補助金Q&A

設備投資に使える補助金

 

事業の発展のため、設備投資をしたいと思っていても、資金を用意できない・・・とお悩みの事業者の方は多いかと思います。そのような場合に活用できる制度が、「補助金」です。

ここでは、補助金の中でも特に設備投資に使える補助金について説明していきます。

 

補助金とは?

「補助金」とは、企業や個人の事業の取組みに対して政府が交付するお金のことです。

経済産業省や中小企業庁等が取り扱っており、公募形式で募集が行われ、審査に通ると補助金が交付されます。

申請すれば必ず通るというものではなく、10%~30%程度の採択率とも言われています。

 

また、事前に資金を給付されるわけではなく、使った額の2分の1や3分の2以内が補助金として交付され、基本的に返金の義務はありません。

募集の時期は、補助金の種類によって違いがありますが、3月から6月にかけて募集が行われることが多くなっています。

 

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といいます。

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が今後の制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するための支援や、

中小企業や小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するために交付されるものです。

 

そのため、大企業は対象とされておらず、資本金が5000万円以上の企業や、従業員数が50人以上の企業は対象とならない場合があります。

 

①ものづくり補助金の種類

ものづくり補助金には、以下の3つの種類があります。

それぞれ目的が異なりますので、自社の事業に合った内容で申請しましょう。

 

・一般型

概要:新製品・新サービス開発・生産プロセスの改善に 必要な設備投資及び試作開発を支援

補助上限額:1000万円(下限は100万円)

補助率:補助対象経費の2分の1(小規模事業者は3分の2)

 

・グローバル展開型

概要:海外事業(海外拠点での活動を含む)の拡大・強化等を目的 とした設備投資等の場合、補助上限額を引上げ。

補助上限額:3000万円(下限は100万円)

補助率:補助対象経費の2分の1(小規模事業者は3分の2)

 

・ビジネスモデル構築型

概要:中小企業30者以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための 面的支援プログラムを補助。(例:面的デジタル化支援、デザインキャンプ、 ロボット導入FS等)

補助上限額:1億円

補助率:補助対象経費の2分の1

 

②公募期間

「ものづくり補助金」は、これまで1年に1~2回の公募期間がありましたが、令和元年度補正予算案については、通年で公募すると発表されております。

 

③対象となる経費

企業の経費すべてに対して補助金が出るわけではなく、対象となる経費は以下に限定されています。

 

・機械装置・システム構築費

機械や装置の購入、ソフトウェア、システムの開発や構築などの経費。

・技術導入費

事業の遂行のために必要な知的財産権の導入にかかる経費。

・専門家経費

事業の遂行のために依頼した専門家に支払う経費。

・運搬費

運搬、宅配、郵送にかかる経費。

・クラウドサービス利用費

クラウドサービスの利用にかかる経費。

・原材料費

試作品の開発に必要な原材料の購入にかかる経費。

・外注費

新製品・サービスの開発に必要な加工や設計・検査などを外注する場合の経費。

・知的財産権等関連経費

特許権の取得にかかる弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など。

・広告宣伝・販売促進費

開発する製品・サービスの広告作成や媒体掲載、展示会出展、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用などの経費。

・感染防止対策費

事業を実施するために必要な感染拡大予防のための取組に要する経費。

 

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者等が生産性の向上のためのIT導入を支援する補助金です。中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するための経費の一部を補助してもらうことができます。

 

自社の置かれた環境から強み・弱みを認識、分析し、把握した経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図っていくことを目的としています。

 

そのため、このIT導入補助金も大企業は対象とされておりませんので、資本金が5000万円以上の企業や、従業員数が50人以上の企業は対象とならない場合があります。

 

IT導入補助金には、「A類型」と「B類型」と「C類型」があり、C類型が特別枠となっています。

 

令和2年実施のIT導入補助金(応募する時期によって若干異なることがありますので、必ずご自身で応募する時期の最新の公募要領等を確認するようにしてください)。

A類型

・必ず1つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアで申請する。

・補助額は30万円以上150万

・補助率は1/2以下

 

B類型

・必ず4つ以上の業務プロセスを保有するソフトウェアで申請する。

・補助額は150万円以上450万

・補助率は1/2以下

 

C類型

・C類型-1とC類型-2がある。C類型-1の補助率は2/3以内。C類型-2の補助率は3/4以内。

・補助額はいずれも30万~450万円

 

※C類型が特別枠とされ、補助率がA,B類型よりも大きく、PC・タブレット等のハードウェアにかかるレンタル費用も補助対象となっています。

 

※業務プロセスとは、次の6つのうち、いずれか1つ以上を担うソフトウェアのことをいいます。

①顧客対応・販売支援

②決済・債権債務・資金回収管理

③調達・供給・在庫・物流

④業種固有プロセス

⑤会計・財務・資産・経営

⑥総務・人事・給与・労務・教育訓練

 

いかがでしたでしょうか

建設業が使える補助金について見てきました。

補助金についてお悩みの方は、専門家に相談してみるとよいでしょう。代行を依頼するための費用はかかりますが、自分でやる場合よりも許可可能性が高くなり、かかる時間、手間等も短縮が可能です。これらの要素を比較しながら、利用を検討してみてください。

 

 

この記事の監修

さむらい行政書士法人 代表 / 小島 健太郎

行政書士/財務コンサルタント

吉野 智成(よしの ともなり)

プロフィール

大学卒業後、税理士事務所で中小企業の会計を支援。
2019年 行政書士登録、個人事務所を開設
2021年 補助金・融資部門を法人化。「株式会社Gunshi」を設立
専門分野:事業者向け補助金、融資申請支援

書籍

中小会社で活用できる「補助金」のことがわかる本』(セルバ出版)

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