「資金繰りショート」とは何か?「資金繰りショート」とは経理上の用語の1つで、手元にある現金が不足し、取引先などへの支払いができない状況のことをいいます。
つまりは会社を運営していくための運転資金が不足することです。
「資金繰りショート」を引き起こしてしまう原因としては、売上の減少や、経費の増加などが考えられますが、下記の様なことが原因となって「資金繰りショート」を引き起こしてしまう場合もあるので、注意が必要になります。
支払いサイトの問題
仮に売り上げが好調であったとしても、その客先からの料金回収までの期間が長い場合や材料や製品の仕入先などへの支払い期間が極端に短い場合には「資金繰りショート」が発生しやすくなります。
例えば、製品を売った顧客からは、製品納入から120日後しか、その料金を支払ってもらえないのに、仕入先には、納品してもらった翌月には支払いをしている場合などです。
これだと当然手元の現金はどんどんなくなっていきますよね!?
このように支払いと回収のバランスが悪いと「資金繰りショート」は発生します。
資金繰りがそもそも間違っていた!
例えば、日々資金繰り表は確認していたが、その記載にミスがあり、本来支払うべき日までに現金が用意できていないとか、金額が不足していたなどが挙げられます。
極端な事を言えば、資金繰りのチエックを経理担当にまるなげしていて、経営者たる自分は全く確認をしていなかった場合や、確認をしていても、その経理担当者が嘘をついていた場合も同様です。
このような場合にも「資金繰りショート」が発生しやすくなります。
それでは「資金繰りショート」をした会社はいったいどうなるのか?
結論から言って、「資金繰りショート」をした会社は「倒産します」
逆のから言えば、会社の倒産とは、業績が悪化して決算書上赤字になった時でもなく、債務超過状態になった時でもなく、従業員が全員辞めてしまって、会社が回らなくなった時でもないのです。会社が倒産するとは、「資金繰りショート」をした時が、会社が倒産する時なのです。
「資金繰りショート」をしないようにすることは、会社の命を繋ぐ行為に等しいと考えてください。
それでは、「資金繰りショート」になりそうな状態になった際に「資金繰りショート」をしないようにするためにはどのような方法をとればいいのでしょうか?基本的には現金を手元に残すという方法になります。その解決方法は下記の様なことが考えられます。
① 経費を削減する
まずは、手堅く、日々出ていくお金をなるだけ最小限にする為に、経費の見直しを行う事が重要です。経費を削減するのは、まずは社内でできる一番の方法であると思います。
社内的には、社内で節電をしたり、使用している消耗品の使用料を減らしたりできないか?とか、原材料費などのコストダウンができないか?の検討をしてみてください。その後場合によっては人件費の削減や役員報酬の見直しなども行わなければいけないかもしれません。
② 遊休資産の売却
たとえば、会社が保有する保養所やゴルフ場の会員権や使用していない倉庫など、持っていても利用していない遊休資産を売却して現金化する等をして、会社の手元に現金がある状態をつくるようにしてください。
③ 支払いサイトの見直しをする。
「資金繰りショート」は手元に不足なく、現金が残るようにすれな発生しないことになりますから、客先や仕入先に対して、支払い期間の短縮や延長などの見直しをお願いすることも有効です。
④ 運転資金の融資をうける。
「資金繰りショート」は運転資金が不足することで発生しますから、運転資金が不足しそうな際は、金融機関に融資の申し入れをする事も方法の1つです。
ただ、金融機関も商売ですから、資金繰りが悪化して、今後の見通しの立たない会社に対しては融資をしてくれない可能性もありますので、ちゃんとした事業の計画や返済の計画はしっかりと立てたうえで、融資の申し入れをするようにしないといけません。
金融機関の中でも、日本政策金融公庫という金融機関は一般的な銀行と比較しても、会社の経営がピンチの時でも比較的親身になって融資の相談にのってくれたりしますので、日本政策金融公庫の運転資金融資を検討してみるのは有効な手段だと思います。
以上が「資金繰りショート」に関するお話になりますが、一番重要なのは、日々正しい資金繰り表を作り、お金の流れを常に把握しておくことが一番重要だと思います。
「資金繰りショート」になってからですと、その解決策には限りがありますし、もしかすると解決策自体が無い場合もあります。
常日頃から「資金繰り」を確認しておくことで、「資金繰りショート」のリスクは減らせますし、融資の申し入れの準備の時間もとることができるようになると思います。