10年以上の管工事の実務経験者
10年以上の実務経験ある。 ※その他学歴や資格は不要です。 |
ここまでが一般建設業許可の専任技術者のための要件で、
次にご紹介するのは、特定建設業許可で専任技術者になるための要件です。
イメージとしては、資格を持っているか、一般の要件+αの経験があるか、といった感じです。
特定建設業許可で専任技術者になれる人
1 有資格者
1級管工事施工管理技士 |
技術士 機械部門(流体工学・熱工学)、上下水道部門、衛生工学部門 総合技術監理部門(機械(流体工学・熱工学)、上下水道、衛生工学) |
なお、多くの種類の建設業許可とは違い、管工事業は指定建設業7業種に入りますので、実務経験での要件充当は認められません。
さて、ここまでいかがだったでしょうか?
基準額以上の請負金額で空調工事を請け負うためには、電気工事業ではなく、管工事業での建設業許可が必要であることがおわかり頂けたことと思います。
そして、その許可取得にあたっては満たすべき要件があり、特に専任技術者要件では有資格者であることや、管工事業での実務経験などが求められています。
もし建設業許可取得をご検討の方で、申請のためにサポートが必要だなと思えば、はぜひ一度専門家の行政書士に相談をしてみて下さい。